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(100)漂流者の初日

 さて、俺達は遭難中だ。水ノ国に行く途中の船が転覆して、船が大破。なんか、巨大な龍みたいな姿を見たな。

 とはいえ、あの大嵐じゃ。こいつ等を連れだすので精一杯だった。


「どうしようか?」

「迷宮に戻れば元の国に戻れるが、今戻ってもなんか変な疑いが掛けられそうなんだよな」

「それは確かに」

「取りあえず、島を見てみましょうか。ノンナとサザナミ、それと貴方が此処に残って仮の拠点でも作って下さい。私とコクヨウで探索してきます」

「テント建てても戻らない様ならこっちから探しに行くな」

「お願いします」


 ワカバはコクヨウに乗って漂着した無人島のジャングルへ入っていく。俺達は俺達でテントを建てていく。薪を拾い、竈を立てていく。鍋を出して食材の準備をする。


「今日は何にするか」

「煮込み料理、いやスープにするか」

「この島に何かいるのかな?」

「いてくれると助かるんだけどな」


 食材を現地調達できれば、暫くはこの島で生きられるだろうからな。まぁ、仕方ないここにマーキング用の家具を置いてダンジョンの管理人部屋へ跳ぶ。食材を幾つか注文して、また無人島へ戻り、調理を再開する。


「食材は揃ったし、用意しちまうか」

「何にしよう」

「野菜に鶏肉。棒棒鶏とかかな?」

「調味料もちゃんとあるね」

「まぁ、ちゃっちゃと進めていきますか」


 鶏肉を茹でて、その間にトマトときゅうりを千切りにしていく。大皿に盛りつけて、俺は米を炊き、他は茹でた鶏肉を刻んだり、味噌、醤油、みりん、ゴマを煮詰めてソースを作る。 刻んだ鶏肉を刻んだ野菜の上に置いて、さらにそこへソースをたっっぷりとかける。

 完成したのは棒棒鶏。匂いだけで食欲を刺激されるらしい。作っているとワカバ達が戻って来た。話を聞く感じだと内陸の方に洞窟があるらしいので、飯でも食べたらそっちへ移ることにする。


「味が濃いモノってご飯によく合いますよね」

「そうだねー、うん、うま」

「羨ましいね。美味しそうに食べられるのは」

「貴方も何か別のに進化すればいいのに」

「こっちの進化系統を気に入ってるんだから別にいいじゃん」

「味とか感じられるようになれると良いね」

「進化していけばどっかで慣れるだろ」


 食事が終わると調理台と竈なんかは置いていき、テントを片して洞窟へ向かう。

 サザナミとノンナは足が遅いのでコクヨウに乗って、ワカバは俺が抱えて洞窟へ向かう。身体能力に自信がある組で行ったので、数分で到着した。


「この洞窟か?」

「うん。中々頑丈な造りになってる」


 コクヨウがガンガン叩いても大丈夫そうなら多少の風雨には怯えずに済みそうである。


「じゃあ、洞窟内は土をもって高さを嵩増ししておこう」

「何故です?」

「多分多少の風雨にはビクともしないだろうけど、水が溜まる可能性はある。洞窟内の床の高さを上げて置けば浸水の危険は防げるはずだ、それと可能なら排水施設を作って飲み水の確保も同時に行えるようにする」

「ここで暮す気ですか?」

「迷宮をこの島に移すからな。長期的に滞在できる拠点を作るつもりだ」

「………この人がこういうなら私は異論ないけど?」


 サザナミがそう答え、他に異論があるか聞いた。


「食料の安定的な採取ができればいいと思う」

「私もコクヨウの意見に賛成です」

「帰る手段もあるし迷宮の場所の事を考えたら私も賛成」


 全員が意見を出して俺の方を見る。全会一致でこの島を俺達の拠点にするのは賛成か。


「迷宮移動用の道具は既に購入済みだ」

「問題は何処に使うかか」

「今使うもんでもないし、暫くは島を探索しよう」

「「「「はーい」」」」


 夕食も作ってこの日は洞窟の中で夜を明かした。

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