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妻の出産と我が子の将来

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 猿啄城を陥落し、土岐頼武が越前へ落ち延びたことで、土岐頼芸様方が勝利し、美濃は一応安定の兆しを見せる。


 わしも、猿啄城を代官に任せ、兼山に戻り政務を執っていた。

 兼山で過ごし、暫く経つと妻が産気づいた養で、屋敷は騒然となる。

 谷野一栢や女医見習いの女弟子や産婆を呼び、慌ただしさが増す中、わしも世の父親に負けず、落ち着くことは叶わなかった。

 政務も手に付かず、そわそわしていると、赤子の泣き声が聞こえてくる。

 我が子が産まれた様で、暫くすると、妻付きの女房がやって来て、子供が産まれた旨を伝えてくれた。

 生まれたのは男の子らしく、女房も大層喜んでいる。

 わしは、妻の元へ赴き、谷野一栢や女医見習いに妻子の容態を聞くと、母子ともに問題無い様で安心した。

 そのまま、妻に会い労いの言葉をかけるとともに、我が子を眺める。

 二人とも元気そうで何よりであった。

 赤子の側には、都より呼び寄せた公家の乳母が控えている。

 美濃で戦があったため、連れてくるのが大変だったが、間に合って良かった。

 産後の肥立ちに気をつける様に言い付け、控える女房や女医見習いに、妻をしっかり休ませる様に指示をする。


 部屋に戻り、執務をしていると、銀山にいる黒田下野守などの家臣たちが現れ、祝いの言葉を贈ってくれた。

 黒田下野守も男の子が産まれたことで胸を撫で下ろしている様で、嬉しそうにしている。

 家臣たちとしては、跡継ぎが産まれることを期待していたのだろう。


 その後、九條稙通卿や家臣たちを招き、祝いの席を設けた。

 九條卿も自分のことの様に喜んでくれている。

 わしも自分で思っていた以上に嬉しかったらしく、ついつい深酒をしてしまった。


 更に日にちは経ち、妻子の健康状態には問題が無い様子で、息子もすくすく育っている。

 息子の幼名は、わしの幼名を継がせて「多幸丸」にした。

 嫡男として、無事に成長して貰いたいものである。


 ある日、部屋で政務を執っていると、九条卿と黒田下野守が訪ねてきたと告げられ、部屋に通して貰う。

 二人の用件としては、息子の傅役のことであった。

 九條卿としては、わしの出自からしても、乳母と同様に公家から招くのが良いと考えている様で、黒田下野守も同じ考えの様だ。

 黒田下野守曰く、当家に傅役に付けられる様な者は、仕事が忙しいので、家中では無理とのことである。

 傅役とは教育係であるので、家中の家臣である必要も無く、主君の家臣なども派遣されることもある様だ。

 将来的に道三と対立する可能性を考えると、養祖父や養父から傅役を招くとは躊躇われる。

 そうなると、着地点としては、実科の近衛家を通じて、公家から招くのが良いのだろう。

 取り敢えず、実家の近衛家に知らせるべく、黒田下野守に書状と手土産を持たせて都へ向かわせることになった。

 九條卿からも書状を書いてくれるらしい。

 今回は、近衛家への顔繋ぎを含めて、松永弾正を随行させるらしく、黒田下野守は都へと向かうのだった。

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