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忍希望ですか?いえ、参謀希望です

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 最後に連れてこられたのは、一人の色黒の男であった。

 その男は、大林菅助晴幸と名乗った。

 元々は、駿河国富士郡山本村で吉野貞幸の三男に生まれたらしい。

 現在は、三河国牛窪城主牧野氏の家臣である大林勘左衛門の養子だそうだ。

 二十歳の時に武者修行を始め、都で京流を修めた後に、二十五歳で山伏兵法を学ぶため、高野山にの摩利支天堂に篭ったと本人は語る。

 しかも、夢の中で空海が現れて摩利支天の像を授けられたといいます。そして、摩利支天を自身の守護仏としたらしい。

 あまりにも胡散臭さすぎて、本当にこの男を採用して良いのか迷ってしまう。

 山伏兵法とは、兵法だけでなく、天文、地理、地形の測量なども身に付けるらしい。

 それだけでなく、鉱山開発、冶金技術、薬草の知識などにも精通し、病人の治療を行うこともあるとか。

 勧誘してきた伊賀者を率いる服部半蔵に聞いたところ、伊賀の忍の術も元を辿れば、山伏兵法が始まりらしい。

 大林菅助を勧誘してきた忍も、街中で山伏兵法の動きをする者を見掛け、不思議に思い後を尾けたそうだ。

 多少のいざこざはあったものの、大林とやらは当家に興味を抱き、仕官を申し出たらしい。


 「では、大林は忍衆として仕官すると言うことだな?」


 山伏兵法と言うものを修めているということは、忍衆として働きたいと言うことだろう。


 「いえ、某が望むのは、平井宮内卿様のお側で働くことにございます」


 大林菅助は忍衆では無く、平井宮内卿の下で働くことを望んでいるらしい。


 「何!?平井宮内卿の下で働きたいと申すのか?」


 「左様にござりまする。

 某が西村様に仕官しようと思ったのも、軍術で高名な平井様の下で軍術を学びたいからにございます。

 元々、某は山伏兵法を修めた後は、軍術を修め、各地の戦場や城を巡り、研鑽を深めることが目的にございました。

 しかし、畿内にて軍術に長じていると称する者の教えは、某が求めるものにあらず、年が明けたならば、西国へ赴き、研鑽を深める他ないと諦めておりました。

 そこへ、西村様の御家臣と縁を結び、都で軍術に長じていると高名だった平井様がお仕えしていると言うことで、仕官を望みましてございます」


 平井宮内卿から軍術を学ぶことが目的で仕官すると申しているが、本当に大丈夫だろうか?

 平井宮内卿の暗殺や当家の軍事情報を盗むのが目的なのでは?と疑ってしまう。

 服部半蔵にチラッと目を向けると、半蔵は頷く。

 服部半蔵なりに話したり、調べた限り、問題は無かったから通したのだろう。

 万が一に備えて、監視は付けておくようだ。


 「良かろう。他に何か希望はあるか?」


 平井宮内卿にさっさと任せてしまいたいので、最後に彼の希望を聞く。


 「某は大林家の跡取りにござりますれば、養父に何かあった際にはお暇を頂きたいと思います」


 養父が亡くなったら、跡を継がなければならないから、当家の奉公を辞して、実家に帰りたいそうだ。

 なら、仕官しなければ良いのにと思うが、人が足りないのも事実である。

 ましてや、天文、地理、地形の測量、鉱山開発、冶金技術などの知識があるとなれば、なかなかに惜しい人材であるのは確かだ。

 大林菅助が当家の知識が欲しいなら、此方も彼の知識を得るまでよ。

 当家の軍制が他国で真似できるとは思えないしな。


 「好きにするが良い」


 わしは、おざなりに応え、平井宮内卿へ押し付けることにしたのだった。



 年を跨いで、当家の人材も徐々に増やしている。

 しかし、将来的な領土拡大を視野に入れると、明らかに足りていない。

 忍衆などを使い、在野の人材を探しだし、更に人材を増やさなければならないと思うのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が特に名指しで勧誘の指示出してないのに青田買いともいえる有名な武将獲得する忍び衆こそが武勲一位だなw 志摩とったことよりよほどすごい活躍だ。
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