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黒田重隆のお土産

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 黒田下野守たちが京と雑賀から無事に帰って来た。

 京のお土産は色々あるようだ。主に実父に頼んでいたものだが。


 「関白様は殿のことを大層心配しておいででしたぞ」


 黒田下野守が父稙家からの伝言を伝えてくれる。

 後奈良天皇の即位式の銭かぁ。楠木正成の名誉回復にも金が銭が必要と。朝廷も困窮してるから仕方ないか。

 一条本家にも借りを作ってしまったようだ。一条房通殿は京にいた頃、何度か会ってるから、支援するのも吝かではないな。

 そろそろ、私鋳銭を作ることを検討したほうが良いかもしれないな。

 度量衡の器具や明の手銃もあったようで良かった。

 京から持ち帰った度量衡の器具を基準に、測定器を作るよう下野守に指示をする。中央の度量衡の基準に合わせておけば問題ないだろう。



 続いて、大宮伊治殿以下公家の者たちに会う。

 大宮殿は、大宮家当主で朝廷で役職に就かなければならない可能性もあるらしいので、永続雇用は出来ないようだが、期間を定めて仕事をしてくれるみたいだ。

 算術を雇用した公家や家臣への伝授や領内の測量などをお願いし、金額を決定すると喜んでくれた。余程困窮していたのだろう。

 文官として雇用することとなった公家たちは下級の公家の人たちで役も無いので、当家で永続的に雇用して欲しいらしい。

 読み書きと簡単な計算は出来るようである。

 取り敢えず、大宮殿たちには黒田下野守の下で働いてもらうことにする。



 「雑賀衆の代表で参りました鈴木孫市重意にござる」


 わざわざ、雑賀衆の親玉自ら来てくれたようである。

 風貌は大柄で、養父や義祖父のように893な容姿である。

 黒田下野守から話は聞いていたようだが、改めて話を聞きたいとのことだったので、水軍を借りて薩摩まで行きたい旨を伝えた。いずれは琉球に行きたいことも匂わせておく。

 また、戦があったときに兵を雇いたい旨も伝え、どれぐらいの兵を雇えるかも聞いてみた。雑賀衆だけで足りないなら、雑賀衆の伝手で根来衆を雇うことも出来るようだ。

水軍の規模や載せられる人数などは流石に詳細は教えてくれなかったが、ぼやかした答えを聞いた感じだと、何とかなりそうである。

 鈴木殿は水軍の貸し出しを了承してくれたので、雑賀に戻り次第、水軍を蟹江に送ってくれるそうだ。

 織田弾正忠に伝えておかねばなるまい。



 馬路宮内、正頼親子を呼び、楠木正成赦免の件について、近衛家の見解を話し、現在は難しいが、主上の即位式など、銭の問題が解決、もしくは貢献出来れば可能かもしれない旨を話した。

 主上の即位式が行われていないのは問題なので、当家としても銭を出すので、その際に再び近衛家に伝える旨を話すと馬路親子は感謝していた。

 予てより、伊勢楠木氏の親戚を周り話したいそうなので、許可をする。

 戻ってきたら、馬路親子には西国へ使者に行ってもらいたいことを伝える。

 馬路正統は関東で活動中なので、戻ってきてから伝えることにした。


 各人との話し合いを終え、自分の部屋に戻り、父稙家たちからの手紙に目を通す。

 父からは文句の言葉が書き連ねてあったが、わしのことを心配してくれているようだ。

 祖父や叔母(後の慶寿院)、叔父(後の久我晴通)たちからの手紙もあった。

 都があまりに住みにくいようなら、美濃に下向するよう誘うのも良いかもしれない。

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