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キノコと硝石丘法

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 鵜飼孫六が追加で雇った甲賀者が到着したとの報告を受ける。

 大島甚六たちが基本教練をやっている光景を観て、鵜飼孫六がアレを俺らもやるのか?と困惑した表情を浮かべたが、諜報を主とする乱波はやらなくて良いと言うと、ホッとしたのか安心の表情を浮かべた。


 そんな鵜飼孫六に、今回連れてきた甲賀の者が信用出来る者か訊ねる。

 わしが真面に問うたためか、鵜飼孫六もやや緊張した面持ちで信用出来ると応えた。

 これからやることは、秘中の秘であり、話を漏らすようなことがあれば、殺さなければならないこと。

 その代わり、報酬は多いことを伝え、人選が可能かを問う。作業をする者、秘密を守るため警護する者、彼らを監視する者を含めてだ。


 数日後、小規模であれば可能であることを伝えられ、更に追加の甲賀者の雇用を要求された。しかし、将来のことを考えると、既に手を付けなければならないので、承諾した。


 これから甲賀者たちにやってもらうことは、「硝石丘法」である。

 兼山一帯の領内の山中で情報を秘匿しやすい場所を既に選定してある。

 そこに風通しのいい小屋を建、木の葉や石灰石・糞尿・塵芥を土と混ぜて積み上げ、定期的に尿をかけてかき混ぜ、硝石を析出させるフランス式の方法を実施することにした。

 採取出来るようになるのに、5年はかかるが、硝石はいくら在庫があっても良いので、今のうちから手を付けておきたいのだ。しかし、糞尿を運んだり、混ぜたりする、誰もやりたがらない上に機密性の高い事業である。

 やってもらえるか訊ねたところ、何のためやるか分からないが、わしが真面なので、理由があるのだろうから、何とかすると言い、詳細なやり方を聞き、取り掛かってくれた。


 甲賀者が増えたので、キノコの原木栽培事業にも手を出すことにした。

 中井戸村の者たちに、食用キノコを見つけた際に、そのキノコが生えていた木や枝を持ってくる。若しくは印を付けて報告してくれとお願いしていた。

 中井戸村に家屋を建てる上で、原木も準備していたので、「普通原木栽培」と「短木栽培」に着手する。

 100cm程度の大きさの原木にはシイタケ、15~20cm程度の原木にはクリタケ、ヒラタケ、ナメコ、エノキタケを栽培する。

 種菌のコマなど用意できないので、それぞれのキノコが生えていた箇所を削ったり、ほじくり返し、採取した木片やおが屑を、原木に空けていた穴に入れこむ。

 その後、菌を繁殖させるため、藁やら落ち葉をかけて伏せ込みをする。短木の場合9割程度を土に埋め、日除けのため、上には落ち葉や藁を被せたり木陰で栽培する。

 この方法で上手くいくかは分からないが、生えれば儲けものである。


 椎茸はこの時代は貴重品なので、もし栽培に成功して、安定的に手に入れることが出来たら、大きな利益になることは間違いないだろう。


 硝石丘法、キノコ栽培ともに機密性の高い事業なので、多羅尾光俊や鵜飼孫六を中心とした甲賀者に管理運営をさせることとした。

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