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生活力向上を目指して

皆さんの評価、レビューをいただけると励みになります。

 津島や織田弾正忠家と取引するようになり、懐が大分潤ったお陰で、鳥峰城の築城は予定より進んでいる。


 関、明智、妻木が儲けたことで、木曽川沿いの他の領主たちからも産物を取り扱って欲しいと頼まれ、中井戸村の地位は大きく向上した。

 そのため、築城に対しても協力的になり、人足たちも増えたのである。


 生活力向上のため、まずは衛生環境の向上させようと思う。中井戸村の住民たちに、山中でサイカチとムクロジの実を集めさせていた。

 サイカチの豆果は去痰薬や利尿薬の生薬として、棘は腫れやリウマチに効く漢方薬とした使われるらしい。

 ムクロジの種子は数珠や羽根つきの羽に、実は女性用避妊具として使われていたようだ。

 そんなサイカチの鞘とムクロジの果皮にはサポニンが多く含まれ、古来より石鹸の代わりに使われてきた。

 そのため、中井戸村の住民たちには、サイカチとムクロジを使って手洗いをするよう義務付けた。ついでに、水でうがいをすることも付け加えておく。

 最初は面倒くさがっていたが、有用性を語り、実施する者には銭を与え、従わない者には罰を与えると告げると、渋々ながらも実施し、習慣化し始めていた。


 わしが中井戸に来て半年ぐらいが経ち、ようやく屋敷と言えるような物も建ち、今はそこで暮らしている。

 屋敷が建つ前は、黒田重隆や大島甚六、多羅尾光俊と一緒に暮らしていたのだが、三人とも料理が上手い訳でもなく、21世紀の頃は自炊していた、わしが仕方なく料理を拵えていた。

 まぁ、料理は公家や武士のスキルだから、出来るにこしたことは無いんだけどね。

 羽林家の四条家は家業に庖丁道があるし、細川幽斎などの武将なども料理スキルを有していた。

 取り敢えず、身近に手に入る味噌の上澄みのたまり醤油やらを使って調理するが、21世紀の料理を知ってる身からすると全く物足りない料理でも、家臣3人は旨い旨いと言って食べていた。

 もっと食材や調味料の幅が増やすことと、わし以外に料理できる者を育てようと思っている。


 中井戸村の周りは山に囲まれており、木曽川も流れている。

 そのため、川魚も猪や鹿も捕れるため、意外と食材は豊富であった。

 猟師が取ってきた猪や鹿を分けてもらうことがあったが、血抜きが甘いのか、死体をちゃんと冷やしてないのか、やけに臭かったりしたので、現代で齧った知識で血抜きやら川で死体を冷やす方法など教えると、以前より美味しく食べれるようになった。

 猟師たちが称賛するので、明の書物に書いてあったと適当に誤魔化しておく。


 肉が美味しいとなると、自ずと皆が食べたがるので、狩りに行くようになるのだが、そこでは弓の名人である大島甚八が大活躍していた。


 狩りをすれば、毛皮が増える。鹿皮は武具の材料として取引されるし、羚羊やら猪の毛皮も利用されている。

 この時代は布は貴重なので、庶民は麻や紙を服として着ている。寒さを凌ぐため、毛皮は重要なのだ。


 猟師に鹿や羚羊の子供、瓜坊を見かけたら、生きたまま捕まえてくるよう命じたところ。

 猟の際に捕まえてきたので、それぞれの動物ごとに柵を分けて牧場を作ることにした。

 中井戸村の民たちも、わしがまた変なことしていると思いつつも、指示に従い牧を作った。ジビエ牧場で安定的に肉や毛皮を確保することが目的である。羚羊の毛は、毛氈(フェルト)を作るのに使えるしな。


 ジビエ牧場を作ったためか、前世は21世紀に生きていた身としては、牛肉を食べたくなるが、この時代は 牛、馬、豚、羊やらを食べるのはタブー視されている。仏教の教えや、勅命や幕府の布告など度々出されていた影響だろう。

 牛は農作業に使われ、馬は荷運びや乗り物として重宝されていた。

 京などでは河原者と呼ばれる者たちが屠畜や皮革業を営んでいる。屠畜や皮革と、人々が嫌がる仕事をしるためか差別を受け、まつろわぬものたちとして扱われていた。

 しかし、彼等の技術は有用であり、獣皮の加工のためにも、河原者を連れてくるのも考えたほうが良いかもしれない。


 取り敢えず、牛は農作業にも使えるし、牛乳を飲むこと自体はタブーではないので、来年以降は牛の牧場も作ろうと思う。

 牛乳は平安時代など公家の力が強かった頃は、大陸の影響を受け、乳製品が公家の間で流行していた。乳製品を作れば、商いの種になるかもしれない。

平安時代の貴族は大陸の影響で毛皮が流行っていたみたいですね。

官位で身に着けられる毛皮が違ったそうな。

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