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花開く技術と奴隷労働力への依存

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 わしは領地を得て、かなり早い段階で内政チートなどに励んでいたが、数年掛かりの技術が徐々に花開き始めた。


 兼山を領地にして、直ぐの段階で真桑を植えたのだが、その目的はマルベリー(桑の実)や桑の樹皮を紙や衣服の材料を生産するつもりだった。

 しかし、黒田下野守が美濃国ではかつて養蚕が盛んだったことを教えてくれ、まだ養蚕を行っている者が、かなりの数いるのではないかと言う。

 美濃絹は、律令法において、最も上質とされている絹織物として、美濃国で作られた美濃絁が定められ、中世では美濃の荘園の多くで絹を生産していたらしい。

 美濃国内を探してみると、養蚕農家はおり、当家に連れてくることも難しく無かったので、養蚕農家を召し抱えて、細々と生産はしていた。

 琉球交易で利が出始め、奴隷を多く購入出来るようになったのは最近であり、志摩の内陸部も養蚕に適しているとのことから、奴隷を使って桑畑を作ったのだ。

 志摩には、兼山の養蚕技術者を送り、養蚕の準備を始めている。

 志摩で真桑を植えたついでに、兼山の桑畑を拡大した。

 養蚕農家を招いた時は、桑畑の規模も小さかったので、技術者育成のために、招いた養蚕農家の自由にさせていたが、桑畑が拡大し、生産量の増加が見込めそうになったので、そろそろ前世の知識を生かして、絹を本格的に生産する必要があるかもしれないな。



 また、当家では、かなり早い段階で椎茸栽培を始めていたが、椎茸の原木として生えてきたものは、思ったよりも少なかった。

 暗所かつ風通しの良い場所で栽培することは知っており、山中で適した場所に屋根を立てて栽培していたのだが、思ったようにはいかない。

 栽培を任せていた御倉衆の者が、詰め込んだ椎茸菌が乾燥してるのが不味いのでは無いかと気付き、その箇所に水を掛けたりしたものの、あまり上手くいかなかった。

 いっそのこと、椎茸菌を詰め込んで直ぐに蓋をすれば乾燥しないんじゃないかと言う話になり、様々な物で蓋を試みたところ、蝋で蓋をした物が一番良いと言う結論に至った。

 今年になって、椎茸の原木が増えたので、来年からはより多くの椎茸が栽培できることだろう。



 実は、領内で、こっそりと味噌や酒、麹などを作っている。

 座にバレると不味いので、かなり小規模であるが、借金持ちの職人たちを連れてきて、作らせているのだ。

 販売するつもりは無く、自分達で使うためだったり、家臣たちに与えている。

 米麹に飯と水を入れて発酵させた後、常山木の根の灰を加えてできる灰持酒や前世の知識を生かして清酒作りなどもさせている。

 こっそり生産しているので、清酒作りはあまり上手く言っていないが、来年ぐらいには自分たちで飲む量は作れそうである。

 また、前世の知識を生かして醤油を作っていて、来年には熟成も終わり、第一号が出来上がるだろう。

 成功したら、大規模に生産するつもりである。

 まだこの時代には、醤油は発明されていないので、座や既得権益は存在しない。

 商品化する際には、またどこかの権威を借りて独占的生産と販売をすることにしよう。



 商品化と言えば、以前に父・近衛稙家を通じて朝廷に献上した「牡丹白粉」であるが、鉛を使っておらず、毒が無いことから、需要が急増してしまった。

 兼山の生産量では、需要に応えられなくなってしまったので、かなり早い段階で織田弾正忠家に、キカラスウリを栽培してもらい、フランチャイズ的に生産をしてもらっていた。

 ブランド名はそのままに、織田弾正忠家が生産した物は津島を通じて販売している。

 定期的に品質確認などしているが、問題があったことは無い。

 織田弾正忠は真っ先に自分の家族たちに与えており、妻の栄子も使用していた。

 そのため、妻の健康状態も異状無く、乳母も無鉛の白粉を使っていることから、嫡男の多幸丸も鉛入りの白粉を口にしていない。

 奴隷を増やしたことで、キカラスウリを大規模に栽培出来る様になったので、来年からは生産量を増やせるだろう。



 今年に入って、今まで細々とやっていた事業が花開き始めているが、かなり奴隷の労働力に依存しているな。

 その問題の根幹は、領地の人口が不足していることにあるのだが。

 まぁ、奴隷も神宮の信徒に改宗し、数年間真面目に働けば領民として解放する予定なので、何れは人口が増えるし、問題無いだろう。

 しかし、まだ奴隷の労働力が足りているとは言えないので、奴隷の価格の安い関東から買い付けるかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 椎茸チートはそんなに簡単じゃない
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