表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神話の歩き方  作者: くーくま
9/12

ミスティルティン

参考資料はウィキペディアです。



ヤドリギの枝。

ミスティルテイン(古ノルド語・アイスランド語: Mistilteinn、スウェーデン語・デンマーク語: Mistelten、ノルウェー語: Misteltein)は、ヤドリギを意味する。ミストルティンとも呼ばれる。



---

バルドルの死

北欧神話では、バルドルを死に至らしめたアイテムとして登場する。


バルドルはある日、死を予言する夢を見た。それを聞いた母フリッグは、万物に対し、決してバルドルに危害を加えないという誓いを立てさせた。


ただし、ヴァルハラの西に生えていたヤドリギ(ミスティルテイン)の新芽だけは、あまりに非力でその必要がないと思い、誓いを立てさせなかった。さらにフリッグはそのことをロキに漏らしてしまった。


ロキはバルドルの盲目の弟ヘズを騙して、ヤドリギをバルドルに向かって投げさせた。矢となったヤドリギがバルドルを貫き、バルドルは絶命した


----

ここまでウィキペディアからの引用。



ミスティルティンが何であるかを簡単に言えば、「女」です。

ヤドリギは「女」を指します。


では上の文章はどう読むか、となります。



あるところにバルドルという男がいた。

バルドルは優秀で周囲の尊敬を集める男だった。

バルドルがリーダーとして行動していると争いごともなくなり平和に過ごすことが出来た。

そんなバルドルはある日、死を予言する夢を見た(ここは深く追求しないでおきます。'夢'が何の比喩か、それとも本当に夢なのかがわかりません。極端な解釈をすれば、いずれ自分も死んでしまうだろう、と仮定を話した、とも解釈できます)。

バルドルが死ぬ、と聞いて周りは困ります。バルドルがいれば争い事を片付けてくれて平和に過ごせるのです。

母フリッグは、周囲の皆にバルドルを殺さないように誓いを立てさせます。

そんな中、まだ幼い女子であった女Aは、その幼さから誓いを立てずに済みました。


(この話の中のロキは、人物を指さずに奸計を計る邪な意思、を指します)

フリッグはこの事を隠さずにいたため、知っている者はこの情報を知っている状況になります。

そんな中、バルドルの弟ヘズはバルドルを好ましく思っていなかった(どう思っていなかったのかは書かれていません。有能な兄と比べられて妬んだのか、相続関係で邪魔だと思ったのかはわかりません)。


ヘズはバルドルを疎ましく思い、バルドルが居なくなってくれれば良いと考えます。

それはバルドルを殺す、以外にもバルドルがバルドルでなくなってしまえばよい、ということです。

(ここではヘズはバルドルの優秀さを妬んで、という要因で話を進めます)

ヘズは誓いを立てなかった女子Aをうまく操り、バルドルが気にいるように仕立て上げ、バルドルの妻へとあてがいます。

バルドルがバルドルでなくなる、とはつまり記憶を失わせる、もしくは嘘を教えて洗脳する、などの方法を行います。

食事から教育まで、日々のすべてでバルドルはバルドルとしての知識を失うように加害され、やがて「バルドル」としては死んでしまいます。


ここでは、生まれ老い、そしてまた生まれるというサイクルにおいて、そのサイクルにおける世話を担当する女の裏切りにより、男が「自分自身」を保つことが出来なくなり、一人死んでしまう事を表現しています。



「男を殺すに刃物は入らぬ。女の一人もいればよい」

というのがこの話の教訓です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ