ミスティルティン
参考資料はウィキペディアです。
ヤドリギの枝。
ミスティルテイン(古ノルド語・アイスランド語: Mistilteinn、スウェーデン語・デンマーク語: Mistelten、ノルウェー語: Misteltein)は、ヤドリギを意味する。ミストルティンとも呼ばれる。
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バルドルの死
北欧神話では、バルドルを死に至らしめたアイテムとして登場する。
バルドルはある日、死を予言する夢を見た。それを聞いた母フリッグは、万物に対し、決してバルドルに危害を加えないという誓いを立てさせた。
ただし、ヴァルハラの西に生えていたヤドリギ(ミスティルテイン)の新芽だけは、あまりに非力でその必要がないと思い、誓いを立てさせなかった。さらにフリッグはそのことをロキに漏らしてしまった。
ロキはバルドルの盲目の弟ヘズを騙して、ヤドリギをバルドルに向かって投げさせた。矢となったヤドリギがバルドルを貫き、バルドルは絶命した
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ここまでウィキペディアからの引用。
ミスティルティンが何であるかを簡単に言えば、「女」です。
ヤドリギは「女」を指します。
では上の文章はどう読むか、となります。
あるところにバルドルという男がいた。
バルドルは優秀で周囲の尊敬を集める男だった。
バルドルがリーダーとして行動していると争いごともなくなり平和に過ごすことが出来た。
そんなバルドルはある日、死を予言する夢を見た(ここは深く追求しないでおきます。'夢'が何の比喩か、それとも本当に夢なのかがわかりません。極端な解釈をすれば、いずれ自分も死んでしまうだろう、と仮定を話した、とも解釈できます)。
バルドルが死ぬ、と聞いて周りは困ります。バルドルがいれば争い事を片付けてくれて平和に過ごせるのです。
母フリッグは、周囲の皆にバルドルを殺さないように誓いを立てさせます。
そんな中、まだ幼い女子であった女Aは、その幼さから誓いを立てずに済みました。
(この話の中のロキは、人物を指さずに奸計を計る邪な意思、を指します)
フリッグはこの事を隠さずにいたため、知っている者はこの情報を知っている状況になります。
そんな中、バルドルの弟ヘズはバルドルを好ましく思っていなかった(どう思っていなかったのかは書かれていません。有能な兄と比べられて妬んだのか、相続関係で邪魔だと思ったのかはわかりません)。
ヘズはバルドルを疎ましく思い、バルドルが居なくなってくれれば良いと考えます。
それはバルドルを殺す、以外にもバルドルがバルドルでなくなってしまえばよい、ということです。
(ここではヘズはバルドルの優秀さを妬んで、という要因で話を進めます)
ヘズは誓いを立てなかった女子Aをうまく操り、バルドルが気にいるように仕立て上げ、バルドルの妻へとあてがいます。
バルドルがバルドルでなくなる、とはつまり記憶を失わせる、もしくは嘘を教えて洗脳する、などの方法を行います。
食事から教育まで、日々のすべてでバルドルはバルドルとしての知識を失うように加害され、やがて「バルドル」としては死んでしまいます。
ここでは、生まれ老い、そしてまた生まれるというサイクルにおいて、そのサイクルにおける世話を担当する女の裏切りにより、男が「自分自身」を保つことが出来なくなり、一人死んでしまう事を表現しています。
「男を殺すに刃物は入らぬ。女の一人もいればよい」
というのがこの話の教訓です。