ギルガメシュ叙事詩(異説)~通し~
ギルガメシュという名の王がいた。彼はウルクという都の王であった。強き英雄とも言われているが暴君であり、自らは司法に従わない存在でもあった。
そのギルガメシュという王はどのように生まれたか。それはエンキドゥという名の人物へと辿り着く。彼はどこからともなく現れた野人であり、いつしかウルクより少し離れた野に住んでいた。
エンキドゥは文明社会と言えるような社会に居らず、そういった生活をしていなかったが、ウルク周辺の狩人を脅した際に得た女を娼婦として扱った。
エンキドゥは7世代をそういった奪った女達と過ごした。
そして、野人としての振るまいも少なくなり、文明社会の振るまいを覚えて、野人としての蛮行は少なくなっていった
シャムハトからウルクという都市とその王という存在について聞き、王になりたいと思ったエンキドゥはウルクに向かう。
王になれば好きな女を選んで抱ける、と思ったエンキドゥは早々にウルクを混乱に陥れる。
ウルクで地盤を固め、いよいよギルガメシュと言われる存在への一歩を踏み出した。
エンキドゥは王になるために功績が欲しい。その功績のために森林管理官フンババが管理する杉を手にいれる計画を建てる。これは他の都市の王シャマシュの後見の元に計画された。シャマシュもフンババが管理する杉の利権が欲しいからである。フンババはまた別の都市の王エンリルにより任ぜられている為にシャマシュでは手が出せないからである。
エンキドゥはフンババが管理する森へと盗み入る。そしてフンババと遭遇し、シャマシュの援護の元にフンババを脅迫し屈伏させる。
フンババは命乞いするも、エンキドゥの傲慢さはフンババを許さず、フンババを殺してしまう。
フンババを殺し、その権限を一時的に奪ったエンキドゥは杉を伐採し、フンババの首とともにウルクへ帰還する(フンババが死んだか、その権利だけ奪ったかは不明)。
功績を得て、王になる為の準備をするエンキドゥ。
そこに王を認定するイシュタルの神官がやって来る。
神官はエンキドゥに法に従うように求めるが、エンキドゥは欲望を満たしたいがために従おうとしない。
イシュタルの神官はそれに怒り、他の都市の王であり、上位にいるアヌへと支援を求めた。
このままエンキドゥがウルクの王になってしまえば、蛮行の限りを尽くし、命令を強制されるものや奴隷にされるものを大量に発生させてしまう事になるとアヌへと告げます。
事態の深刻さを重要視したアヌは、イシュタルの名の元に、民衆の力を借りてエンキドゥを放逐する事を認めた。
しかし、エンキドゥとそれに従うならず者達は、逆にイシュタルの指示に従った者達を屈伏させ、その者達の一部に命じてイシュタルの神殿を攻撃させた。
これにより、イシュタルの神殿はギルガメシュへの批判と追及を放棄した。
これを重く見た各都市の王は会議を開く。
エンキドゥを放置していては戦乱を招く事になる。
そのため、各都市を束ねる王エンリルがエンキドゥの処罰を決める。
エンキドゥはウルクの王になりギルガメシュとなる。
だが、今までのように欲望に任せた行動を禁ずる。
この命令にシャマシュは異を唱えるが、エンリルはエンキドゥがシャマシュに操られたが為の混乱であった事からシャマシュに操られないための措置としてエンキドゥの行動を律する事とした。
エンキドゥは当初、王になれば欲望のままに振る舞う事が出来ると考えて王になろうとしたが、王になれば欲望のままに振る舞えない事を知り嘆いた。
遂には、野人のままのほうが幸せだった、と言い始めるが、シャマシュに文明人になったからこその幸せも知ったはずだと諭される。
そして、ウルクの王となりギルガメシュとなる。
自らの思惑とは違う王としての生活に翻弄され、また、欲望を満たせない事にギルガメシュは嘆いた。
やがて、歳を取り、死を認識し始めると自らの罪とその罰に怯えるようになる。
そして、どうにか死を回避できないかと不死を求めるようになる。
ギルガメシュの行動は盲目的であり、不死に辿りつけると言われればそれを信じ、騙される事で散財を繰り返した。
やがて酒に溺れる日々と老いによりギルガメシュは衰えていった。
そんなギルガメシュが頑なに不死を求める事を諦めないために周囲は計画した。
不死の方法を知る人物がいるとして、ギルガメシュに訪ねさせた。
不死を知るとされるウトナピシュティムはギルガメシュの今までの行いから、不死を得るのは不可能だと諭す。
また、「6日6晩眠らずにいてみよ」と無理難題を言い、ギルガメシュに失敗させる事で諦めさせようとする。
寝てしまったギルガメシュは失敗し、失意の元にウルクへと帰還する。
植物の下りは省きました。書くと少し問題があるので。
とまあ、こんな感じです。どこにもファンタジー要素はありません。
成り上がりもののはた迷惑な物語です。