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色の違い 〜深遠の深淵の世界で〜
その場所は深い底に在る
いつも同じ風景が広がる
何もない空っぽの場所
痛みと傷で溢れていて
ただ静かな時が流れる
静寂の闇の世界
闇の中に混じるものがある
温度も湿度も変わらないに
時に世界に色がつく
何かを感じはしないけれど
何かが起こったことだけを理解する
この深遠の深淵に在って
僕が望むのは日常
狂っていてもいい
異常と言われてもいい
今の僕を構築するものたちを
掻き乱されないことを
願いながら色を畏れている
反転した感覚で
異常を自覚しながら
それでもギリギリを振る舞う僕に
黒は安らぎの色
何をも掻き消すことが出来る
万能な神の聖地そのもの
深淵は僕を護り
僕を傷つける
その真意は優しさ
僕が誰かに害されないようにと
僕を護り続けている