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未完の城
それは決して完成せず
いつも造っては
崩され続け幾年月
それでもその手を止めなかったのは
諦めきれない気持ちと
叶うかもしれないという
砂糖のような自身の甘さ
時が経ち気付いた
城壁を造る無意味さに
造る故に守ろうとする故に
それは壊されていくこと
ほぼ無意識の悪意に
完成しえないことに
ようやく気付く
守りたかったものが何だったのか?
そもそも守るものなど
存在していたのか?
いつしかわからなくなり
見えない壁に隠されて
実質的に失われる
もうその場所には
誰もいない
誰の姿もなく
廃墟の城と
崩れ落ちた城壁が在る
そしてその城の最奥の奥に
完成した小さな壁に囲まれた部屋が在る
忘れられた切望が眠る
ただ一つの願いが
今もそこに在る
からなくなり
見えない壁に隠されて
実質的に失われる
もうその場所には
誰もいない
誰の姿もなく
廃墟の城と
崩れ落ちた城壁が在る
そしてその城の最奥の奥に
完成した小さな壁に囲まれた部屋が在る
忘れられた切望が眠る
ただ一つの願いが
今もそこに在る根源はただ一つ