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生まれた理由
生み出したのは
心が壊れるのを防ぐ為
言葉にすることで
軽くなるものが在ると
僕は知っていたようだ
傷を具現化させたら
その傷について考え
痛みを求めた
自身の存在の空虚さを
痛みに変換させることでしか
進めなくなった
言葉の中に僕が居て
置き去りにされてしまった僕が
僕に叫んでいた
僕の分身で在り
他者としての彼等は
僕の重荷を背負って見守ってくれる
僕の中には複数の部屋が在り
それぞれに住人が居る
僕の疑問に討論して
僕が結論を見つけられるように
思考が飛び交う
ある時に気付いた
気付いてしまったのだ
人は人を裏切る存在で在り
頼ることの愚かさを知り
期待を捨てることで
受動態の人形になった
もしくは生きる屍
この鼓動が止まればいいのにと
いつもそんなことを考え
願い続けている