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光に打ち勝つ 意志を持つ者 〜闇より生まれし英雄〜
風が泣き止んだことに
僕は気付かずに
眠っていた
嵐は通りすぎ空に
虹が輝いていた
昨日の嵐が嘘のような空に
僕は酷く驚いた
今なお乾いていないローブに
嵐の名残を感じながら
僕は歩き出す
ここではない何処へ
失われた道を捜す旅を
ひたすら続けている
突然の空虚の到来
君の不在に僕は心を失った
世界に散った君の欠片を
集める為の旅に出た
神に運命の言葉一つで
奪われた存在を取り戻す為の旅
世界の安定の為なんて
僕は納得出来ない
滅びがやってきても
受け入れよう
君さえ傍に居てくれれば
それだけで何も要らない
神の戦うことになっても
世界全てを敵に回しても
僕はかまわない
それで君を取り戻せるならば
その手をとったのは誘惑からじゃない
必要なことだったから
戦う為に絶対の存在だと信じられたから
世界を安定する為に
犠牲を望む必要が在るならば
僕は犠牲が要らない世界を望む
緩やかに荒みながら進む
破滅への世界を望む
僕は破壊の王になると
あの誓った時に選んだ
結んだのは契約
神を倒す為の力
君を取り戻す為の力
彼等は僕に与えてくれた
僕は堕ちた者
世界を壊す者
何よりも強い祈り故に
光輝く者を打ち倒す勇者