8.ストレルカ・K・オウルの過去 ①
今回から、ストレルカの過去話です
目線は、ストレルカ目線となっております。
私の名前は、ストレルカ・K・オウル。
この国、ラトム国のお姫様です。
そんな私は今日十歳のお誕生日を迎えるの。
待ちに待った十歳のお誕生日。
オウル家での十歳は特別な区切りなんです。
あまり表立っては言えないんだけど、子供・そう、つまり私たちはいつ死んでもおかしくないわけ。
だから十歳になるまでは、私は貴か名を名乗ったらいけなかったわけなの。
おかしな話よね?
私の貴名は、オウル。
だからこれから私は、胸を張って貴名を名乗れるわけ。
なんだか意味もなく舞い上がっちゃってます。
これから父様の父様による私のためのパーティーがもうすぐ始まろうというのに~。
パーティーでは貴族の皆々様方に私は挨拶わしなくちゃいけないけど、今日のためにたくさん練習したから問題ないよね。
ね!
うん、自信ないけど……。
私、頑張る。
そんなことを、考えているうちに時が過ぎてもうすぐパーティーが始まろうとしております。
う~緊張してきた。
どうしよう。
そうだわ!
お庭の庭園でも見て回って心を落ち着けましょう。
そう思ったが最後。
私は、今日おろしたてのヒラヒラなドレスを風になびかせながらかけていくのであった。
そうね。
庭園は、いつ回っても見ても心が落ち着くは。
そして和むは。
庭園っていいものね。
庭園のお花たちを眺めていると不意に背中に衝撃が走った。
「やっべ、誰かいた!」
男の子の声が聞こえた。
「まったく、無粋な方ですね。私を誰だと思っているんですか?」
私は男の子の方を振り向く。
暗くてあまり見えないがガタイがしっかりしている。
顔を覗きこんでみると私よりかもう少し年上という印象をうけた。
腰には、名前はわからないものも短剣をさしている。
どうやら我家が雇っている騎士であろう。
「あっ、姫様じゃん!」
どうやら男の子は私のことを知っているらしい。
当然と言えば当然か。
何せここは、私が育てた植物達が沢山植えてあるのだから。
ほら、周りを見渡して見てください。
あちらの美しい薔薇なんて私が頑張って咲かせたのですよ。
いや、今は自慢話なんてどうでもいいことである。
それよりかこちらの男の子にどれくらい無礼なことをしたのかを教えてあげなくては!
「姫様じゃん、とはなんですか!じゃん、とは。私はこう見えてもこの次期オウル家の女王ですよ!」
「そんな小さなことを気にしている時点で到底女王には、なれねーよ。」
生意気にも男の子はそんなことを行ってきた。
こっ……これはちょっと、お仕置きが必要かしら?
そうよ、私にこんなことを言ってくる人なんて城から追い出してしまえばいいわ。
「あなた、そんなこと言って!お父様に言いつけてやるんだから!」
「おぉ、それは怖い。」
男の子は、冗談半分にいった。
こいつ本当にどうしてやろうか。
まずはお父様に言いつけるために名前を聞いておかないと。
なるべき自然に名前を聞き出しのよ。
私ならきっとやれるは。
平然を装って言えばいいのよ。
「あなた本当にそんな態度をとっていると……。まぁ、いいわ。あなたオウル家に努めている騎士よね。名前はなんていうの?」
出来たは。
すごく平然と名前を聞けては。
後は、こいつが答えさえしてくれれば!
「お嬢様、魂胆が見え見えですよ。もっと平然にやらないとそういうのは効果が見込めませんよ?」
どうやら魂胆見え見えだったらしい。
生意気な、なんて生意気な。
もう知らないは。
「もういいわよ。私はもう少し庭園を回るけどついてこないでね。」
私はこの男の子から離れていこうとした時。
「ついては行きませんけど……、もうそろそろパーティーが始まりますよ。」
私はそれを言われて初めてパーティーの存在を思い出した。
持っている時計を見る。
時計は12流を指していた。
本当だわ。
早く向かわないと時間に間に合わない。
「あっ、ありがとう。」
それだけ言い残すとそそくさとこの場を離れようとしていると男の子から後ろから話しかけられた。
私はもちろん振り返らない。
「それと俺の名前は、しばらくしたらわかるはずですよ~。」
そんなことを言ってくる。
もう知りたくない。
そもそも会わなければいいだけの話である。
私は、そそくさと急ぎ足になりパーティー会場に向かったのであった。
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パーティーは、無事に終わった。
しかし、私の挨拶はうまくいかなかった。
まったく。
お庭の庭園に行こうとしたのが間違いだったは。
そしたら、あんなに生意気な男の子とも会わなかったのに。
今更後悔しても遅いのである。
それに良いこともあった。
お母さまからオカリナを貰ったは。
吹いてみようとすると中々うまくいかないがこれからの練習次第である。
頑張らなくては。
それにお父様からは、沢山の外来の植物が貰えるらしい。
らしいというのは、まだ私が見たわけでわないからである。
遠い所から仕入れてきたので間に合うには間に合ったがパーティーでご披露とは行かなかったようだ。
だが明日には庭園に運び込まれて、もっと庭園が植物でイッパイになるらしい。
私は植物が大好きだから私が植え替えをするの。
明日からの予定は一杯である。
あと、そういえば私に専属の騎士が就くらしい。
私だけのナイト様!
かっこいい人だといいな。
こんなことを考えながら夜はふけていくのである。
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翌朝、私はあまり眠れていなかった。
今日が楽しみすぎたのだ。
私が悪いのではない。
今日が悪いのだ。
責めるなら今日を責めろよ……ね。
まぁ、朝にはきちんと起きられたのだし問題はないのであるが……。
今更ながら程よい睡魔が私を襲っているのは言うまでもない。
だが、仕方ないので起きる。
「マディー、起きたわ。着替えを手伝ってちょうだい。」
すると扉の向こうからメイドのマディーが姿を現した。
「おはようございます、ストレルカ様。お着換えですね。少々お時間を。」
そういうとマディーは着替えの支度をし私をももの数分で着替えさせてくれた。
「それじゃ、マディー下がっていいわよ。」
「かしこまりました。」
マディーが下がる。
私は部屋から出ていくと、食堂に向かった。
そこには既に、お父様、お母様、お兄様がおられた。
「お父様・お母様・お兄様、おはようございます。」
「うむ、おはよう。」
「おはようございます。ストレルカ。」
「おはよう。ストル。」
お父様・お母様・お兄様の順である。
私が席に着くとお父様が手を叩いた。
すると、メイド達が食事を運んでくる。
今日の食事は、レーズンパンにハムエッグ、コーンポタージュにリンゴといったラインナップだ。
「「「「今日もおいしい食事が取れることに感謝を。いただきます。」」」」
みんなで朝の合唱を終えるとご飯を食べ始めた。
その時にお父様から声をかけられた。
「ストレルカ、食事の後に時間はあるか?」
頭の中で考えてみる。
どうせやることなんて、お勉強か庭園のお手入れぐらいである。
なら、時間は沢山あるだろう。
「はい。ありますは。お父様。」
「おぉ、それは良かった。昨日も言ったがストレルカに専属で就ける騎士を紹介したい。いいかな?」
内容は、予想通りのものだった。
どんな方なのか事前に情報を仕入れる。
「はい、喜んで。いったいどのようなお方なのでしょうか?」
「おぉ、それはなストレルカよりも年は三つ上の腕っぷしの強い騎士じゃよ。口は悪いが……根はいい優しい奴じゃよ。」
と言われた。
なるほど、なるほど。
口が悪いというところが気になるがまぁ問題ないだろう。
食後が楽しみである。
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食事を食べ終えると、早速お父様から呼び出しがかかった。
いよいよである。
私は、玉座がある大広間に行った。
そこでは、お父様は玉座に座られていた。
後ろには、騎士が四人ほど立っている。
あの中の一人が私のものになるのだと思うと気分がいい。
「お父様、ストレルカ。今ここに、参りました。」
「おお、待っておった。」
お父様と話しながら、目の前まで行く。
早く、私のナイト様が誰だか知りたいは。
一番右にいる長身のおかたかしら?
それとも、左から二番目の金髪のおかた?
それとも、一番左の眼帯のかたかもしれないわ?
そんな妄想に浸りながらお父様の言葉を待った。
「ストレルカよ、早速じゃがこやつがお前の専属騎士しゃ!いかなるときも一緒にい仲良くするように。」
「はい、わかりました。お父様。」
私がわかったと言うとお父様はうなずき手を叩いた。
・
・
・
こな……い?
すると、お父様がため息をつく。
「ハァー。まったくあやつは。アドロン、アドロンや!アドロン・メイルはおらんか?」
すると、奥の方から若い男の人が出てきた。
「聞こえてるっていうの、国王。」
まず私は驚いた。
私はこの声を知っている?
最近聞いたような気がする。
いったいどこだったか……。
声の持ち主、私の騎士様てくてくとこちらに歩いてくる。
私は、彼の顔を見て驚いた。
「あっ、あなたは昨日の……。無礼な騎士……。じゃあ、あなたが私の専属の……。」
「おうよ。そう言うこった!これからよろしくな!お・ひ・め・さ・ま♪」
「嘘よ!これは何かの間違いだは!そっ、そうよねお父様!」
私は、とっさにお父様に助けを求める。
するとお父様はとんでもないことを言ってのけた。
「おぉ、ストレルカよ。アドロンのことを知っておったか。それはよかった。なんせ、アドロンは口が悪いからの。元々アドロンを知っているのならば好都合じゃ♪」
どうやらお父様は、行き場を失った手に余る騎士を私に押し付けて厄介払いするらしい。
なんて、酷いお父様なのでしょうか!
でも、そうなると仕方がないのかもしれない。
おとなしく、この騎士……たしか、アドロンとか言っていたかな?を引き取ることにする。
「わかりましたは。お父様。このアドロンと言う奴が私の専属騎士ってことでよろしいのですね?」
「おぉ、構わん。早くつれていくがよい。」
まったく。
お父様ったら、まったくも~。
期待して損しちゃったじゃない。
「わかりました。いくわよ、アドロン!」
「へい。へ~い。」
私は、踵をかえすと大広間から出ていった。
勿論アドロンと一緒にだある。
廊下に出るとアドロンが話しかけてきた。
「ねぇ、姫様!ビックリした?」
私は、頑固として反応しない。
「ねぇってば~。姫様。機嫌なおしてくれよ~。昨日のこと謝るからさ~。ねぇ、姫様ってば~。」
アドロンが、私の周りをうろうろしながら言ってくる。
正直、やめてほしいのだがアドロンはそれにすら築けない馬鹿なのだろうか?
「あーもぉ~、鬱陶しいですわよ。」
私は、キレた。
しかたないことである。
なのにアドロンときたらニコッと笑った。
「やっと、反応してくれたね。姫様は、知らないかもしれないけどコミュニケーションって意外と大切なんだぜ。」
そんなことは、言われなくてもわかっている。
というより、騎士のあなたよりか貴族の私のほうがわかっているような気がする。
「わかりましたわよ。許しますから静かにしてください。」
「やり~、許してもらった。・・・ところで姫様昨日僕が言ったことは本当だったでしよ?」
こいつ、三秒しか静かにできないのか。
そして、なんですか?
昨日言っていたこと?
あぁ、近いうちにあなたの名前がわかると言う奴ですか。
「そうですわね。」
「素っ気ない返事だな~。まぁ、いいや。今どこに行こうとしてるんだ?」
この人は、喋っていないと死んでしまう人種なのかもしれない。
全く、お父様は酷いことをするは。
でもお父様から貰ったプレゼントは、このアドロンとか言う馬鹿な騎士じゃなくて外来の植物だ。
あとはこれに期待しよう。
そう。
私が今向かっているのは、お父様から貰ったプレゼントが置いてあるというお庭の庭園である。
行こうとしている場所をやたらしつこく聞いてくる馬鹿がいるがそれを無視して庭園までいそいだ。
庭園につくと、そこには沢山の木箱があった。
「おぉ、此れが噂の国王が生娘のために仕入れたという外来植物が入っている木箱か。全く、どれ程愛されているのやら……。ねー、姫様?」
そんなことを言っている馬鹿がいるが今は無視を決め込む。
「また、無視ですか。つれないですね~。」
どうやら無視されていた実感はあったらしい。
馬鹿でもそれくらいのことはわかるのか!
覚えておこう。
私は、手が届く一番近い木箱を手に取るとそれを開けた。
中には、見たこともない植物が入っていてテンションが上がったのは言うまでもない。
これでこいつさえいなければな~。
まぁ、いいか。
「アドロン、命令よ。私は今から植物の植え替えをします。邪魔しないでね。」
笑顔で圧力をかける。
多分、きかないよな~。
「おぉ、さいですか。わかった、わかった。なら近くででも見てるよ。安心しろよ。手は出さない。」
アドロンは、笑ってそういった。
こいつ、なにも考えてないな。
だからなんだと言う話ではあるが……。
「そう、ならそれでいいは。」
私は、そう言うと木箱の整理、基植え替えにせいを出した。
私はお昼を食べてかはも黙々と作業をした。
後ろを振り向くとアドロンはうたた寝なんかをしていたが好都合である。
それからも時がたち夕方に差し掛かった頃、木箱が最後の一個となった。
私は、一番大きな木箱を最後に残してある。
どんな植物が入っているので楽しみである。
私は、最後の大きな木箱を開ける。
大きさは、2メートはあろうかというぐらいの大きさだ。
胸が高鳴る。
最後の植物はどのような植物なのでしょーか。
木箱を開けきると、逆の意味で胸が高鳴った。
なんとその大きな木箱の中には、モンスターが入っていたからである。
私はその時始めてモンスターを見た。
モンスターの姿は、大きな蜂の姿をしていた。
私は、死を覚悟した。
蜂のモンスターが動き出す。
モンスターが私を襲うとした時!!
「危ない!!」
そういわれてた次の瞬間には、横に蹴飛ばされていた。
私の頭は回らない。
いったい何が今あったのかと。
モンスターのほうを見てみる。
そこには、モンスターに刺されているアドロンの姿があった。
アドロンが私を助けてくれたのだと理解する。
そして、アドロンが今刺されていると言うことも。
「ア、アドロン!!」
名前を呼び近づこうとしたときアドロンから声をかけられた。
「姫様、こちらに来てはいけない。」
アドロンがそう言い、腰につけている短剣を取り出す。
そして彼はモンスターをぶったぎった。
蜂のモンスターは、力が抜けたのかその場に落ちた。
するとそこにアドロンが追い討ちをかける。
モンスターが死んだのか、アドロンは笑いながら腰をおろし寝そべった。
「やっべー、今のは辛かったは。」
私は、アドロンが心配になりかけつけた。
アドロンは、笑っていた。
逆にその時の私は、泣いていた。
「なんでよ……。なんで私なんかを助けたの……。私はあなたをないがしろにしたのよ。それなのに、それなのに……。」
するとアドロンは、泣いている私の涙をぬぐた。
「泣くんじゃねーよ。俺は、姫様専用の騎士だぜ。助けるのが当然ってものだろう。」
「でも、でも。」
「それによ、俺は姫様を自分の意思で助けたいと思ったんだ。ただ、それだけのことだよ。」
私は、どれくらい泣きじゃくっていただろうか。
私が落ち着いたときには、彼の傷も既に癒えていた。
どうやら、彼は回復魔法が使えるらしい。
生意気だ。
「よぉ、姫様。落ち着いたかい。」
私は、恥ずかしくてアドロンの顔が見れなかった。
この気持ちはなんだろう。
胸が高鳴った。
今日は、よく胸が高鳴る日だったな。
まあ、今のドキドキはきったあれなんだろうけど……。
そう。
この時私は、始めて恋をした。
私は、勇気を振り絞ってアドロンのほうを見る。
「今日は、助かったは。ありがとう。そっそれと、こっこれからはっ、わたっしのことキティって呼びなさい。」
これが、今の私にできる最大の勇気の振り絞りかただった。
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後日談
どうやら、私が最後に開けた大きな木箱に入っていたものは植物ではなくモンスターの蛹だったらしい。
それを、築かずに目新しい植物だと勘違いしたのがことの発端と言うわけである。
そしてあれからの私は、アドロンが立派なマナーの守れる騎士になれるように教育中である。
立派な騎士になった暁には私のお婿さんにしてあげないこともないんだからね♪
如何だったでしょうか?
10才になりたてのストレルカは?
可愛いと思ってくれれば幸いです。
そして、最後の(キティ)というのは築かれましたか?
そうですね。
ストレルカの本名は、ストレルカ・K・オウルです。
ではまた。二日後をお楽しみに♪