63話:新婚夫婦?
「あ、そうだ。はい、清二。飲み物」
「あ、サンキュー」
朝、走りこみに行く前に白羅に頼んだものだ。
「どうってこと無いわ。いつものことじゃない」
「あはは、そうだな」
俺たちの会話を聞いていた高木が、怒りを露に、
「新婚かっ!お前等新婚の夫婦か!記事にしてやる!」
「おいおい、新婚ってなぁ……。お、俺は別に良いが、白羅が嫌がるだろ」
「まあまあ、新婚ですって……。わ、私は別に良いけど、清二が嫌がるでしょ」
声が完全に被った。や、やべぇ、超恥ずかしい。
「うわぁああああ。青葉がリア充にぃいいいいいいいいいいいいいい!」
叫ぶなよ、恥ずかしい(さっきのとは別の意味で)。
「慌てるな。俺は、リア充では無い。落ち着け、落ち着くんだ」
「マジで?信じていい?」
「ああ、信じろ。お前を信じる俺を信じろ」
どこかのアニキっぽい発言だが、スルーして。
「青葉」
抱きついてこようとする高木を一蹴した。
――ドスゥン!
机を巻き込みながら、景気よく吹っ飛んだ。つーか、手加減したのに、やりすぎたか?
「ちょっと、清二!」
白羅の怒鳴り声。こりゃ、怒られるか?
「蹴りの時に足がきちんとなってなかったわよ。前も言ったけど、蹴りのときは」
高木を蹴ったことではなく、蹴りのフォームについての指摘だった。
「マジか。やっぱ格闘技術は、実践不足かな?」
俺の疑問に、
「アレを主体にしていくなら格闘は、あくまで後付でいいと思うわよ。でも、やっぱり定期的な訓練は必要不可欠ね。鈍ったらたまったもんじゃないわよ」
白羅の解答。マジか。こりゃあ、
「やっぱ、また手合わせお願いできるか?」
「ええ、勿論」
ちなみに高木は、アーサーが救出していた。




