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56話:休息
Scene真琴
僕ら、アーサーを含めたメンバーは、龍神の勧め(ほぼ強制だった気がするが、)もあって青葉君を待たず先に帰還する事になった。戻ってきてからしばらく経つ。向こうではどのくらいの時間が流れているのだろうか。彼は、無事だろうか。分からない。
「清二君を待つ間に会議を始めましょうか」
カナタさんが無理な笑みを浮かべている。やはり、彼女も彼が心配なのだろう。
「まあ、待つしかないしな。オレは見学させてもらうぜ」
アーサーがそれに便乗する。
「そうですね。でも、待っているだけって言うのは、アレですから、会議そっちのけで、パーティーでも開きません?」
美園さんが、後ろで束ねた髪を揺らしながら言った。彼女にしては珍しい提案だ。
「パーティーって何の記念よ」
「そうですね。事件解決ですかね。彼が来てから二つの事件が起こり、それを素早く解決できたのは彼のおかげですから」
まあ、一回目はともかく、二回目の事件は、彼が聖王教会に目をつけられたからな気がするんだけど。
「僕もパーティーには賛成です」
まあ、異論を立てる必要はない。時には、休息が必要だから、ね。




