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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
終焉編
148/159

147話:《第四階層:無双神殿》

Scene清二

 この無双と言う人物、化け物だ。まるで、《精霊》よりも上位な、そう、まさしく、神の如き圧力。そして、なんだろうか、この雰囲気。まるでいつも感じているものが、目の前に現れた雰囲気。

「ほんで?誰が戦うの?深紅?アリスちゃん?それとも私の子孫」

そして、最後に俺の方を向く。

「それとも、《蒼天》の馬鹿の子孫?」

俺は、即座に、《殺戮の剱》と《切断の剱》を構える。

「反応良しね。あんたは、私に似てるし、いっちょ本気でやったりますか」

無双と言う人物は二本の刀を振るう。

――ドォオオオオオオン!!!!

白い閃光の後、爆音が鳴り響く。塔は余程の強度なのか、傷一つ無いが床はズタボロだった。

無双流泉鷲天むそうりゅうせんしゅうてん

「あっぶねぇな!《蒼天の覇者の剱》!」

二刀でぶつかり合うから《殺戮の剱》と《切断の剱》を構えたのに、これは、二刀とか関係ねェ!

「《蒼刻》!!」

俺は《蒼刻》を発動する。しかし、《蒼刻》だけでは無理。しかし、聖の力を借りるのは、まだ無理だろう。なら、

「神様とやら、力を貸してくれよな……!」

トクン。《蒼き力》が呼応する。

「|《蒼刻―淵爛》《ブルー・アビス》!」

《蒼き力》が体中から噴出し、地面すらオーラに包まれる。まるで、世界を蒼に塗り替えるかのような力。

「へぇ、おもろいわね。無双流奥義蘭天抜犀むそうりゅうおうぎらんてんばっさい

俺のオーラを突き破るように刀で突っ込んでくる。俺は、右手に握る《蒼天の覇者の剱》を床に突き刺し一本目の刀をガードする。しかし、女性は、跳ね返ったと同時にそのまま回転し、別の方向から、二撃目を仕掛けてくる。

「くッ」

寸での所で躱すが、避けきれず右肩に鋭い痛みがはしる。

「痛ェ!」

鮮血が勢いよく噴出す。こりゃ、右肩はしばらく使えないかも知れねぇな。

無双流天儀双劉牙むそうりゅうてんぎそうりゅうが

二閃の斬撃が俺の間近で生まれる。ヤバイ。咄嗟に俺は、左腕にオーラを集め、そして、解き放つ。

――ドォオオゥン!

まるで雷が落ちたかのような音が鳴る。巻き起こる砂煙。いや、正確には、あたりの床の大理石が、衝撃によって細かくなり巻き上がっているのだが。


 砂煙が晴れる。

「あちゃ~、力使いすぎたわねぇ」

薄っすら輪郭のぼけた彼女の姿を見て、俺は、

「強いな、あんた」

そう言った。

「ハッ、最強の武神だからね。あ~、消えちまう前にちょろとヒント。次の階に、ラスボスはいるわよ。この塔は五階建てだから」


 彼女が消えきるのを見てから、俺たちは、階段を登る。


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