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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
終焉編
134/159

133話:古具と因子と死古具

 ロンギヌス。それは神を処刑するため(生死を確認するためとも言われているが)使われた槍である。アーサー王伝説にも登場しており、そのときは白い槍と表されていたが、まあ、伝承である。確かとは言えない。このロンギヌスに関しては、一度神を殺した槍であるとされる。もっとも恐ろしい武器である。

「……と、言うのが、おそらく《刻天滅具》の正体だろうな」

「そうか、神の造った古具は、神を殺す槍の前には無効化されるということ、であってるのかな?」

篠宮の疑問に、俺は、

「まあ、そう言うことなんだろうが、だとしたらおかしな点が出てくるだろ?」

「ええ、神は自分を殺すための道具を造ったということですね」

副会長が即答する。それに対して、煉巫が、

「少しいいかしら?アーティファクトとその《こくてん何とか》は、同じ集まりに集まらないのではないかしら?」

と、興味深いことを言った。そういえば、古具を造ったのが神だというのであれば、おかしな点がある。白らとの修行の時、《殺戮の剱》は言った。《殺戮の剱》と《切断の剱》は別の存在が、《デュランダル》を模して造ったと。そして、聖剱は《神》が造った。それはすなわち、《殺戮の剱》は神以外の存在が造ったことになる。

「まさか、《死古具》は、神が造ったものではないということか」

俺の呟きに皆が唖然とする。だが、俺は続ける。

「だとすれば、古具使いが継げないはずの聖剱の《因子》を俺が持っているのも納得できる。確か、龍神は、血と力と言っていた。それも、アーサーと篠宮を見て。それは、アーサーが血。篠宮が力を示している」

なるほど、

「つまり、聖剱の因子を持つものは、《神の血》を継ぐもの。古具を持つものは、《神の力》を継ぐもの。と言うわけ方になるに違いない」

「なるほど、その説は説得力がありますね」


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