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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
魔剱編
118/159

117話:魔剱―無限伸縮の剱―

 俺は、大きく足を踏み出し、《殺戮の剱》でマリクスを弾き飛ばす。

――パリィン!

窓ガラスが割れ、さらに吹き飛ぶ。家々の屋根にぶつかりながら、《柊公園》まで吹き飛んだ。これは都合がいいが、しかして、この威力は《殺戮の剱》の力だろうか。いつも以上に感じる。まあ、この場合においては、ありがたいことだ。足に力を込め、家の屋根から屋根へと跳び渡り、《柊公園》まで最短ルートで行く。そういえば、アーサーと戦った後、篠宮のところまで同じようにして行ったな。あのときは、今よりも苦労した気がする。白羅との修行の成果がこんなところにまで現れているのだろうか。


 程なくしてたどり着く。

「グホォ……」

クレーターが出来たように地面が抉れ、その中央にボロボロのマリクスがいる。

「おい、テメェ、何だ」

マリクスの疑問に、答えてやる。

「青葉清二。剣士だ」

俗称だが、間違っていないだろう。古具使いであり聖剱使いであるなんていう説明は面倒だ。それに敵に教えてやる義理はない。

「マリクス・ルークだ」

奴も名乗る。

「さて、殺り合おうじゃねぇか!《無限伸縮の剱》。この剣でテメェを貫いてやるよ」

「ハッ、おもしれぇ!ハハッ、久しぶりだなァ!この感覚はよォ!!!」

俺は昂揚する感覚を抑えきれず、笑い声を上げる。

「……なっ、なんだよ、急にッ!」

俺の変異に、マリクスが少し慄く。

「クハッ、クハハハ!久々に、いい戦闘が出来そォだと、思っただけだ、気にすんなよ!テメェの望み通り、『殺し合い』を始めようじゃねェかッ!!!」

俺は、《殺戮の剱》と《切断の剱》を一つにする。そして、《聖覇にして殺戮切断の剱》を生み出し、斬りかかる。

「オラッ!ハッ!こんなもんかよッ!」

「伸びろ!」

マリクスは、一瞬で剱を伸ばして、俺の隙をつこうとする。だが、

「見えてるぜェ!キャハハハ!オラッ!オラオラ!」

俺は、狂ったようで正確に、敵をめがけて振り下ろす!

「グオッ、グッ……」

マリクスは苦しそうに呻き声を上げる。

「テ、テメェは、何だよ!お、おい、おいおい!ありえねぇ!」

「何が、ありえねェんだァ!」

《聖覇にして殺戮切断の剱》で、《無限伸縮の剱》を粉砕する!

「な、……俺のカ、《カラドボルグ》がっ……」


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