11/159
10話:帰宅
見回りを終えて、生徒会室に行ったら、会長は既に帰宅。もうじき帰るところだった副会長に報告して、家に帰ってきた。
「ただいま」
「あら、遅かったわね」
帰宅すると、母が出迎えた。時間は、午後七時。いつもの帰宅時間に比べたら、かなり襲い。
「ん?ちょっとな」
「友だちと遊んでたの?あまり、遅くならないようにね」
あ~、遊んでいたと思われたのか。まあ、そりゃそうか。生徒会入りのことは、親に言っていない。
「別に遊んでたわけじゃねえよ」
「じゃあ、何?部活?」
「そんなところだ」
俺は、適当に誤魔化したかった。あまり、親とは話したくない。思春期、あるいは、反抗期によくある衝動の一つだ。
「部活、ね。聖がいなくなってから、何もしてなかったあんたが、急に部活をするとは思えないんだけど」
母の信じていない様子がよく分かるが、俺は、無視して、自室に入った。
「……聖、か」




