「お前らの攻撃なんか、カテゴリーレベル4の魔物に比べれば温すぎる!!」
地面を蹴り、神速の動きで突撃するラインヴァルトの行く手には、「鬼獣」の
群れが立ち塞がる。
「鬼獣」の攻撃を右に左に躱しながら、「鬼獣」との間合いを詰めた。
漆黒の長剣を横一文字に構え、必殺の一撃を首筋に叩き込もうと力を溜める。
標的の「鬼獣」は、両腕を交差させるが、一気に斬撃を叩き込まれた。
絶命した「鬼獣」など、意に介さずに、ラインヴァルトはさらに速度を上げる。
その攻撃が無数の銀光にしか見えなくなる。
それらを「鬼獣」は捌くことも出来ず、斬り落とされ、突き入れられ、そして、
横薙に振り払われる。
「鬼獣」の群れによる攻撃を華麗に捌き、雷光の如き攻めで反撃を繰り返す。
「お前らの攻撃なんか、カテゴリーレベル4の魔物に比べれば温すぎる!!」
にやりと笑みを浮かべながら、ラインヴァルトが呟いた。
地面には、ラインヴァルトとトールによって倒された「鬼獣」の死骸が
転がっている。
この世界の冒険者が、この光景を見ればどう思うかは神のみぞ知る事だろう。
「鬼獣」の群れも、2人の圧倒的な力に戦いている。
それは、ラインヴァルトとトールにとっては、絶好の好機でもあった。
よろよろと後退する「鬼獣」にラインヴァルトの追撃が入る。
もちろん、トールも手を休めてはいない。
音もなく気配を消して、「鬼獣」に接近を繰り返しているトールは、「鬼獣」の
首筋を短剣で切り裂いている。
「鬼獣」は、傷口から大量に血を吹きこぼしながら、痙攣しながら地面に倒れる。
地面に倒れた「鬼獣」にとっては、いったい何が起こったのかはも理解できない
まま、絶命している。
「楽しくも何ともないな」
ラインヴァルトは、倒れた「鬼獣」を蹴り上げながら小さく呟く。
地面には、三十数体の「鬼獣」の屍が転がっていた。
どれもこれもが、強烈な斬撃で朽ち果てているのが判断できるが、凄惨な
光景だ。
哀れな「鬼獣」は、一体何を思うのか。
虚ろな眼球は、最後の光景を写したまま見開かれている。
「鬼獣」の群れは、驚き戸惑った。
野生の直感か、この2人組はとてつもない脅威であることをやっと理解した。
しかし、それよりも速く、ラインヴァルトは行動に移った。
一体の「鬼獣」に間合いを詰めると、漆黒の長剣で身体を貫いた。
「鬼獣」は自分の胸から生えているものが何なのかわからず当惑した。
だがそれを引き抜かれ、視界が赤く染まるに至り、ようやく自分の身に起こった
事態を理解したが、次の瞬間には絶命して崩れ落ちる。
ラインヴァルトはぐるりと見渡しながら、新たな獲物を求めるように
睥睨すると、 無差別攻撃を開始した。
斬撃の鋭さが増して、「鬼獣」に襲いかかる。
その斬撃の毒牙から逃れられる「鬼獣」はいなかった。
呆然と突っ立っている「鬼獣」は、一体とも反応無く、斬撃を浴びせられる。
斬撃を喰らった「鬼獣」は、ある者は信じられないほど軽々と宙を舞い、また、
ある者は、正確に後頭部を粉砕され、ある者は、バラバラに四散したりする。
そこには、断末魔の悲鳴もない。
あまりにも静かな攻撃だ。
その中には、辛うじて動いた「鬼獣」が反撃するが、ラインヴァルトは、
横っ飛びに避け、「鬼獣」の身体に漆黒の長剣を突き刺した。
刺し貫いていた「鬼獣」の身体を放り投げると、ラインヴァルトはゆっくりと
突き進む。




