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不思議な旅編 第7話 そしてその後・・・

不思議な旅編 第7話 そしてその後・・・


柏原が指揮台から礼をすると、割れんばかりの拍手が起こった。それを見た三浦たちは思わずきょとんとする。まさか、ここまで吹奏楽が受け入れられるとは思っていなかったのである。

そして、拍手がある程度鳴り止むと大国主大神が前に出てくる。

「素晴らしい演奏だった。礼を言うぞ。」

その言葉に皆はちょっと照れた。しかし、次の言葉で場が一転する。

「では、褒美に何か一つかなえてしんぜよう。何が良い?」

一瞬の沈黙の後、一斉に言葉が飛び交う。

「「「fsんさfbはだpそkjvf0も。あpのあえgb、n・・ふじこ・・・」」」

もう、誰が何を頼んでいるか分からない。

しかし、この展開を読んでいたのか大国主大神は動じなかった。

「では、まともな願いが一つだけあったのでそれを願いとする。ふん!!」

大国主大神はそういうと力を入れる。

「これで、かの者の(しん)の病は多少楽になるであろう。慢性ゆえ完治とまでとはいかんがな・・・」

さすがに神の中の大国主大神。一瞬で誰が何を言ってるのか聞き分けたのであろう。


「なんか、あっという間の一週間だったわね・・・」

陽乃が楽器を片付けながらつぶやいた。

「というか、実際は2日しか経ってないけどな、ほれ。」

その横で同じく後片付けをしていた翔が腕時計を陽乃に見せる。確かに、日付は彼らが来てから2日しか経っていなかった。

「ほんま、あっちゅ~まの事やったな~」

島岡はそんな二人に声をかける。

「準備が出来たら声を掛けるとよい。御主達を元の時代に戻すぞ。」

大国主大神はそんな彼らに対し言う。

「なんか寂しくなるな・・・」

春樹はボソッとつぶやいた。それはそうだ。確かに日付上は2日しか経っていないが、実質一週間共に過ごした仲間たちである。しかし・・・

「ん~まぁ、あれや。俺らは元の時代に戻るけど、未来の俺らがこの時代におる。それで十分やないか?今生の別れでもないしな。」

三浦が最後にそう言って締めくくる。

「だな。じゃぁ暫しの別れっちゅ~わけでええやん。また会おうぜ。」

翔も三浦の言葉に同意する。その言葉に皆は顔をほころばせてお互いの健闘を称えたのであった。

「じゃぁ、七海の人たちは私がここから音楽室に送るわね。」

その雰囲気を察知してか五十鈴が言った。


「では、よろしく頼みます。」

準備が整った頃、恭一が全員を代表して言った。

「では、同時に行うぞ。」

大国主大神はそういうと何か呪文の様なものを唱える。五十鈴もだ。そして、大きな光が発光されたと思うとその場に居た今高高校の部員と七海高校の部員が居なくなっていた。

「ふう、なんとかなったわね・・・」

五十鈴が大きくため息をして言った。

「まぁ、これからは気をつけないとな。しかし・・・吹奏楽と言うものも中々良いな。」

狭野尊は五十鈴にそういうと先ほどの演奏を思い出す。

「ワシも気に入ったぞ。たまには下界して聞きに行くのも一興だて。」

大国主大神も同じく思ったのか笑いながら言った。だが、話はそこで終わらなかった。

「さて、あと残るは一人じゃな。そこに居る者、出てくるがよい。」

大国主大神は草むらを優しい目で見た。そこは先斗が隠れているところである。

(あ~やっぱりばればれか・・・)

先斗はそう思うと素直に出てくる。その様子に大国主大神もニコニコ顔だ。

「うんむ、素直なことは非常によろしい。さて・・・」

(うぅ・・・勝手に入ってきた罰でもあるのかな・・・)

先斗は大国主大神を見ながらそう思った。確かに優しい顔で見てくれているが、いつ豹変するかわかったものではない。しかし・・・

「そう警戒せんでいいわい。御主の名前は?」

「先斗・・・『西掛先斗』といいます。」

先斗は半ば諦めで言葉を返す。

「ほう、いい名だ。さて、先斗君とやら。」

「は、はい」

改めて名前を呼ばれると先斗は緊張する。しかし、その話とは意外なものであった。

「実はの・・・御主の人相を占ったんじゃが・・・もしかしたら、この先トンでもない事が起きるかもしれん。」

「トンでもない事?」

大国主大神の言葉に先斗は首を傾げる。

「そうじゃ・・・まったく、五十鈴の不注意が原因でな・・・だが、そのはっきりとした内容はまだ出てこなくての・・・こういう抽象的な言葉しか伝えられなれないんじゃ。」

「そ、そうなんですか・・・」

先斗はますます混乱する。一体どうしたら良いのかが分からないのだ。

「今はこれしか言えないが、もし、この先何かあればいつでもここに来なさい。力になってあげようぞ。」

大国主大神は目を細めてそう言った。その言葉に先斗は安心したのか、不意に力が抜けその場に倒れたのであった。


「こ、ここは・・・」

三浦は周りをきょろきょろする。来たときとは違い、気絶はしていない。

「も、戻ったのか・・・」

南川も辺りを見渡す。

そこには、移転前の『橿原神宮』の姿があった。

「ちょっとそこの売店で日付見てくる。」

柏原はそういうと走って近くの売店に向かう。

「なんか・・・長い夢でも見ていたかのようやったな・・・」

島岡はそう感嘆を述べた。

「ですね、でも・・・楽しかったですね、この夢。」

「ほんまやな・・・」

二人はそういってシミジミしていると柏原が戻って来た。

「大丈夫や、移転前の日付やったで。」

柏原は大きな声で皆に伝える。

「「やった~~~~!!」」

その言葉に皆は大きな声で喜んだ。

「じゃぁ、早速、春合宿の続きだ!!」

「「はい!!」」

南川がそういうと皆は揃って返事をした。そして・・・

「ありがとうございました」

南川が本殿に向かって大きく頭を下げた。

「「ありがとうございました」」

皆も同じく本殿にお礼をする。

三浦は頭を上げると向こうに狭野尊と五十鈴が笑ってこちらを見ている姿を見つけたのであった。


To Be Continued・・・


一同「「続くんかい!!」」


どうでしたでしょうか?無理やりコラボ企画。まぁ、[『If・・・』ということでお許し下さい。

そして、続きがあります。勿論、『SAKURA WINDS』編です。この飛び先が2007年3月という設定上こうなっちゃいました・・・

さて、どんな話が飛び出ることやら・・・お楽しみに~

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