村の歓迎と恋心
夢の中でだけでも君を愛している姿を見ていたい。
もしこれが夢なら、どうか僕を起こさないでくれ。
最初の家が見えた途端、カレンは馬から飛び降りて村の中心部へ駆けていった。異国の人たちが村に到着したことを知らせるために！
馬が止まったので、アドリアーノも下馬した。
サラも馬を手で引くために降りた。
「妹のことをすみません」サラが言った。「とても興奮しているんです。異国の方が来てくださることは滅多にないので」
村の人々が迎えに出てきて、好奇心に満ちた目で彼らを見始めた。
訪問者を迎えることを喜んでいるようだった。
みんな人の良さそうな人たちに見えた。
警備員のようなものは存在していなかった。
細身でニキビ面の少年たちが、棒を持って遊びながら駆け寄ってきた。
「おい、あんたら、どこから来たんだ？」その中の一人が聞いた。
「邦男くん、そっとしておいて」馬を連れているサラが言った。「お客様方はとてもお疲れで、休む必要があるのよ」
立派に装飾された大きな屋敷の近くまで来ると、入り口で二人の人物が彼らを待っていた。
一人は四十代くらいの黒髪の女性で長いドレスを着ており、もう一人はほぼ同年代で身長が約一メートル九十センチ、豊かな黒いひげを蓄え、働き者らしい体格をした男性だった。
どちらもとても上品だった。
ミケーレがサラに向かって言った。「この方たちは君の両親？」
「はい」サラは微笑んだ。「モルケンとクララです」
アドリアーノとジャンパオロは、ミケーレが今、まともな質問をしたことに気づいた。
蓄積器が彼の頭脳まで変えてしまったのだろうか？
本当にそんなに強力なのか？
うーん...
クララが彼らに近づき、軽くお辞儀をして言った。
「異国からのお客様、私たちの家へようこそ。今やここはあなた方のお家でもあります。どうぞおくつろぎください。あちらは私の夫モルケンで、少しの間でもお泊まりいただけるようお願いしております。きっとお疲れでしょう。娘のカレンが、お体を洗って休んでいただけるよう浴槽を準備いたしました。また、約三時間後に夕食となりますことをお知らせいたします。ぜひご一緒にお食事をしていただければ光栄です」
みんなの間に一瞬の静寂が流れた...
この優しさに本当に面食らってしまった。
家に入るとすぐに、ジャンピーがアドリアーノに言った。「親切だな、え？」
「ああ... まるでおとぎ話の中にいるみたいだ」
家の中はとてもシンプルだった。
暖炉があり、大きなテーブル、食器棚、そしてとても重厚な椅子があった。
すべてが極めて居心地の良い感じだった。
父親が彼らを浴槽まで案内し、清潔な服を用意した。
アドリが浸かった浴槽は非常に装飾的だった。浴槽の縁には多くの香りの良い塩があり、スポンジは花の形をしていた。
明らかに女性用の浴室だった。
ミケーレは白い粉の入った桶があることに気づき、すぐに興味を持った。
隣の部屋まで聞こえるように声を上げて言った。「アドリーーー...」
「何だ？」
「君のところにもこの白い粉がある？」
「ああ」
「何に使うんだ？」
「知らないよ。ジャンピーに聞いてみろ」
「ジャンピーーー...」
「おーい！いつもうるさいやつだな？」
「この白い粉は何に使うんだ？」
「俺に聞くのかよ？俺だってお前と同じ時間だけここにいるんだぞ！サラに聞いてみろよ！」
「サラーーー...」
「はい、何でしょう」いつもの優しい声で廊下から少女が答えた。
「この白い粉は何に使うの？」
数秒間...
しかしサラは答えなかった。
確実に聞こえていたはずなのに。
「サラー！で、何に使うの？」ミケーレはますます好奇心を募らせて聞いた。
「それは... つまり...」サラは何度もためらってから言った。「つまり... ご自分で見つけてください」
この時点でアドリアーノが割って入った。「サラ... 彼に教えてあげなきゃダメだよ。だって自分で辿り着くなら... 次の千年紀まで風呂に入り続けることになるから！」
アドリアーノがくすくす笑い始めた。
ジャンパオロもくすくす笑っていた。
少女のためらいで全てを理解してしまったのだ。
まだ何も分かっていないのは...
誰だか分かるでしょう？
しばらくしてサラが言った。「それは... それは... えーっと... デリケートゾーンの洗浄用です！」
この言葉を言い終える時のサラの恥ずかしさがはっきりと聞こえ、これがミケーレの恥ずかしさを増すばかりで、彼は浴槽で溺れてしまいたいと思った。
アドリーは馬鹿みたいに笑い始めた...
これは数日前にジャンパオロが経験した白いネズミの場面よりもさらに面白かった。
さらに、ジャンパオロのものも含めて起こった笑い声が、全体を増幅させた...
「あははははは...」二人とも馬鹿みたいに笑いながら声を合わせていた。
しかしジャンパオロはまだ満足していなかった！
ええ、だめ！
そこで言った。「サラ... サラ、えー、だめだよ... 辞書を取りに行く前に、デリケートゾーンの洗浄って何なのか説明してあげなきゃ！」
サラはその言葉を聞いてサクランボのように真っ赤になった。
一方、ミケーレは赤から青ざめた色に変わっていた...
完全に恥ずかしい状態だった！
「馬鹿なことやめろ！馬鹿、馬鹿、大馬鹿野郎！」
もしそこに近くにいたら、殴り倒して浴槽で溺れさせていただろう。
笑い声は前よりも大きく続き、ミケーレは怒って言った。「俺を恥ずかしがらせるのやめろ！」
「その通りだ... ミケーレの言う通りだ」笑わないよう努力しながらアドリアーノが言った。「ジャンパオロ... 彼を恥ずかしがらせるのはやめなきゃダメだ！くそったれ！せいぜい後で人目のつかないところで全部説明してやるから...」
文を終えることもできずに、また笑い始めてしまった...
一方、最初から会話全体を聞いていたサラも、床の板の下に沈んでしまいたいと思っていた...
これがミケーレにとって最後の一撃で、浴槽から出て彼らを殺してやりたいと思った！
しかし出なかった...
外にはサラがいて、裸の姿を見られてしまう。
すでに十分恥ずかしかった... これ以上は勘弁だった。
「あははははは...」ジャンパオロとアドリアーノはさらに丸々五分間笑い続けた...
その時ミケーレは、とても高い山の上で羊の皮を着て立っている自分を想像した。そこからは全人類を見渡すことができて... そしてある時点で言うのだった。「破壊してやる！もううんざりだ！」すると瞬時に宇宙の深淵から轟く声が言った。「そうあれ！」続いて十二軍団の炎の天使たちがトランペットを吹いて言った。「正しい！ミケーレ様万歳ーーー...」
モルケン、クララ、サラは少年たちの笑い声が家中に響くのを聞いた。
彼らがくつろいでいるのを見て嬉しかった。
きっと感じの良い、良家の少年たちなのだろう。
いったいどこから来たのだろう。
確かに彼らの服装は変わっていた...
あんなものは見たことがなかった。
そして三人のうち一人が決して手放さない、あの奇妙な金属の物体は何なのだろう。
とにかく感じが良くて礼儀正しかった。
少し変わっているが... 感じが良い。
誰かが村を訪れることはほとんどなかった。
誰かをもてなすのは名誉なことだった。
モルケンは多くの人から羨ましがられるだろう... この特権が彼に巡ってきたのだから。
モルケンが妻に聞いた。「カレンはどこに消えた？」
「約三十分前に部屋に閉じこもりました。この機会にふさわしいドレスを探しているのでしょう」微笑みながら言った。
モルケンはほとんど当惑したような表情をした...
「まあまあ...」クララが頬にキスをしながら言った。「お姫様を生きさせてあげましょう」
カレンは白いロングドレスを着ていた。
まるでウェディングドレスのようだった。
鏡を見ながら、ドレスをウエストで締めて、形を軽く強調しながらも、あまり目立ちすぎないようにした。
女性らしく、注目されたかった... 下品になりたくはなかった！
髪をブラッシングして高い位置でポニーテールを作り、髪を肩に流した。
唇に透明なグロスを塗り... 彼が自分に気づいてくれるかどうか自問した。
気づいてくれるだろうか。
かなり時間をかけてから部屋を出た。
少年たちはとっくに浴槽から出て、服を着て、髪を整え、香水をつけていた。
サラとミケーレは、お互いを恥ずかしがらせないよう、顔を見合わせることを避けた。
あの「会話」の後では... 避けるのが最善だった。
カレンはアドリアーノの手を取り、部屋に連れて行った。
ジャンパオロとミケーレは顔を見合わせた...
少し前まではあんなに恥ずかしがり屋に見えたのに。
まあ。
「今夜はここで寝てください」微笑みながら言った。「タメ口で話してもいいですよね？」
「もちろん」
「三人全員分のベッドがないのですが、心配しないでください。お友達は近所の方にお世話になります。喜んでくださるでしょう」
アドリアーノは部屋を観察した。とても美しい！
机、ベッド、小さなタンス、様々な小物。
手作りの刺繍が施されたレースのカーテン。
いや... これは客間ではない。
きっと彼女の部屋で、優しさから譲ってくれているのだ...
客間には彼女が寝るのだろう。
「いや、客間で十分だよ」と言いたかったが、彼女を傷つけないよう「ありがとう。この部屋はとても美しいね」と言った。
少女の目が輝いた...
今にも泣き出しそうに見えた。
一瞬、アドリアーノは何か間違ったことを言ったのかと思ったが... すぐにそれがとても甘い、感動した顔だと気づいた。
カレンは幸せだった、悲しくはなかった。
部屋を気に入ってもらえて幸せだった。
部屋を整えたのは彼女だった... 整理整頓して... 気に入ってもらえることを願って。そして今、「ありがとう。この部屋はとても美しいね」と言ってくれた... 本当に幸せだった。
彼の目を見つめようと努力した... 彼女を魅了し、同時に少し緊張させるその目を...
自分の目が裏切らないようにと思ったが、この瞬間の自分の表情はあまりにも明白だと思った。
姉が言っていた。「彼に気づかれてはダメよ...」
しかし彼女はいつものように自然体だった。
最初の恥ずかしさと緊張を乗り越えた今、その目から視線を逸らすことができなかった...
「なんて美しいんだ...」アドリアーノは彼女の目を見ながら思った... しかし何でもないふりをしながら。
あまりにも美しすぎた... 本当に。
顔も体型も素晴らしい。
とても優しくて別世界の人のようだった。
このことのため、まさにこのために... 冷たく見えるよう努力さえした。
無関心を装っていた... しかしその瞬間、彼の中に自覚が生まれた。
おそらくこの戦いには負けるだろうという自覚が。
すぐに声がした。「お食事の準備ができました」
見つめ合うのをやめて、キッチンに向かった。
カレンは、アドリアーノの向かい側にいる姉の定位置に座った。
アドリアーノは何でもないふりをしたが、姉妹の間で交わされた視線で、なぜそうしたのかよく理解した。
そしてこれが胃の入り口に不快感をもたらした。
まるで危機に陥った思春期の少年のように。
サラはミケーレの隣に座った。
二人の間に軽い好意が生まれたのだろうか？
まだ判断するには早いが... おそらく、風呂場での失敗のおかげで、彼が好ましく思えたのだろう。
結局、アドリアーノとジャンパオロの「いたずら」は... 彼の人生最大の恩恵となりそうだった。
ジャンパオロはスープに確実に夢中だった... これについては疑いの余地がなかった。
アドリアーノは、ジャンピーがゲップをしたり、おならをしたり、みんなに恥をかかせたりしないよう心の中で祈っていた。そして信じられないことに... 口で変な音も立てなかった！
みんなが食べ始めるまで、自分も食べ始めなかった！
信じられない。
蓄積器が本当に不可能を可能にしたのだ！
カレンはうっとりとアドリアーノを見つめ、スプーンを口にくわえたままでいるので、しばらくして母親が言った。「あら、どうしたの？お料理が気に入らない？」
カレンはすぐにスプーンを口から取り、「いえママ、お料理はとても美味しいです」と言って、彼から気を逸らそうと食事を再開した。
ミケーレは真面目に見えた。
おそらく風呂場での失敗が彼を成長させたのだろう... 実際、まだ愚かなことを何も言っていなかった。
もちろん、まだ時間はあったが...
しばらくしてミケーレがサラの肩に触れ、サラが何を望んでいるのか聞くために振り返った。
ミケーレが彼女の耳元で話した。「カレンがアドリアーノに恋してるような気がする...」
サラは目を見開いて動かずにいた... それから恥ずかしさで頭を下げた。
しまった... 気づかれた！
あまりにも明白だった！
明白すぎた！
他の二人も気づいているかどうか疑問に思った。
もしミケーレをもう少しよく知っていたら、このような疑問は決して抱かなかっただろう。
明らかにミケーレが気づいたなら...
カレンはまだ最初の皿でスプーンを口にくわえながらアドリアーノを見つめていた（彼は二皿目を食べ終えるところだった）。
サラはありとあらゆる表情を作って、なんとか妹に気づいてもらおうとしていた...
当然、カレンは何も気づかなかった。
咳払いを真似した... 二回...
だめだった。
妹が自分に気づかない唯一の人だと分かると、「えーっと... カレン... 塩を取ってもらえる？」と言った。
カレンは塩も妹も見ずに塩の小瓶を掴んだ...
まるで超感覚的な力に導かれているかのように全てを行った...
妹を見ずに塩を渡すことに成功した。
アドリアーノを見続けていた...
サラは足首を蹴ってやりたかった... 平手打ちは言うまでもなく... しかし遠すぎた。
数分年下の妹は本当にうぶだった！
理解せず、何も気づかない！
そんなに「夢中」な様子を見せたら、ただの子供だと思われてしまうかもしれない！
男性には十分注意しなければならない。
第一印象で判断するのだから。
ジャンパオロは、ミケーレが先ほどサラの耳元で話しているのを見て、今彼女が奇妙な表情をしているのを観察しながら... 今度はどんな馬鹿げたことを言い出したのだろうと思った。
彼女が変な行動を取っているのを見て、デリケートゾーンの洗浄について何か言ったのだと思った。
もしかしたらそれが何なのか聞いたのかもしれない！
また笑いそうになり、我慢しなければならなかった。
ミケーレを見る愚かな誘惑に駆られないよう頭を下げた。
もし見てしまったら... 今頃狂ったように笑い出して、みんなの顔に食べ物を吹き出していただろう。
しばらくしてクララが再びカレンに向かって言った。「あら、気分が悪いの？何も食べていないじゃない」
その時初めてカレンは再び見とれていたことに気づいた。
もう料理は冷めていたので「いえママ。元気です。お祭りのことで緊張しているだけです」と言った。
「どんなお祭り？」アドリアーノがすぐに注目を集めて言った。
「あなた方を歓迎するお祭りです」母親が言った。
「僕たちを歓迎する？？」少年たちが同時に聞いた。
カレンが話した。「もちろんです。この村では異国の方がいらっしゃる度にお祭りをする習慣があるんです。村の賢者クラが演説をし、みんなが大きなかがり火の周りに集まります。そして異国の方々には神聖なトネリコの枝に火をつける名誉をお与えします。これは歓迎の儀式です。その後、異国の方のお一人が女性をダンスにお誘いし、村全体が踊り、歌い... 夜明けまでゲームをします」
「素晴らしい」アドリアーノが言った。
「最高だ！」ジャンパオロは村の女性が異国の人とのダンスを断ることなど決してないと確信しながら言った。
そしてその異国の人は彼だった。
「イェーーーイ....」ミケーレが言った... そして家族全員がそれがどんな表現なのか疑問に思い始めた。
嬉しいという意味なのか？
不満だという意味なのか？
スズメバチに足を刺されたという意味なのか？
家族はそれが喜びの表現であることを願った。
「お祭りはいつ？」アドリアーノがテーブルから立ち上がりながら聞いた。
「約一時間半後です」カレンが言った。「少し休む時間があります」
ジャンパオロがアドリアーノに近づいてささやいた。「カレンをダンスに誘うよな...」
アドリアーノは微笑んだが答えなかった。
数分後、ドアをノックする音がした。
ドアは半開きだった。
「どうぞ」モルケンが言った。
三つ編みをして愛らしい顔をした八歳の少女が駆け込んできた。
「こんにちは」モルケンに向かって言った。「サラはいる？」
モルケンは少し彼女を見てから言った。「まず異国のお客様にご挨拶するべきじゃないかな？」
「あ、そうだった！こんにちは、こんにちは、こんにちは。それでサラはいる？」
部屋にいる全員が微笑み、サラが「もちろん... ここにいるわよ」と言った。
少女はサラに駆け寄り、サラが彼女を抱き上げた。
「見て、何を作ったか！」誇らしげに言った。「ママが、とても上手にできたって言ったの！」
絵が描かれた紙を見せた。
動物だった... 毛むくじゃらの馬のようだった。
「上手ね！」サラが叫んだ。「これはクリルでしょう？」
「そう！本当はもっとずっと美しいって知ってるけど...」
カレンがアドリアーノに言った。「クリルって何か知ってる？」
「いや」彼は少し恥ずかしそうに答えた...
カレンは彼らがとても遠くから来たことを思い出した... だからこのことで特に驚きはしなかった。
「クリルは銀色のユニコーンです」明らかに興奮しながら言った。「素晴らしい生き物で... 絹のように滑らかな毛を持っています。見たことはありません！でも普通の馬ではないんです... そう！魔法的で静寂な生き物です。風のように敏捷で捕まえることはできず、どこに住んでいるかも分からないんです。誰も触ったことがありません。伝説によると、天空での大戦争の時に神々の血で創られたそうです。ほんの少数の人だけが遠くから一頭か二頭を見る特権を得ています。クリルは望めば誰からも決して姿を現しませんが... その少数の人が見ることができた時、それは神々の承認を得ているということを意味します。私たちの村でただ一人、二頭をちらりと見る特権を得た人がいます。賢者クラです。いつか私も一秒だけでもその特権を得られるでしょうか...」
母親が割って入った。「カレン、空想するのはやめなさい。おそらくあなたは村の他の人たちと同じように、決して見ることはないでしょう」
カレンは頭を下げた。
母親が彼女を即座に現実に引き戻した。
母親は正しかった... もしそんなに珍しい生き物なら... おそらく決して見ることはないだろう。
一方、村の住民たちは木のない広い平原に輪になって並び始めていた。
かがり火を焚き、異国の人たちが出てくるのを待っていた。
その後、クラが儀式の演説を始め、お祭りを開始することができるのだった。
その間、村全体に暗闇が訪れていた...
