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ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む  作者: ありぽん


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13話 貰った物の使い道と代表が見つけた物

 大きな木を登って行った代表。少しして木の天辺付近から。


『凄いっチュ!! 手伝って欲しいっチュ!!』


 と、代表の声が聞こえて、俺は返事を返し木を登ろうとした。が、大きい木だから足場がしっかりしていて、動きやすいと思いきや。足場はしっかりしているけれど、上の方は細い枝と葉が多いらしく。


 俺ではなく仲間に来てほしいと言ってきたので、他のファインドモルルに任せることに。すぐに5匹のファインドモルルが木を登って行った。


 ついでに時間がかかるかもしれないとも言われ、その間に持ってきたプレゼントの、木の実と花を受け取ってくれと言われたので。せっかく俺のために持ってきてくれたのだからと、綺麗に袋にしまうことに。


 木の実は全て食べられる物だったので、帰ってから代表と一緒に食べられるし。花の方は、押し花を作った後に台紙に貼れば、綺麗なしおりができるだろう。他にもドライフラワーやお茶なんかも作れるかもしれない。


 そんな話しをすれば姉さんは。


「あんた、そんな物作れるの?」


 と聞いてきた。俺はこちらの世界だろうが、ダンジョンだろうが、貰った物や、大切な物は、出来るだけそれが良い状態で残るように、考えて残してある。姉さんみたいにその辺に置いてどこかにやったり、すぐに壊したりはしないんだよ。


 いつだったかダンジョンで見つけた、水やりを忘れても、そう簡単に枯れない、そこそこ珍しい花を見つけて持って帰ってきたけど。まさかの1週間もしないで、枯らしそうになったからな。俺が救出して、今は俺の部屋で元気に咲いているよ。


「いやね、私はそんな事しないわよ。花は私の部屋にちゃんと……あるわよ?」


「何で疑問形なんだい。はぁ、瞳らしいね」


「いやね、私はちゃんと育てているわよ。庭の花壇だって……」


「姉さんの花壇は、雑草がボウボウに生えていたから、全部引っこ抜いて、今は俺の花壇として使ってるよ。この前二日酔いの薬を作ってあげただろう。あれは庭で育てた薬草で作ったんだ」


「まさかぁ、だってあの黄色い花は?」


「あれは雑草。外来種で繁殖が早いやつなんだよ、だからみんなの花壇がやられる前に引っこ抜いたの」


「……瞳には花関係のことは任せないようにしよう」


「待って待って! 私もちゃんと世話できるわよ!!」


 姉さんが目で、後で覚えてなさい、と俺に言ってきた。何だよ、全部本当のことで、話しを振ってきたのはそっちじゃないか。


 そんなダメ姉さんの話しをしながら、綺麗に全ての物をしまった俺は。お礼にと、たまたま持っていた、俺が育てた果物をあげることに。

 ミカチと言う、イチゴみたいな形の果物なんだけど、味はみかんっていう、俺達人間が初めて食べる時は、その味のギャップで驚く果物だ。


 だけど美味しいことに変わりはないし、ダンジョン産の中でも育てやすい果物だから、育てている人は多い。数日前にたくさんなったからな、収穫してマジックバックにしまっておいたんだ。


 今いるダンジョンには、ミカチの苗は生えてはいるけど、そこまで多く生えておらず、そんなに沢山実を食べられないだろうから良いだろう。


『チュチュチュ?』


 不思議な顔をするファインドモルル達。俺は木の天辺にいる代表に声をかけて、ファインドモルル達に伝えてもらう事に。

 そうして代表から、この果物が俺からのお返しだと聞かされると、一気に大騒ぎになり、踊り出す奴までいて、まさかのその場でパーティーが始まった。


 そんなファインドモルル達を見ながら、代表達を待つこと約40分。40分だぞ。さすがにちょっと長すぎやしないかって事で、俺はもう1度手伝おうかと声をかけた。


『待ってっチュ!! もう少しだっチュ!! ここをこうして、そこを噛んで、そっちを回して……っチュ』


 何を取ろうとしてるんだ? 木になるものなんて、木の実か果物だろう。それとも何か? F級ダンジョンなのに、かなりのレアな物が見つかったのか?


『よいしょ、よいしょ……っチュ。採れたっチュウゥゥゥ!!』


『チュチュチュチュチュゥゥゥッ!!』


 やっと採れたらしい。代表達の声に、パーティーをしていたファインドモルル達も、一旦パーティーをやめて、木の周りに集まってきた。


『今、降りるっチュ!! みんな気をつけるっチュよ』


『チュッ!!』


 カサカサ、ガサガサと葉が揺れ、その揺れがどんどん下に降りてくる。そうして葉が途切れる場所まで出てきた代表達。その姿は……。


 代表が1番下で器用に手だけで木を降りながら、足に何かを挟んでいて。その後から他のファインドモルル達が、これまた器用に手で何かを掴んで、足だけで木を降りてきていて。全員で1つに何かを運んできた。


 俺はそのある物を見る。あれはもしかして……。と、後ろでクスクス笑う声が。急いで振り返れば、今にも大声で笑い出しそうな姉さんと、笑いを我慢している優也さんの姿が。


「姉さんも優也さんも。みんなあんなに嬉しそうな顔をしているし、ここのファインドモルル達にとっては、凄く良い物なんだろうから、みんなが戻ってきても笑わないでくれよ。ほらミカチと同じだよ。ここでは珍しいんだ」


「分かってるわよ、だから我慢してるじゃない」


「時間をかけて採って、運んできてるんだから、みんなの前では笑わないよ」


 ……本当に大丈夫だろうな?

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