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最強は私じゃなくて障害持ちの息子です  作者: Beo9
五章 横柄な貴族・鷹揚な貴族
22/47

人間とゴブリンと

「やーこ、やーこ、でりでりでりでりやーこ」

「ヤンモ、ヤンモ、コッパヤンモヤー」

 荷馬車に揺られてご機嫌に歌うコウタと、その歌を元の言語で歌うリョウジ。リョウジとジェイルは荷馬車の横を歩き、御者は依頼主である行商人が務め、ラフタは後方警戒をしている。

「リョウジさん、それって元の世界の歌?何つってんの?」

「ええ、そうですよ。私もはっきりとは覚えてないんですが、山に登るぞとか、結婚してくれとか、そんな歌詞だった気がします」

「……山で結婚式でもするの?」

 現在、一行は依頼主と合流し、ついにゼーストの町へ向けて歩き出したところだった。依頼主の行商人はリョウジと同じくらいの歳であり、新人冒険者の彼等がやたらと礼儀正しいことに驚いていた。

 そのおかげもあってか、新人三人にその息子一人という組み合わせにも拘らず、依頼拒否されることもなく、一行は無事に出発できていた。

「そういえば、ジェイルさんってスキルあるんですよね?どんなスキルなんですか?」

「俺?俺は~……うん、ちょうどいいな。見せた方が早いか。ラフタ、望遠鏡持ってる?」

「あるよ。ほどほどの奴だけど」

「じゃ、ちょっと行って来る。見てなよ、リョウジ先生」

 そう言った瞬間、ジェイルの姿がパッと消えた。驚いて辺りを見回すも、彼の姿はどこにもない。

「あれ、ジェイルさんは……転移能力か何かですか?」

「そうだねー。転移ではあるんだけど、ちょっと特殊でね……」

 そこで言葉を切り、ラフタは望遠鏡を取り出してトリアの町方面へ向ける。そして望遠鏡を目から離した瞬間、そこにジェイルが現れた。

「うわっ!?本当にいきなり出てきましたね」

「これが俺のスキル。誰かが望遠鏡とか遠見の魔法で俺を見てると、それを察知出来て、なおかつそれをやめた瞬間に目の前に転移可能。『サプライズワープ』ってスキルなんだ」

 昔見た漫画の中でそんな奴いたな、と思っていると、ジェイルは恥ずかしげに頭を掻いた。

「実はさ、昔読んでた本に、そういう描写があって……望遠鏡外したら目の前にいた!みたいなさ。面白そうだなーって思ったら、このスキル覚えちゃったんだ」

「そ、そうなんですか。でも、見られてるのが察知できるっていうのはいいですね。斥候として優秀じゃないですか」

「そう!そうなんだよ!まあ、肉眼だと意味ないんだけど……でもまあ、盗賊のボスが見てたりしたら、やめた瞬間ボスを討ち取ったりもできるし、嫌いではないんだ」

「護衛の皆さん、問題はないのでしょうけど、持ち場を離れるのは遠慮してもらえますか?」

 行商人の苦笑いしつつの言葉に、三人は揃って頭を下げた。

「申し訳ありません、以後気を付けます」

「そうしてください。ですが皆さん、本当に新人とは思えませんね。大体、新人というと無理に背伸びをしたり、自分の間違いを認めなかったり、礼儀を知らなかったりするものですが」

 だいぶ新人に苦労させられたんだなと、今度はリョウジ達が苦笑いを浮かべる。

「少なくとも皆さんは、間違いをすぐに認めて謝れる方達ですからね。幾分か安心できそうです」

「大船に乗った気持ちで……とは言えないけど、あたしが戦闘を、ジェイルが警戒を、リョウジが魔法対策をできるから、商人さんには危険は及ばないよ」

「頼もしい事です。期待していますよ」

 特に皮肉というわけではなく、純粋に期待してくれているらしい。一行はそれぞれに気を引き締め、ゼーストの町へと歩を進める。コウタは馬車の上でご機嫌に歌い続けている。

「……ちなみにジェイルさん、さっきは誰が見てたんですか?」

「ギルドマスター。『護衛中に持ち場離れんな』って雷落とされたよ」

「そ、それはそれは……まあ、以後無いように気を付けましょう」

 ゼーストの町へは、のどかな道が続いているが、道とは言っても舗装などは一切なく、ただ行き交う人々が踏み固めただけの土の地面である。馬車はガタゴトと揺れているが、幸いコウタはその揺れを楽しめる方らしく、機嫌が悪くなるようなことはない。

「しかし、リョウジさん、と言いましたか?新人というには、その……なかなかに、とうが立った方ですよね」

「とうが立っている分、美味しく頂かれることはないでしょうから、そこは安心しています」

 リョウジが冗談で返すと、行商人は楽しげに笑った。

「はっはっは。元は文官か何かでしょうか?事情があって……と、いうところですか」

 ちらりとコウタを横目で見て、行商人は納得したように呟いた。実際、間違いでもなかったため、リョウジはただ微笑んで返答代わりにする。

 ともすれば気の抜けそうな、本当にのどかな平原が続いている。気温はそこまで高くなく、風もちょうど良いそよ風がたまに吹くぐらいで、歩いていなければ寝てしまうのではないかという程に何事も起きない。

 道を外れれば草原が広がり、ところどころに咲いた花が彩りを添える。右手には大きな河が見え始め、時々その水音が風に乗って聞こえてくる。

 もう交代で荷馬車に乗って昼寝でもすればいいんじゃないかな、と護衛三人が思い始めたところで、ラフタが不意に先程の望遠鏡を取り出し、行く先を確認し始めた。

「ん?ラフタさん、何かありましたか?」

「……ゴブリンだ」

 その言葉に、ジェイルとリョウジは武器に手を当て、行商人は少し表情を硬くしたが、ラフタはそれを手で制す。

「こっちに来るわけじゃない。というか、あれは……移動中っていうか……うーん、逃げてる?」

「逃げてる?別の魔物にでも襲われてんの?」

「いや……たぶん……あたし達ってか、リョウジから……」

「え、私ですか?なんでそこで私が……ああ」

 そこで、護衛三人はわかってしまった。恐らく先日のゴブリン達に、追いついてしまったのだろう。集落のほぼ全員で逃げているのだ。女子供もいるだろうし、足が遅いのも致し方ないだろう。

「ま、そういうことであれば気にする必要もないね。俺達は普通に通らせてもらおっか」

「そうですね。まあ、戦闘になるのは避けたいので、こっちも敵意は無いってことを示したいところですが」

「それよりも、リョウジ先生があの口調で脅せば一発じゃない?」

「そんな気はしますけど、ゴブリン達とは仲良くなる気が無いので、この口調で通したいものですね」

 軽口を叩きつつ、一行は速度を落とさずにそのまま歩き続ける。ゴブリンの集団はしばらく気づいていなかったが、やがて肉眼でも凡その容姿が確認できる距離になったところで、何体かがこちらに気付く。そして、数体が武器を構えようとし、護衛が誰であるかを確認した瞬間、大恐慌に陥った。

 こちらまで聞こえるほどの大声でぎゃあぎゃあと騒ぎ立て、悲鳴を上げ、ゴブリン達は一目散に河へと飛び込んでいく。その様子を見ながら、行商人がポツリと尋ねる。

「……貴方達は、あのゴブリンに何をしたんですか?普通、ゴブリンがあそこまで人を恐れるなんて有り得ないのですが」

「あ~、その~……ちょっと、ボスを叩きのめしまして」

「それでしたら、普通は仇討ちに燃えるものなのですが」

「……ゴブリンジェネラルを」

「え!?ゴブリンジェネラルを倒したのですか!?いやでも、それこそ復讐されるのでは!?」

「あっはっは。そこのリョウジは、ゴブリンジェネラルを素手で叩きのめしたんだよ。それで、あんな化け物に敵う訳無いって、みんな必死に逃げてんのさ」

 ラフタの言葉に、行商人は驚いてリョウジを見つめた。

「はい!?あれを!?素手で!?え、新人なんですよね!?」

「はい、ド新人です。ただ、まあ、スキルがちょっと特殊なもので、相性が良かったというか……」

「ああ、そういう……いやそれでも、普通はそんなことできないはずなんですけどね……しかし、納得です」

 ゴブリン達は泳いで河を渡り、次々に対岸へ避難していく。ある程度、女と子供を優先してはいるようなのだが、一行が足を止めないせいで、だんだんとその順序は守られなくなり、今では全員が我先にと逃げ出し始めている。

 その最後尾に、幼いゴブリンを連れた母ゴブリンがいた。親子は必死に泳ぐも、河の半ば辺りで力尽き始め、ついには溺れ始めてしまった。

 それに気づいた何体かが、彼女を助けに向かう。何とか母ゴブリンは助けられそうだったが、子供のゴブリンは力なく水面を叩き、顔を出しているのもやっとという状態であり、助けの手が届かなかった。

 子供がいないことに気付き、そして流されていることに気付いた母ゴブリンは、対岸まで聞こえるほどの叫び声をあげ、再び河に戻ろうとする。それを周囲のゴブリンが押し留め、泣き叫ぶ彼女を連れて群れへと連れて行こうとしていた。

「さすがに、ゴブリンも親子の愛情はあるんだね~……って、リョウジさん!?」

 直後、リョウジは自分の鞄からロープを引っ張り出し、河へ向かって走り出していた。走りながら先端に結び目を作り、ある程度の長さまで伸ばすと、それを思い切りゴブリンの子供に向かって投げる。

「言葉わかるか!?それに掴まれ!」

 言葉が分かったかは定かではないが、ロープはしっかり子供の目の前に届き、ゴブリンの子供は必死にそれを掴んだ。

 そのままリョウジは足を踏ん張り、ロープを持つ手に力を込める。子供はそのまま下流へと流され、やがてロープが伸びきると、岸の方へと引き寄せられていく。そこまで確認して初めて、リョウジはロープを手繰り寄せた。

「おいおいリョウジ!何やってるんだよ!?」

 そこに、ラフタとジェイルが駆け付けた。行商人も馬車を止め、状況を見守っている。

「ゴブリンの子供なんか助けたって、何にもならないだろ!?むしろ、ギルドマスターに言われたこと忘れたのか!?」

「覚えてます。覚えてますけど……親として、子供が目の前で死ぬのには耐えられないんですよ」

 ひとまずは助かったものの、人間に囲まれているゴブリンの子供は、傍目にもわかるほどにガタガタと震えていた。

「だったら、あたしに渡せ。あたしは別に何とも思わないで殺せる」

「死なせたくないから助けたんです。この子は親の元へ返します」

 震えるゴブリンを抱き上げ、リョウジはその子を守るように引き寄せる。

「リョウジ先生、気持ちはわかる……いや、わかんないな。ゴブリンの子供なんか助けても、何も得することなんかないでしょ?」

「だりよー、おいよー!」

 いつの間にか転移していたコウタも、足元で抗議の声を上げている。もっともコウタの場合は、そんな奴じゃなくて自分を抱っこしろという要求だったが。

「ごめんねコウタ、ちょっと待って。とにかく、この子は親元に返します」

「こっちによこせ。ゴブリンなんか、生かしておいたって良い事はない!」

「リョウジ先生!その子は人間ですらないんだから、庇う必要はないでしょ!?」

「だり!だりぃー!」

「う、うええぇぇん!」

 不穏な空気を察し、ゴブリンの子供が激しく泣き出す。その声に反応し、ゴブリンの母親も対岸で泣き叫ぶ。そうして、場の混沌具合がますます深まっていく。

「コウタごめんって。人間でなくっても、子供を殺すのは反対です!」

「いいからよこせって!」

「リョウジ先生!」

 ついに武器を構えたラフタに対し、リョウジはゴブリンの子供を地面に下ろし、背後に庇った。

「にゃんにゃんにゃんにゃん!!だりぃーー!!!」

 コウタの絶叫が響き、ゴブリンの子供がパッと消え失せた。同時に、ゴブリンの母親はその手に我が子を抱いており、何が何だかわからないと言う顔をして自分の子供を見ていた。

「う、うああああん!」

 ゴブリンの子供は母に泣きつき、それで我に返った母親は、我が子をしっかりと抱きしめた。

 一方のリョウジ達は、何とも言えない空気の中で立ち尽くしていた。庇う、あるいは殺す相手がいなくなり、ただコウタだけが『やってやった』とでも言いたげな表情をし、両手を広げてピョンピョンとリョウジに抱っこをせがんでいる。

「んーーーー」

「ああ、うん……ありがとねコウタ……いやこれありがとうでいいのかな……?」

「あ、あのさ、リョウジ……その子、マジで何なの……?転移はするわ、ギルドマスター引きずって走るわ、相手を転移させるわ……」

「極秘事項です。ただの変わった子ですよ」

「いや変わってる時点で『ただの』は無理があると思うんだけど」

 ともかくも、対象がいなくなっては争う理由もない。三人は何となく武器をしまい、気まずい雰囲気の中、待たせたままだった荷馬車の方へと戻る。

 途中、リョウジが対岸を見ると、数体のゴブリンがこちらを見ており、その目が合った。すると、彼等は同時に頭を下げ、感謝の意を表してきた。

「もう離れ離れにならないように、気を付けてあげてください!」

 そう声をかけると、言葉が分かる者がいたらしく、ゴブリン達はもう一度深々と頭を下げた。

 そして、荷馬車の前に戻ると、今度はリョウジが深々と頭を下げた。

「本っ当に申し訳ありませんでした。以後、二度と勝手に持ち場を離れません」

「ああ、はい。わかっているんですね。二度目ですけれどもね。色々面白いものは見られましたけど、依頼破棄でも不思議ではないですからね」

 そう語る行商人の顔には、厳しい言葉とは違って笑いが浮かんでいる。あまりの暴挙に、もはや一周回って面白くなってしまったようだ。

 非常に気まずい雰囲気の中、一行は改めてゼーストへと歩き出す。それから十分ほど経つと、気まずい雰囲気を振り払うかのように行商人が口を開いた。

「しかし、トリアのアイシャさんには聞いていましたが、本当に変わった方なんですね、リョウジさんは」

「え?あ、そう、ですね。あまり見ない方ではあるかと」

 あまりどころか、本当は世界で二人しかいないであろう異世界人である。とりあえずそう答えると、行商人は面白そうに笑った。

「ええ、そうですね。ゴブリンにあそこまで親身になる人はいませんし、仲間と敵対してまで庇う人もいませんし、おまけにその子は、何やらとんでもないスキルの持ち主のようですしね。やはり、異世界から来た人は違うんですね」

「え!?あ、アイシャさんに聞いてましたか?」

 一瞬驚くものの、別に隠しているわけでもないなと、リョウジはすぐにいつもの調子に戻った。

「ええ。何やら子連れで、元の世界に帰る手段を探しているのだとか。こちらの世界に根を張るのも、悪くはないと思うのですが?」

 穏やかに尋ねる行商人に対し、リョウジはいつもの笑みを浮かべて答える。

「元の世界で、妻が待っているんです。こちらに来る時に、必ず息子を連れて帰ると約束したもので」

「なるほど。奥さんを待たせているなら、お土産の一つでも買って帰らないといけませんね。どうです?アクセサリーなら安くしておきますが?」

「ありがとうございます。懐がもう少し風を通さなくなった頃に、お世話になろうと思います」

 商魂逞しいなあと笑い、軽く流す。それを受けて行商人も、穏やかに笑った。そこからは雰囲気も元のように戻り、平和な道を四人で喋りながら歩き続けた。

 日が暮れてきたところで野営の準備を始め、リョウジはコウタを適当に相手しつつテントの設営を始める。元々アウトドアが好きだったこともあり、テントはあっさりと組みあがった。

「相変わらず、リョウジ先生はテント立てるの早いよね」

「ええまあ、慣れてますから。手順を覚えてれば、悩まない分早くなりますよ」

「そこは結局、練習しかないかぁ」

「ただ組み立てるだけでなくて、なぜそれを先にやるのか、今やってることが後にどう繋がるのか。そういうことを考えながらやれば、上達は早まりますよ」

「あっははは。リョウジはやっぱり先生やってるのが似合うな」

 そう言って笑うラフタは、行商人と共に料理の真っ最中である。彼女は現在、長剣で野菜と肉を刻み、鍋に放り込んでいる。曰く、『剣術スキルが使える分、包丁よりこっちの方がいい』らしい。

 今回、食料は依頼者持ちである。そのため、野営の割には比較的豪勢な食事となり、またラフタと行商人が料理上手だったこともあり、大変に満足のできる食事となった。ただし、料理の半分ほどをコウタに取られたリョウジは、露天商から貰っていた食料をこっそり食べる羽目になっていた。

 あとは寝るだけだが、護衛ともなれば夜間の見張りも欠かせない。リョウジはコウタのこともあり、最初に三時間の見張りをすることにした。

「おうーんふふぅ。あいーおいーよぉー?」

「そうだねえ。お薬早く効くといいねえ」

 普段とは違う環境にコウタは興奮しており、リョウジにぴったりくっついてピョンピョンと飛び跳ねている。暗いのは苦手なはずなのだが、さすがに一ヶ月以上もこの世界にいるためか、最近はあまり気にしないようになっている。

「明日も歩くからね。コウタも早く寝た方がいいよ」

「おいよいよいよい。こーききぃー、たはぁー!」

「コウタ、シー。寝てる人いるから、静かにね」

 はっきり言って、寝られる状況ではなかった。コウタは楽しげな声を上げ続けており、テントでは防音性が無いため、その声は筒抜けである。

 真夜中に、何もない平原で、訳の分からない子供の笑い声が聞こえてくるというホラーな状況に、ラフタとジェイルはなかなか寝付くことができなかった。ちなみに行商人は、いつの間にか耳栓を用意しており、静かに寝息を立てていた。

 とんでもない体力で起きていたコウタだが、さすがに日付が変わる頃には動きが鈍くなり、やがてうつらうつらし始めたため、リョウジはそっとテントの中に寝かせる。そこで、次の見張り役であるジェイルが起き上がった。

「リョウジ先生、お疲れ……俺、寝らんなかったし、眠れそうもないからもう代わるよ」

「あ、それは申し訳ない……ですが、寝られなかったんなら、ギリギリまで私がやってた方がいいのでは?」

「俺、若いから大丈夫」

 そう言って、ジェイルは二カッと笑った。実際のところ疲労困憊だったリョウジは、ありがたくその申し出を受けることにした。

「ありがとうございます、正直言って助かります」

「いいっていいって。コウタ君の相手もあるんだから、ゆっくり休んどいて」

 ジェイルと交代し、テントの中に入って横たわる。すると何か考えることもなく、そのまま意識を失うように、一瞬にして眠りに落ちるのだった。

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