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プロローグ

 俗にいう転生特典と聞くと、人はどんなものを想像するだろうか。

 もちろん転生なんてファンタジーだけの話と言われてしまえばそれまでだが、誰もが一度は夢想したことはないか。


 異世界転生したら自分にはどんな特典が付与されるだろうか、と。


 物語に出てくる勇者のような力を望むか。ダークヒーローが持つような闇の力を望むか。自分だけが持つユニークな魔法やスキルを望むか。はたまた使い切れないほどの巨額の金銭や圧倒的イケメンや美女に生まれることを望むかもしれない。


 望むものは人の数だけ存在するといえるだろう。

 ただ、転生する際もいろいろあると思う。


 死んだと思ったら異世界で赤ちゃんになっていたとか、自分がやっていたゲームのキャラクターとして生まれ変わるとか、同じゲーム世界でも悪役令嬢の幼児期に不意に前世の記憶が蘇ってきたなどというパターンもあったりする。それこそ様々だ。


 しかしそのどれもがやはりファンタジーな世界が多いと思う。そして何かしらのチート的な能力を授かり転生する。

 物語の主人公として、相応の力を持つのが当然なのだ。そうでなければ物語が成立しないから。誰が平々凡々で一切何も起きない人生の物語を見たいだろうか。


 長々と語ったが、つまり何が言いたいかというと転生するなら、やはり次の人生を存分に楽しめるような魅力的な能力があれば最高だよねという話である。その上で、ゲームに出てくるような異世界ファンタジーならなお嬉しい。魔法やスキルとか憧れるし。


 だが当然ながらそんなものは現実には起こり得ないことというのは周知の事実……だったはずなのだが……。


(…………まさか自分が経験するとはなぁ)


 意識を覚醒させると、六歳児の身体で子供部屋らしきところに立っていた。

 キョロキョロと周囲を確認する。部屋としては小さいが、幼児には十分な広さだ。

 しかし気になるものが幾つかある。


 天井には文明の利器である電灯が設置されており、本棚には見慣れた文字で書かれた絵本が何冊も収納されている。

 また部屋の隅にはエアコンがあり、その下の壁にはカレンダーが見える。そこには間違いなく西暦と思わしき年数と月日が刻まれていた。


「……え? ここ……現代日本なの?」


 どうやら自分は異世界ファンタジーではなく、前世と同じ日本に転生したらしい。




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