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1 友の裏切り

竜崎京介りゅうざききょうすけ17歳、魔王を倒すために一年前に、異世界に召喚された。


幼なじみで親友の田辺翔たなべしょうと二人で。


言葉と文字は不思議と来た時から理解できていた。


召喚した国はカラン国といい、大陸の東の端にあり最近魔物の被害に合っていた。魔物は西から来る。


この世界は大陸には、北、南、西、東の四つの国と真ん中に浮かんでいる国、西の国の隣に魔物の国がある。


真ん中は浮かんでいるので魔物の被害はほとんどないらしい、魔物が東まで来たら、もう西は滅んでいると考えられた。


そこで異世界から勇者を召喚したのだと。


翔は勇者となった。決め手は顔らしい。


なんだそれは。 確かに翔は俺よりカッコいい。学校でもモテていた。

しかし、俺もそこそこいけてると思う。たぶん・・・


カラン国の王女で聖女のペティと魔法使い(男)と騎士(男)と五人でパーティーをくんで魔王を倒すことになり、半年間俺達は剣の使い方を学んだ。


魔王は西の隣にある魔物の国にいる。


転移で森の入り口まで行くことができるが、魔王がいる魔王城には歩いて行かなければならない。

勇者パーティーは森にいた魔物を順調に倒して進んでいった。


俺はその間、荷物を持ち、食事をつくり、寝床をつくっていた。そう、ただの雑用係。


みんな何もしてくれない。

生きていく為には必要なことなのに。


聖女はワガママだし、ガサツだし、俺の長年積み重ねていた聖女への幻想は見事に砕け散った。

俺の聖女を返せ!!


親友の翔は勇者らしく必殺技とか打っていた。

なんだ『竜王聖剣』って、召喚される前やってたアニメのやつだよね。


俺も、『竜王一文切り』とか赤い炎の魔法彈うって『ブラックファイアー』とか堂々と叫びたかったよ。


森に来てから半年かけて魔王城につく。



この世界に来てからここまで来るのに一年かかった。ついにこの戦いに終止符を打つときがきたんだ。


魔王城の奥にある扉を開けると、中央にいたガタイがいい男と角を生やした2人の男女、猫耳を生やした男と場違いの少女がこちらを向いた。


「魔王よ!この勇者が成敗してくれる!」


翔が剣の先ををガタイのいい男方に向けて、勇者らしい言葉をいっている。なんかすごく羨ましいのは横に置いておこう。


「我が魔王だが?」


声を発したのは少女だった。


違うの?・・・・・・




魔王だと言う少女は凄く可愛かった。




それが魔王の第一印象。


艶のある紫黒色のストレートヘア。大きな紫黒の瞳。白い肌に小さな赤い唇。黒のミニスカートから見える白い足がすごくいい。


ん、俺と目があってないか?

真っ直ぐこっちを見ている。


魔王の顔が赤い・・・?


「お、お前が勇者か。わ、我の負けだ、さらばだ」


一瞬にして目の前から魔王達が姿を消す。


えっ?・・・勝ったの?


しばらくの間沈黙が続く。ここに残された俺達は状況を整理するのに時間がかかった。

一番に口を開いたのは翔。勇者パーティーをまとめている責任からなのか、突然叫びだした。


「かったぁぁぁ、俺達は勝ったんだぁぁぁ」


翔が叫ぶと皆が一緒になって喜んだ。


喜んでいいの、これ?


なんかわからんが帰れるんだから喜んじゃえ。


いえぇぇぇい!!!


俺が喜んでいる間に魔法使いがごてごてした転移のアイテムの用意をしている。


あれ凄く重かったんだよね。

ずっと持たされてたから愛着がわいて、毎日磨いて明美って名前までつけていた。


明美が中央に置かれると周りに魔方陣が現れた。四人は明美の周りに集まる。

俺も荷物を持って、急いで魔方陣の中に入った。


やっと帰れるんだな。


感傷深いなー。


ドン


浸ってると後ろから翔に蹴られた。振り向くと四人は笑っていた。


「これ四人が人数制限なんだよね」


魔法使いが言った。俺は指をさして数える。

いち、にい、さん、しい、ご。


「1人多いじゃん!」


「そうだ!お前は残れ」


騎士が言った。おかしくない?

俺の料理美味しそうに食べてたじゃん。俺の分まで。


「そうよ!どうせ元の世界には帰れないんだから。あなたはここで朽ち果てなさい」


さらっと爆弾発言して、あんたが魔王みたいなこと言ってるよ。


お前はもう聖女じゃない!


今、帰れないとペティは言った。俺は翔の方を恐る恐る見る。


「翔、帰れないって・・・?」


翔はペティの肩を抱き寄せて俺を見た。


「ああ、なんでも100年に一度できる召喚だったらしいぜ。俺も知った時は驚いたけど。勇者としてペティと結婚できるみたいだしな。わりいな」


笑って前髪をかきあげた。


「しょ・・う・・・」


最後は声がでなかった。


「「「「じゃあね~」」」」


四人は手を振り笑って消えていった。


俺は崩れ落ち、拳を地面にぶつける。


なんでだよ。ふざけるな。俺達は親友だったんじゃなかったのか。


あの日海を見て肩くんで「俺達親友だよな」って、お前笑顔でいったじゃん。


宿題をやってあげたり、俺のおやつをあげたり、お前の浮気を庇って殴られたり・・・ちょっと待て?それって親友か?


なんか違うよな。俺だけが損してね。


立ち上がって膝をはたく。


じゃあ別れて正解か。


俺はスキル前向きを発動する。

これは生まれもったスキルであった。


ただ明美と別れたのはさびしい。


魔法陣から少し離れた所に俺が持ってた荷物を見つけた。これさえあればなんとかなるな。荷物を置いていったあいつらに感謝しとこ。


じぃちゃんも言ってた。どんなことにも感謝するとイイコトあるって。


じぃちゃん・・・まだ生きてるかな。


おっと、ちょっとしんみりしてしまった。


帰れないんなら帰れる方法をみつけるまでだ。とりあえず何をするにも生きていかないと。


俺は気を取り直して森を抜けることにした。


運よく知性のある魔物に会わず、2ヶ月かけて森を出た・・・。

2ヶ月でつくんかよ。


行きに半年はかかりすぎだろ。ああ、あいつら戦ってるより休憩多かったもんな。


森を抜けるとそこは砂漠だった。


砂漠なのかよ!!!


変な突っ込みを入れてしまう。


歩くしかないよな。水は魔法で出せるし食料は森で補充してある。なんとかなるか。


そんなことを思っていたこともあった・・・


そろそろやばい。

1ヶ月砂漠を歩き続けている。食料もそこをつきかけ、食べれる魔獣も森を離れ続けるといなくなってきた。


本気でやばいかも。幻影が見える。


近づいていくと幻影ではなかった。

目の前にばかでかい派手な看板が見えてくる。


『世界一危険で 世界一安全な国

シトラシア国にようこそ

あと三キロ』


なんだこの看板。俺のいた世界みたいで安心感を感じる。


でも危険なのに安全とは?


・・・・意味がわからん。


とりあえず限界に近いし言ってみるか。



三キロ歩くと大きな壁と扉が見えてきた。さらに近くにいくと門番がいる。


あの門番、人に見えるけど頭に羊の角がはえてる。


「ようこそ、西の国、シトラシアへ」


笑顔でスムーズに入れてくれた。えっ、いいの?と思いながら中に入っていく。


西の国は滅びたはずじゃ・・・。


滅びたはずの国の中を見て驚いた。


カラン国で見た町並みとは全然違い、俺の元いた世界に近かった。それにいろんな種族がいりじ混じっていた。


人間はもちろん、魔族、エルフ、天使など……様々な種族達がいる。


呆然とする俺は、突然町人ドワーフに声をかけられた。


「おい、あんちゃん。新入りか?それともイベントを見にきた観光客か?」


「・・・イベント?」


ドワーフは俺の言葉を勘違いして、そっか、そっか、イベントか、なら連れていってやろう、と俺の手を掴んで、何処かに連れていく。


戸惑っている内に大きな城壁の前に来た。

闘技場?カラン国で見た闘技場とは大きさの規模が違う。凄くでかい。


闘技場の周りには人だかりになっていた。


「一体何があるんですか?」


「ほれ、もうすぐ始まるぞ」


話を聞かないな、このドワーフ。

そんな事より俺はやばい。


ふらふらの俺に気づくことなくドワーフは、そのまま手を引っ張られて中に入っていく。


その中はーーー宇宙だった。


惑星と星がたくさん浮かんでいる。立っているのが不思議な気分だ。


中は外よりも人が敷き詰めて、熱気が凄い。


「さあ登場していただきましょう。大注目の新人大型アイドルぅぅぅ、リリアナーーー」


声の方に顔を向けるとステージがある。

その上にマイクを持ち正装したスケルトンが立っていた。


「「「おぉぉぉぉぉぁぉ~」」」


周りから歓声があがる。


ツインテールをしてミニスカートを着た少女がステージの上に現れた。


紫黒の髪色をした可愛いい少女。


目が閉じかける。


笑って歌って踊っている。ミニスカートから見える足が眩しい。


「・・・魔王?」


俺は意識をなくした。


読んでくださいましてありがとうございます。


面白いと思われた方、続きが気になる方は

是非ともブクマ、評価よろしくお願いします。



わたしの原動力となり、喜びます。


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