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「柊南天」  作者: 大月櫂音
第壱花弁
5/16

黎明の巫女の夢

 誰かの言ったイメージの墓場は

 頽れた暁暗の 退廃の気配で充ちた

 黄金色の記憶が溶けて消えたとき

 嘗めるような世界が 不調和な命に変わる


 地から立ち上る光が

 静脈を侵して僕らを急かす

 ささくれだった夢の牙は

 黒く濁って 腐り落ちる


 それはもげた林檎のように

 それは恐れを知らぬ戦士のように

 それは目蓋を閉じた人形のように

 それは醜いわたし自身


 逆三角の夢を見た

 月にしなだれかかり

 豊穣と硝子細工の身体を

 淡い黎明の衝動で彩る


2021/12/25、17:51の作品。

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