エピソード1・戦争へ
眠い、ようやく進める。
人格形成は記憶か、元々あるモノが由来なのか。それが、全く分からない。人格崩壊を起こすかも知れない、それが英霊憑依。この能力は、決して自分の為には使わない。俺が大事にする仲間の為に、彼等の為に使おう。簡単に使用しては、決死ていけない能力だ。
「私の勝ちだ、では失礼する」
ルリは何処に、いやベンチでいると言う情報を目にした事がある。試すか、先ずは本でも読んでいるフリでもするか。あのお喋り姫なら、失敗した後の事を考えよう。もう、発狂したくないし。
本を片手に周囲を警戒、いつ私の正体がバレるか分からない。加護が見える瞳があるなら、人の心を読めるナニカが有っても不思議ではない。太陽の位置的に昼間、時計は世界が崩壊後に使用出来なくなった。宇宙は、月にいた人達はどうなった?俺の父さんは、私の母さんは今どうしてるだろう。
「ここで読書ですか?英...人さん?」
「ルリ様、いや姫様?」
「本好きなんですか?」
「えぇ、本は知識をくれますから」
「何を読んでいるんですか?」
「...人を殺した少年が、その後悔と謝罪を書いたモノです。此方は科学の知識本らしいです」
当然日本語で執筆され、魔術師達には読めもしない。俺達も当初は原語に苦しんだが、英語に近い文字達で何とか覚える事ができた。彼等は日本語を喋っているが、日本語を読む事も出来なかった。一度英語やドイツ語などで喋り掛けた人いたらしいが、どれも通じなかった。
「何です?その文字?」
「あぁ、科学者連中が使用している文字ですよ。辞書が有ったので、一度読んで見ようと思ったんです。敵を知り、相手の行動を予測できる様にしないと」
「良い考えですね、世界が平和になる一歩になればいいですね!」
彼女が見せる満面の笑みに、一瞬ドキッとしたが、舌を強く噛んで感情を押し殺す。灰色のツインテールに一瞬魅惑されかけたが、何とか耐える事が出来た、良くやったぞ俺!ランスロットとか、魂を融合したら終わってた。まだ失恋して発狂したローランの方が、いや英雄って可笑しい奴らの塊だからな。
「平和ってどういう事ですか?相手が全員死ねば良いのか、同盟を結ぶか」
「後者です。貴方の様に科学を学んでいる人がいるなら、同じ様に魔術を学ぶ人がいるはずです。...口から血が出てますよ?」
「お気遣いありがとうございます。気にしないで、舌を噛んでしまっただけですから」
そうか、可能性はある。王はそれと違い、真正面から俺達を殺す積もりだ。親子でも、どうしてここまで違うのか。うすい可能性を追い求めよる寄り、確実性がある方を選ぶ、それが王何だろうな。痛い...。
「聞いてみたかったんですが、良いですか?」
「俺が答えれるなら」
「英霊憑依って危険な能力では無いですか?」
「貴方の瞳って、能力まで理解できるんですか?」
「はい。貴方の能力は解除の方法が明記されていませんでした」
「俺の中には、英雄ローランがいます。恐らく私は人格が溶け合い、桜満英人は死亡するでしょう」
「今、貴方は英人さんでしょうか?」
「恐らく、今は英人だと思う」
英雄、ヒーローは過去の人物。伝説上のローランの武器も使用、なら未来の人物を能力で呼び出す事ができるのではないか。英雄は人類の歴史、最期の英雄を呼び出した最後は、能力はどうなる?別世界、パラレルワールドの英雄達が呼び出されるのか。
「明日、又明日も此処でお話してくれませんか?加護の情報を一つ、貴方に教えますから」
「はい、俺は何時でも構いません」
「加護は使用し続ける事で、強化されます。貴方の能力は使用扱いになるのかは分かりません。では」
「又明日」
ルリは頭を下げ、スカートを少し上げる。お嬢様の挨拶はどの世界でも、変わらないのか。関係は持った、後は王宮に入る理由を手に入れる。王宮を爆発するべきか、狙撃するべきか。
ルリと放課後に話すのが日常に成った頃、黒い封筒が俺に届いた。濃い色の封筒で、俺は何となく察した。戦争に行かせるヤツだ、赤封筒の魔術界バージョンってヤツか。
「何か有ったか?嬉しそうな、悲しいそうな」
「お前寄り、サノ様の方が悲しいんだぞ!」
「いやぁ、封筒が入って戦争に行けってな。経験値は凄いけど、四人行動って誰の行けばって話しなんだ」
「ちょうど良かった、俺も行く事になった。お前を入れてやる、アサシンとしてら優秀だからな」
「ははは、助かるよ」
今回の戦争は通称科学者、俺達の元の世界の住人。では無く、アレフ国との戦場にある、魔導獸兵器を手に入れる事が、私達の仕事。選ばれるのは、優秀な人が多いらしい。俺もサノも上位層だし、二つ名持ってるから妥当。
「あと二人...」
「ルリ様も来ている様だ」
「ちと、行ってくぜ!」
「おい!...いや、他の奴に囲まれて...た...って、足速いな」
「サノ様、彼奴と縁を切った方がいいですよ!」
「いや、縁は大事にするタイプの人間なんだ。英霊、か」
人が大きく囲み、何処にいるか分からないし、声が五月蝿くてルリ様の声が聞こえない。俺とサノ、俺達二人は上位五位以内なのに、何故来ない!?二つ名の問題、魔術師殺しと協力......嫌だな。真紅の龍と言われ、山一つを消し飛ばしたサノ...巻き込まれたくない。くっ!虐めじゃないか!王殺してからぶっ殺してやる!
「あ、魔術殺し...えーと、エイト先輩?」
「はっ!何だい?ききき聞こうじゃないか...」
「ルリ様と行けば命が助かると思ったんですけど、私と組みますか?」
「良いぜ」(イケボ)
ふっ!これが私のカリスマ性って奴か。この調子で調子で一人、いやルリを仲間にしよう。今、ルリは窓側。幽霊移動で移動して、ルリを手に入れるか。怒られないか?マラソン大会的モノで使用したら「その加護二度と学校で使うんじゃねぇぞ?」て理事長先生みたいな人に怒られたんだな。説教で一日使うんなんて、すげぇ勿体ない。
「ありがとうございます!」
「よし、仲間にしてあげるから...この加護使用したのは秘密だぞ」
「えっ...なんで」
幽霊移動で窓から外に移動、窓を開けてからルリを持ち上げて即座に窓を閉める。男達の怒りの声が聞こえ、血が無くなったせいか、立ちくらむ。
「うっ、血が...背が低くて助かった」
「無理矢理あの状況から、いや私は150cm有りますよ!」
「無い胸を張られてもなぁ、で、今回の仲間に成ってくれますか?」
「私がは了承しないと言う考えは無いんですか?」
「今は了承しなければ、俺は一生男に哀れみの眼を向けられる学生生活をお姫様が歩かせる訳がないからな」
「言ってませんでしたが、私と俺って使うんのは元々モノですか?」
「へ?」
私何て使ってたか?気付いてないのが一番怖かった。癌も痛い時はもう手遅れなんて言うからな、気付けて良かった...か。
「その顔から察しました。英霊憑依を使用してからですね」
「マジかよ...」
「私は結構人を見てますよ」
「えらいえらい」
軽く頭を撫でやると、顔を赤らめているが嬉しそうだ。王様目指すってのも、有りだな。言っそ結婚ルート目指し、王に気に入られるのも...駄目だ。
「子供扱いしてませんか?」
「俺より背が低いからつい」
俺達は全員は心の中で、見に行く程度の気持ちだったんだ。俺達が連れて来られたのは、魔導獸兵器を探す最前線。アレフ国は獣族が多い為に、夜戦や奇襲が多いので、寝れないらしい。
「探すぞ!」
「「おぉ〜」」
俺達は互いに武器を向け合う、サノは龍化した右腕。俺はウィンチェスターライフルm1873を向ける。その姿を目にしたルリは魔導書を開き、魔法陣を展開する。状況が理解できず、棒立ちの後輩_エルマ。
「貴方達は裏切り者だった...ですね?」
「そうなるな」
「こんな形でバレる何てな」
「止めましょう!私達は四人チームのはずです、今は力を合わせるべきです!」
「馬鹿か?国が、俺達の仲間が全員死んだんだぞ?」
「俺達の仲間が来ている時に、スウゼ国が消し飛ぶとはな...」
「彼等はスパイ、なら此処で殺すのが礼儀でしょう!」
これは、数日後の話だ。こうなるとは、思ってもいなかった。全てを失う、覚悟が出来ていなかった。俺の人生は、相当神に嫌われているらしい。
ありがとうございます、在るべき形へも見てもらえると嬉しいです。次は、在るべき形へだぁ。眠理っす