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3話 東へ

光に包まれたのだ。普通はまあ、広場とか、ストーリー重視なら乗り物の中とか、そう思うだろう。

しかし。




「ほぇ?」




空。上空である。




「えええええぇぇぇぇ!?」


あーーーっ。ここ多分地上数百メートルくらいあるよ。多分このゲーム落下ダメージあるし死んだなこれ。それよりもなんでこんな上空で始まるんだよ高所恐怖症の人とかどうするんだよこれぇ!?

そうだった説明書にそんなこと書いてた気がするちょっと考えればわかるじゃん私のばかぁぁぁというかいつもより思考速度早い気がするこれが走馬灯もどきですかどうしたら助かるかな


「そうだ!インベントリとか無いかな!」


えーとインベントリインベントr...そうじゃん!?見方まだ知らないんだった!?

終わりました。初心者西瓜(サイカ)の冒険はここで終わるのです。爆弾作りたかったなぁ...


「あー。もうすぐ地上に落ちるわね。やっぱり落ちたら痛いのかしら。一周回ってなんか落ち着いてきたわ。」


まもなくー、地上ー、地上―。3、2、い...え?


「落ちてない...」


そう。落ちてないのだ。

いや、落ちたには落ちたのだが、10センチくらい上に浮いていて、叩きつけられないのだ。

周りを見ると、さっきまでは気づかなかったが、同じように浮いているプレイヤーと思われる人たちがいる。


「ぶぇっ」


痛い。浮いてたと思ったら普通に落ちた。いや、痛くはないけれど、精神的に痛い。


「ふーん?ここは...噴水広場ってところかしら?まあ、始まりの場所としては一般的よね。上空に出現すること以外は。」


「よお、お嬢ちゃん。俺はここによく落ちてくる新人の世話をしているハイトだ。早速だが、何か聞きたいことはあったりするか?大体のことは答えられると思うぞ?」


「あら、はじめまして。私はサイカよ。そうね...インベントリーみたいなものってあるかしら?」


「もちろんあるぞ。普通に『インベントリ』って意志を持って考えれば目の前に出てくるはずだ。ついでに『メニュー』って考えて、開いてみてくれ。そこから持ってる装備をつけたり、フレンド登録したりできるからな。まあ、装備に関しては直接着たり付けたりしたほうが多くつけられるんだがな。」


「ありがとう。じゃあ最後に、温泉と海は近くにあるかしら?」


「温泉と海?ああ、観光したいのか。ここに来る冒険者にしては珍しいな。温泉は東にある町の『ヒオギト』にあるぞ。火山もあるから火属性の魔物が多い。海は南にある町の『スウサミ』のさらに南にある。水属性の魔物が多い。だからまあ、頑張ってくれ。」


どちらもこの町ー名前は『ワーシィ』というらしいーからは少し離れているわね。わたしもまだ始めたばかりだから、そこまで行くのになかなかの準備がいるでしょう。

...でも、そんなことしている暇なんてないわよね?


「ありがとうございました。またわからないことがあったら聞きに来ますわ。フフフ...」


「お、おお?嬢ちゃーん?ちゃんと準備してから行けよー?死ぬとわりとだるくなるぞー?」


━━━━━━━━━━━━━━


道具屋には...あっ、あったあった。これがやっぱり一番よね。


「すいません。これを、えーと、武器屋にボウガンってありますか?」


「え?ああ、あるよ。あんまり強くはないけどね。それがどうかしたかい?」


「いえ。改めて、ボウガンを買える金額を除いたお金で買えるだけ、これ売ってください。」


「ああ、いいが。ほかの、防具なんかも買えるようにしとけよ?まいどありー」



さてと。準備はできたわね。

さっきの道具屋で買った良く燃えることに定評のあるらしいスライムオイルをボウガンの矢の矢じりによく塗って、簡易マッチを持って。


強行突破よ!いざゆかん!


「はあああああああぁぁぁ!」


今の私の全速力で!走る!まずは南に!

途中で魔物が来ても逃げる!来なくても逃げる!ひたすら逃げる!なぜなら!

爆薬(・・)がかかっているから!


・・・・・・


「...チッ。やっぱりそう簡単にはいかないわよね...。」


この体がリアルよりも速く、アクロバティックに動けて、かつ周囲の魔物が案外遅いか、弱いかでよかったわ。

大体逃げるか、火矢をボウガンで撃って倒すか怯ませるかすればよかったから。

だがしかし。もうヒオギトが見える距離なのに。


「明らかに倒さないと通しませんって感じよねぇ...」


正にBOSS。圧倒的とは言わずともなかなかの大きさの、褐色のゴーレムともいえる存在がいた。

予想通りだが、ボウガンで撃っても軽く傷はついても弾かれ、火矢を周囲に撃っても怯みすらしない。

だが。


「傷はついた。つまり今の装備でも倒せないことはない。なら、倒すしかないわよね?」


奇跡的にノーダメージでここまで来ている。

しかし道中で倒した魔物は数えるほど。レベルもまだ2レベル上がったのみのレベル3。

だからなんだというのだ。爆薬のためなら倒すのみよ!


そして、その口火を切るがごとく一筋の矢が、先ほど傷のついた、まったく同じ場所に飛んだ。

次回 サイカ、死す!


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