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第三章 女装男子襲来でなぜか俺がメイド喫茶で働くことに!?

「ねぇ……起きて翼くん……朝……だよ?」


 翼の耳元で囁く声がした。


 ん、誰かの声がする。乃愛ちゃん起こしに来てくれたのかな。


 翼は女の子の囁き声に癒されつつゆっくりと目を開けた。


 目の前にはブラウンでロングヘアー、ヘアアレンジに流し前髪と毛先カールの女の子がいた。


「俺の幸せな気持ちを返せぇええええええ!!」


 翼は目の前にいた女の子を突き飛ばした。


「痛いよ!! 翼くん!! せっかく起こしてあげたのに!!」


「その女声と幼馴染の女の子演じるのやめろ!! ていうかなんでここにいる!!」


「翼の母さんに翼を起こしてほしいって頼まれたから、メイド服着て起こしに来てやったんだよ!!」


「それはありがたけど、普通に起こしてくれ!!」


 なんで翔星に頼んだんだ母さんは、翔星が普通に起こしてくれるわけないじゃないか。

 俺の目の前でメイド服を着ているやつは俺の親友の大空翔星、こいは日々女装して過ごしていて、いつも俺を起こす時さっきみたいに起こしてきていつも俺は引っ掛かり吹っ飛ばして言い争う流れなのである。


「ところで翼に聞きたいことあんだよ、昨日一緒にいた女の子は誰だ? も、もしかして誘拐したとか? それだったら最高なんだが」


「なんでそうなんだよ、てか最高ってどうゆうことだ!!」


 翼は翔星に素早くツッコミを入れた。


「いや僕さ、犯罪者の友達としてニュース番組でインタビュー受けるの夢だったんだよ、だからその礎になってくれたのかと」


「俺ってそんな誘拐とかしそうなやつに見えるか?」


「おう、最高に見えるぜ!!」


 翔星は笑顔でこう言った。


「ま・じ・か・よ」


 翼は翔星の衝撃発言に膝をついた。


「冗談、冗談だって」


「悲しくなったから……俺トイレ行って来る……」


「待て!! 翼、お前がこんな事落ち込むわけないよな、演技でごまかしても分かるんだからな」


 翔星は絶対に逃がさんといわんばかりに翼の肩を掴んだ。


 くそ、ばれたか伊達に長く付き合ってないな。さっきまでは隠そうと思ってたけど正直めんどくさいし、翔星なら口堅いから問題ないだろ、それにこれからは助けがいた方がいいかもしれないし。


「わかったよ、話すよ。実は……」


 翼は一昨日に起きた有り得ない事象を事細かに翔星に説明し始めた。

 説明は5分ほどで終わり、翔星は驚愕するどころか羨ましそうな顔をした。


「なんだその羨ましそうな顔は、驚かないのか」


「驚きより羨ましさが勝ったわ。だってあんな可愛い女の子と合法でいられるんだぞ!! 羨ましいしかないだろ!!」


「あんな可愛いってお前乃愛ちゃんの事見たことあったか?」


「昨日は翼に逃走されてよく見えなかったんだけどよ、今日の朝昨日の事を聞こうと思って訪ねたら、丁度翼の母さんとその子が出るとこで、その時見たんだ」


「なるほど、良かったぜ。お前と乃愛ちゃんが話す流れにならなくて」


「なんでだよ」


「乃愛ちゃんがお前に悪影響及ぼされるかもしれないからな」


「なんだと!!」


 言い争いをしていると、翔星は時計を見た途端焦燥感に駆られ始めた。


「やばい!! 12時頃までにメイド喫茶に連れていかんと」


「なんで俺がメイド喫茶に行かなきゃいけないんだよ!!」


「翼の母さんが連れてきてほしいんだ~って言ってたんだよ」


「そうかそれはしょうがないな」


「俺は下で朝食作ってるからそこの机に乗ってる服に着替えて降りてこい」


 翔星はそう翼に言うと、下へと降りていった。


 翼は翔星に言われた通りに机に乗ってる服に着替えようと服を取り溜息をついた。


金髪ツインテールのウィッグにメイド服、もうよめたわ。これ母さんの仕事場で働かされる流れだ、やだ……やだすぎるでも母さんには世話になってるししょうがないか。


 翼は諦める事を諦め、置いてある服とウィッグに着替え下に降りた。

 下に降りると翔星は朝食の準備を終えたらしくテーブルに座っていた。

 テーブルには白米、豆腐の味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のお浸し、沢庵が置かれていた。


「お、似合ってるじゃん」


「うるせぇ!!」


 翼は照れながらそう言った。


「さあ、冷める前に食べてくれや翔星特製和食スペシャルを」


「はいはい、ありがたく頂きますよ」


 翼はテーブルに座り、翔星の和食スペシャルを食べ始めた。

 翔星の料理は高級和食店に引けを取らないほど絶品で、翼は感嘆の声を上げた。


「おぉ~!! 美味い。ほんと相変わらず料理上手いな」


「だろ!! 女装男子は料理、洗濯、掃除は完璧だぜ」


「まじお前が男じゃなかったら、結婚してるわ」


「なにそれプロポーズ? しょうがない結婚するか」


「比喩表現だからな!! 勘違いするなよ!!」


「よし、じゃあ誓いのキスを」


「比喩だって言ってるだろうがぁあああああ!!」


 翼はキスしようとしてくる翔星を突き飛ばした。


「なにすんだよ!! 椅子ごと倒れたらどうすんだ!!」


「お前が止まらんからだ!!」


 言い争いが始まるかと思いきや、二人は急に冷静になった。


「こんなことしてる場合じゃないわ、早く食べてくれ」


「そうだな」


 翼は翔星の料理を10分ほどで食べた。


「じゃあ、俺洗い物するから翼は出る準備しといてくれ」


「分かった」


 翔星は洗い物を10分ほどで終え、出る準備を終えた翼と家を出た。

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