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第二章 ゲームのヒロインと同棲生活!? その4


「お腹空いてきたし夕ご飯今から食べるんだけど、乃愛ちゃんも一緒に食べる?」


 プロポーズ事件から3時間ほどが経ち、お腹が空いてきた翼は、乃愛に夕ご飯の有無を聞くため乃愛の部屋の前で声をかけた。


「とっても翼くんと一緒に食べたいんだけど……わ、私、まだ恥ずかしくて一緒に食

べられそうにないから翼くんだけで食べて~」


「分かった!! 先頂くね」


 乃愛は恥ずかしさがいまだ抜けず、翼は夕ご飯を一人で食べる事になった。


 しゃがみ込むほど恥ずかしがってたのに、お前は3時間ほどで恥ずかしさが抜けたのかと思ってるだろうが、実はそうではないんよ。プロポーズ事件結構破壊力あったみたいで、内心恥ずかしくてしょうがないからそれを乃愛ちゃんに悟られたくなくて見栄を張ったわけ。


 翼は冷蔵庫にある乙姫特製愛情たっぷりの肉味噌キャベツを出し、温め食べ始めた。


 一人で食べることなんてあんまないし、なんかさみしいわ。


 翼は人恋しさを感じつつ、夕ご飯を20分ほどで終えた。


 さ、この後どうしたものか、母さんが帰ってこなきゃ目的達成できないし     …………そうだ、少しでも情報欲しいし乃愛ちゃんが出てきたゲームもう一回やるか。


 翼は夕ご飯で使用した食器を洗い、棚に片付けた。その後翼の部屋に戻りゲームをやるため準備を始めた。


 PHZ4.5は部屋の襖に仕舞ってあるため、そこから取り出した。テレビにコード類の接続を終え、タイトルなしのソフトを入れてゲーム機を起動した。


 PHZは特に問題なく起動し、画面を進めていった。タイトルなしのギャルゲーのタイトル画面であるメニュー欄が出てきた時、翼は驚愕した。


 メニュー欄にあったはずの、乃愛のキャラ絵が消えていたからだ。


 ………!? あったはずの乃愛ちゃんのキャラ絵が消えてる!? おそらく乃愛ちゃんがギャルゲーから出てきたから消えたんだとは思うけど、これじゃあ乃愛ちゃんのルートもう一度は厳しいな、まさかソフト内データが消えるとは思ってなかった。


 正直もう一度できないのは痛手だけど、少なからず情報は得られた。乃愛ちゃんがギャルゲーから出てきたのは突然起こった事ではなく、どこかの誰かがそうなると分かった上でゲームを作ったことが、俺のPHZ4.5はネットつないでないし確実そうだろ。


 さてさて、もう一度同じルートが出来ないんじゃしょうがないしゲーム閉じるか……いや、待てよ……おそらく裏面の内容を見る限りヒロインは三人いるってことは他のルートもあると仮定できる、他のルートから何か情報を得られるかもしれないし最初からやってみるか。


 翼は他のルートもあるだろうと仮定して考え、最初からタイトルなしのギャルゲーを始めた。


 翼の仮定は的中し、別のルートに行くための選択肢が出てきた。


 木花咲那、鮎川愛海。なんだこの選択肢乃愛ちゃんの時には無かった、でもこれで他のルートにいけそうだ。どっちか選んだほうのルートになる仕組みか、さてどちらにするか。


 翼は少し考え、鮎川愛海を選択した。


 ここから別ルートだ、何か情報が得られるといいが。


 鮎川愛海ルートに入ってから2時間が経過し、翼は鮎川愛海のノーマルエンドを見ていた。


 2時間ぐらいか、乃愛ちゃんの時と同じだな。それにしても情報何も得られなかった、ゲームの中にはないのか。


 エンディングが終わり、タイトル画面のメニュー欄に戻ると乃愛の時と同様に鮎川愛海のキャラ絵が追加された。


 やっぱクリアすると追加される仕組みか、今のとこノーマルエンドといい、キャラ絵追加といい乃愛ちゃんの時同じなのよな、そうなるともう一度始めたら何か起こるかもしれない、また出て来きたらきたで困るけど、母さんと乃愛ちゃんなら大丈夫だろうし確実に起こると決まってるわけじゃないから起こるかどうかも分からない事を考えて諦めるより、もう一度始めたらどうなるかの情報を得られるほうが断然でかい。


 翼はもう一度始めた場合の情報を得るために再びゲームをプレイし始めた。


 ゲームを始めると前回同様ゲーム画面が光りだした。


 ……!! このパターンは!?


 一番星ぐらいだった光はさらに強さを増していく。


 来るのか!! 来るのか!!


 強さを増していた光は、突如として収まりゲーム画面は最初のメニュー欄に戻った。


 ……!? お、収まったぞ一体何が起こってるんだ!?


 何が起きたかよく分からず驚愕した翼だったが、昨日の事があって耐性がついたのかすぐ落ち着いた。


 正直何が起こったか分からないけど、情報は得られた。ゲームから出てくるには何かしらトリガー的なのがあってそれが達成しないと出てこないということか、今回情報得られないかと思っていたけど得られて良かった。


 翼が少なからず情報が得られ少し歓喜していると、下から乙姫の声が聞こえた。


「ただいま~!!」


 母さん帰ってきたみたいだ、仕事で疲れてるだろうし、音崎家特製ツナチャーハンでも作ってあげるかな。


 翼は乙姫に料理を振る舞うためPHZ4.5を襖にしまい、リビングに向かった。


 リビングに降りると、丁度自室で着替え終えた乙姫が部屋から出てきた。


「母さん、おかえり仕事おつかれ。今から音崎家特製ツナチャーハン作るから待ってて」


「つーちゃん、ただいま。つーちゃんの料理美味しいから楽しみに待ってるねっ!!」


 乙姫は嬉しそうな顔でそう言った。


 翼は手際よく準備をして、料理は15分ほどで完成した。


「はい、召し上がれ」


 翼は乙姫座るテーブルにツナチャーハンを置いた。


「いただきますっ!!」


 乙姫は元気よく言い、スプーンで掬い口に運んだ。


「どう?」


「うん!! すごくおいしいっ!!


 乙姫は満面の笑みでそう言った。


「良かった、久々だったから味付け怪しかったけど」


「全然ブランクを感じさせないくらいおいしいよ」


「じゃあ、俺は洗い物するからゆっくり食べてね」


 翼は乙姫にそう言い、洗い物を始めた。


 やばい聞くタイミングが、早く聞かないと乃愛ちゃんが下りてきちゃうかもしれないし洗い物終わったら聞かんと。


 翼は洗い物を5分ほどで終わらし、乙姫に声をかけた。


「母さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。昼間昨日の乃愛ちゃんとの会話聞いてたって言っていたけどどこから聞いてたの?」


「えっとね~、乃愛ちゃんが名前言ってたとこからだよ」


 良かった、ゲームから出てきたとかは聞かれてないみたいだ。


「そうなんだ、乃愛ちゃんこれからも大変だと思うから二人で支えていこうね」


「うん、そうだね!! 頑張って支えていこうねっ!!」


「じゃあ、俺は疲れたからお風呂入って寝るね、おやすみ」


「おやすみ、つーちゃん。お休みのキスは?」


「そんな事しないわ!! おやすみ!!」


 改めて乃愛ちゃんを支えていこうと決心した翼であった。

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