第二章 ゲームのヒロインと同棲生活!? その3
「「ただいまー!!」」
翼の友達を撒き家に着いた翼と乃愛は、ショッピングモールで買った服などを乃愛の部屋に置き、はとりの店員が来るまで30分ほど時間があったためリビングでゆっくりしていた。
「疲れたね~」
「そうだね、翼くん」
「乃愛ちゃん、今日知らない場所で買い物してみてどうだった?」
「実は家を出る時すっごく不安だった、これから私が全く知らない場所に出かけるのかって、でも翼くんと一緒だったからかなその不安もすぐ無くなって楽しく買い物できたんだ」
「それは良かった。正直俺も出る前少し不安だった、乃愛ちゃんの事支えられるだろうかって、でも今の感想を聞いて上手く支えられていたみたいで安心したよ」
「そうだったんだ、翼くん全く不安とか無いのかなって思ってた」
「そんなわけないじゃん、記憶喪失の女の子と出かけるとか経験ないし不安もあるよ~」
「でも今回乗り越えられたから、これから先翼くんと一緒ならどんな事でも乗り越えられる気がする」
また乃愛ちゃんはそうゆう事を平然と言うんだから、こっちは限界化しないよう必至なんが
「そ、そうだね」
翼は限界化しかけつつも、なんとか抑え返事をした。
「なーちゃん、つーちゃん、買い物お疲れ様」
突然リビングにあるソファーから乙姫が現れた。
翼と乃愛は乙姫の突然の登場に驚愕した。
「か、母さん!? どうしここに仕事は?」
「息子と娘が心配だって言って15分だけ帰らせてもらったの」
「そんな心配しなくても大丈夫なのに、母さんどんなけ心配症なのさ」
「だって~、なーちゃんの記憶喪失の事もあるし、乙姫つーちゃんとなーちゃんが心配でしょうがなかったの、でもさっきの話を聞くかぎり上手く乗り越えられたみたいで母さん安心」
ほんと母さんは昔から心配症なんだよな。ん? なーちゃんの記憶喪失の事もあるし? まさか知ってた? いや、ソファーからさっきの会話聞いていたからそれでか? いやあるしって言い方をするって事は、朝から知っていたと考えると昨日の二階での乃愛ちゃんとの会話聞こえてたのか。
「母さん、なーちゃんの記憶喪失知ってたんだね」
「乙姫、実は昨日二階でのつーちゃんとなーちゃんの会話聞こえてたの。なんか事情があって言わないと思って昨日も朝も言わなかったんだけど、今言っちゃった」
「ごめん本当の事言えなくて、言ったら乃愛ちゃんの事受け入れられないかなと思って」
「乙姫はつーちゃんの母親よ? 困ってる女の子が助けるのは当たり前なの、だからこういう事隠さないでね」
「うん、気を付けるよ母さん」
「なーちゃんも隠し事とかしないで何でも言ってね、乙姫にとって娘同然なんだから」
「はい!! 乙姫さん!!」
翼と乃愛は乙姫の噓偽りない発言に感動した。
「乙姫、そろそろお仕事に戻らなきゃいけないから行って来るね、帰りは8時頃になっちゃうから冷蔵庫に入れてある夕ご飯温めて食べてねっ!」
「分かったよ、母さん」
「わかりました!! 乙姫さん」
乙姫は翼と乃愛にそう伝え足早に仕事場へと戻った。
ピンポーン!!
乙姫が玄関を出てから10分ほどが経ち、玄関のチャイムが鳴った。
お、来たかな。丁度時間ピッタリだ。
「はとりの者ですが」
「はーい、今開けます!!」
翼が玄関を開けると、玄関の前にはとりの制服を着たガチムチの男と爽やかな青年が立っていた。
「今日はよろしくお願いします」
「はい、お任せください。お会計の際、配置してほしい部屋、その部屋の間取り、どのように配置したいか等はご記入頂いておりますので、早速作業に取り掛からせて頂きます。30分ほどで終わりますので待ってて下さいませ」
ガチムチの男は翼にそう言い爽やかな青年と共にそそくさと作業を始めた。
二人が作業を始めてから30分ほどが経ち、作業が終了したのかガチムチの男と爽やかな青年が翼と乃愛のいるリビングに入ってきた。
「作業が終わりました」
「ありがとうございました!!」
「このたびははとりにて商品を購入して頂きありがとうございます、はとりではこのサービスを利用して頂いた方にプレゼントをお渡ししておりましてどうぞお受け取り下さい」
ガチムチの男がそう言うと、隣にいた爽やかな青年が翼にオシャレな袋を渡した。
「では私達は次の仕事がありますので失礼致します」
「「ありがとうございました」」
翼と乃愛は二人に向かいお辞儀をした。
はとり店員の二人が出た後、翼と乃愛は先程貰ったプレゼントが気になり開けてみる事にした。
「中身なんだろうね」
「ね」
オシャレな袋を覗くと、中にはリングケースと手紙が添えられていた。
中から手紙を取り出すと、表面に音崎翼、風鈴乃愛様と書かれていた。
「手紙の宛名に音崎翼、風鈴乃愛様って書いてある、開けて中身読むよ」
「うん」
翼は手紙を読み始めた。
音崎翼、風鈴乃愛様
このプレゼントをお渡しする際、このサービスを利用して下さった方にプレゼントをお渡ししてるといいましたがあれは噓です。
私はお二人がはとりで幸せそうに仲睦まじく買い物している様子を拝見して、とても幸せな気持ちになりました。なので何か送りできないかと考え、そこでお二人は結婚されてるのではと思い指輪を送らせて頂きました。
お二人ならいつまでも仲良くいられると思います、どうかお幸せに。
読み終わると、翼と乃愛は胸が熱くなった。
あのガチムチ男なんていい人なんだ、ああいう男尊敬するぜ。
「ねぇ翼くん、指輪開けてみようよ」
「うん、開けてみよう」
リングケースを開けると、そこにはハート型の石が飾られた指輪が入っていた。
「真ん中のハート可愛い指輪だね、翼くん」
「確かに可愛らしいね」
「私この指輪つけてみたい!! 翼くん恋人役お願いできない?」
「うん!! 任せて」
翼は手にリングケースを持ち、片膝をついて乃愛と向き合った。
フリとはいえ片膝をつくだけで凄い緊張感だ、みんなこれを乗り越えてプロポーズしているというのか。
「二人ならどんな事でも乗り越えていける、僕と結婚して下さい!!!」
「~~~~!! ……はいっ よろこんで」
翼は乃愛の薬指に指輪をはめた。
やばい!! やばい!! これは恥ずかしすぎる!! 穴があったら入りたい。
翼は手で顔を隠し、その場にしゃがみこんだ。
乃愛は恥ずかしすぎたのか耳まで赤くして後ろを向いてしゃがみこんでいた。
「わ、わ、私、よ、用事思い出したから部屋戻るね」
「お、お、お、俺も」
翼と乃愛はあまりの恥ずかしに耐えられず部屋へと戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一週間前は全く進んでなかった小説ですが、なんとかこの一週間で更新できるところまで完成したことに安堵しています。
次回はまた半月更新ですが、完成した際は出しますのでよろしくお願いいたします。
評価ポイントやブックマーク、感想等出来たらしてくださると助かります。