第一章 ギャルゲーから美少女が出てくるわけがない!!
俺は買ったソフトを持って帰路についていた。するといつも通っている道なのに見かけない神社があることに気が付いた。
「あれ、行きに神社なんてあったっけ?……。そういえば今年お参りしてなかったし、するか」
俺はそんな独り言を言いながら、賽銭箱のとこまで移動した。
賽銭箱の前に着くと、財布から100円をだし、賽銭箱に投げ入れ、鈴を鳴らした。
そして、俺はこう祈った。
「日常がギャルゲーみたいになりますように」と
今神社が光ったような。日の光が反射してだけか。
帰路に戻ろうとした時、なんか神社が光りだした様な気がしたが、後ろを振り返ったが特になにもなかった。
家の玄関前に着くと、俺唯一の家族の母さん事、音崎乙姫が玄関前に座っていた。
コットンキャンディピンクのようなツインテールの髪に幼児な体系、まるでギャルゲーから出てきたような容姿なため、玄関前で座っている姿を見ると、不覚ながらも可愛いと凄く思ってしまう。
「母さん、どうして玄関の前で座っているんだよー」
翼は呆れた口調で言った。
「お母さんね~。鍵を忘れちゃって、中に入れなくて困っていたから。だからつーちゃんが丁度帰って来てくれて、助かっちゃった」
乙姫はまるで神でも崇めているかのような顔で言った。
「ほんと母さんはドジだなー。俺が居ない時は気を付けてよ、心配だからさ」
翼はそう言いながら、乙姫の頭をポンポンって叩いた。
やべっ、容姿が可愛すぎて思わずやってしまった。これはめんどくさくなるぞ。
「つーちゃん、ほんと可愛い。結婚して~!」
「母親でしょ!! 何言ってんだ!!」
「母親なんて関係ないもん!! 大好きだから結婚したいの~!!」
乙姫はぷくっと頬を膨らませ少し拗ねた様子で言った。
「はいはい、そうですね。俺は自分の部屋でゲームやってるから、夜ご飯になったら呼んでくれ」
翼はぶつぶつなんか言っている乙姫を無視しながら部屋へ向かった。
自室に着き、愛するギャルゲーをプレイする為に購入した俺の相棒PHZ4.5の電源をつけた。
「これ起動するのか? PHZ4.5壊れたりしないよな」
翼は心配になったが、好奇心が勝ち、翼は買ったソフトをゲーム機の中にセットした。
翼の不安は的中せずPHZ4.5に入れたゲームは問題なく起動した。
「あれ?ゲームは起動したけどタイトルも見えないし、キャラクターの絵もない、ホントにこれ大丈夫か? ま、ゲームは起動したしやってみるか」
……ゲームをプレイし始めてから2時間くらい経った。
俺が買ったゲームは基本的なギャルゲーとおなじよう仕様だったが何度やってもメインヒロインのルートがクリアできず悩んでいた。
見たことないギャルゲーとはいえ、多くのギャルゲーを突破した俺が攻略できないとは。同じ事を繰り返しても埒が明かないし、リセットして他のキャラ攻略するか。
翼がゲ ームのタイトルコール画面に戻るとメインヒロインのキャラ絵が追加されていた。
あれ、なんかメインヒロインのキャラ絵が追加されてる。なるほど、攻略するとキャラ絵が追加される仕組みか。
よし、取り敢えずクリア出来なくても他の子も攻略してタイトル画面の絵埋めるか。
取り敢えず目標を決めた翼はゲームのタイトル画面を進めた。
すると突如ゲーム画面が光りだした。
ん?
んっ!?
ゲーム画面が光りだしたぞ!?
今までギャルゲーやってきてこんな事初めてだ!! いったい何が起こっている!?
一番星を少し強めたぐらいだった光はさらに強さを増し、日が差す程の光になった。
どんどん光強くなっていく、これからどうなるとゆうんだ。
脳の処理が追いつかない翼にさらに追い打ちをかけるかのように、ゲームの中に組み込まれたものとは違い、まるでどこかに繋がっているような風の流れを感じた。
光ってる画面から風の流れ!?
風を感じたのも束の間、光はもっと強くなり、懐中電灯を直接向けられたぐらいの明るさになった。
ま、眩し!!
翼はあまりの眩しさに手で目を隠した。
手で目を隠していると急に光がおさまりだした為、手をどけると目の前に美少女が立っていた。
えぇ!? ゲ、ゲームの画面から美少女出てきたとゆうのか!!
なんだこれ!! ゲーム画面から美少女が出てくる!! そんな事があるというのか!?
とにかくだ。一旦落ち着こう、落ち着くんだ。
翼は起こってることは理解出来てはいないが、自分に言い聞かしたことで平静を取り戻した。
落ち着いたとこだし、とりあえず声をかけてみるか。
「あのー。だ、だ、大丈夫?」
翼は緊張した面持ちで目の前の彼女に声をかけた。
「・・・・・・」
あれ?まさか無視されてる?
いやいやまさかね。
向こうも気が動転しているんだ、もう一度声をかければきっと。
「そこの君、大丈夫?」
「・・・・・・」
嘘だ、嘘だろ。ほんとに無視されているとゆうのか。
いや、まだだ。流石に無視されてるとはいえ動きが全くないのはおかしい、気を失ってるその可能性だってあるかもしれない!!
翼は2回も無視された現実を受け入れられず、気絶説を信じて確認するため彼女に近づいた。
近づいて彼女の様子を確認すると翼の予想通り気絶していた。
やっぱりな、やっぱり気絶してたんだ!!
よかったぜ、まじで。無視されてたら遺書書いて全力で死ぬとこだった。
翼は無視されてるんではなく、気絶していた事に安堵した。
とりあえず立ったまま気絶してるから、倒れても危ないしベットに寝かせるか。
翼は気絶している彼女を優しく抱え込んで、ベットに寝かせた。
それにしてもゲームから女の子が出てくるとは、ありえんことだが事実なんだよな。それに当事者じゃなかったとして、友達からそんなありえない話を聞いても信じちゃうくらい容姿がかわいんだよね。
マンダリンオレンジ色の髪はさわらなくてもわかるほどさらさらで、目鼻立ちが良く可愛くて、肌は荒れてるとこなどどこにもなくきれいな白い肌。さらに胸は大きすぎず小さくもなくてバランスが良く、華奢な体型ではあるもののプロポーションがよいってゆうね。
世の中美少女って言われても1つや2つ容姿に欠点があるものだが、彼女は容姿でこれといった欠点がない、華奢な体型は欠点じゃないかと言う人もいるだろうが、むしろそれは萌えポイントあげているからね。
そりゃ当事者じゃなくてもギャルゲーから出てきたと言われても信じてしまうわ。
ま、とにかく彼女が起きるまでは話が進まんしな起きるの待つか。
あれから一時間がたったけど、起きないな。気絶ってこんな長いもんなのか? ゲームの中から出てきたから脳死ですとかだったら笑えないんだが、心配だから早く起きてくれよ。
一時間が経過したが、心配してる翼を尻目に彼女は寝続けていた。
ゲームの中から人が出てくるこの異常な状況など経験した事がない為、対処方法も分からずただ心配で焦燥感が増していた。
ど、ど、どうしたら、どうしたらいいんだ。
選択肢ナンバー1
起こす
いやでもな起こしたことで彼女の体がビックリして心臓麻痺を起こしたらどうするんだ。
選択肢ナンバー2
母さんに頼る
いやいやいやこれはありえんだろうが!! どうした俺。この状況どう説明するんだよ!! さすがの母さんもこれは疑うだろ、これも却下。
選択肢ナンバー3
起こす
たしかに、たしかにね。これが一番なんだけどね、起こした事でなんか起こってもどうしようもないし。
もう悩んでも埒が明かん起こすか。
翼は彼女を起こすことにし彼女の体を揺らそうと手を伸ばし始めたタイミングで彼女の目がゆっくりと開いた。
やべ、最悪なタイミングだ。まさか丁度胸に手を伸ばしてる様に見える辺りで起きるなんて、彼女からしたら知らない男が胸に向かって手を伸ばして来てるわけだし確実にひっぱたかれるな、しゃーないなこれはくらうしかない。
「キャーー!! 変態!!」
翼は案の定彼女からのビンタをおもいっきりくらった。
「ぐはっ!!」
なんだこの威力人間のビンタじゃないぞ、ギャルゲーの美少女は力が強いのか? それよりなんだろうか美少女に殴られたって考えると少し興奮する気がするような……。
翼は彼女のビンタをくらい意識を飛ばしたのだった。
2分後~
翼は二分ほどで意識を取り戻した。
あれ、なんで俺は横向きに? 吹っ飛んで仰向けで倒れたはずだけど、それに今まで味わったことのない感触を感じる。横向きで頭に味わったことのない感触これはあの伝説の膝枕だ。
「だ、大丈夫? 私結構思いっきりビンタしちゃったから心配で」
彼女は心配した顔で話しかけてきた。
「少し気絶しちゃったけど、大丈夫。そっちこそ変態かもしれない俺を膝枕なんかして大丈夫?」
「うん、大丈夫!! 私前にもあなたとあったような気がしていてあなたはそんな事をする人じゃないってそう思ったのです」
彼女は笑顔でそう言った。
なんだこの笑顔は天使という言葉以外表す事ができないほどに可愛すぎる。
「それなら良かったけど」
この部屋暖房でもかかってんのか、あっつ、あつすぎる。
てか膝枕すっごい恥ずかしくなってきたな、このまま続けたら頭がオーバーヒートするわ。
翼は膝枕が恥ずかしくなり、ゆっくりと起き上がり彼女の前に移動した。
美少女の笑顔やばいわ、まじ。あまりの可愛さで気絶するとこだった、なんとか耐えれてよかったぜ。
よし、そろそろ本題に入るか。身体は異常なさそうだけど、ギャルゲー補正とかいうわけのわからん効果があるとするなら、ゲームの中から出てくるさいの衝撃からの気絶の流れなら記憶に何らかの障害が起きているはず。
ただギャルゲーからとかなんとかいうと混乱するかもしれんし、ここは噓で進めていこう。
「俺さ、外で君が倒れてるとこ見つけて、気絶してるしほっとくわけにもいかず、介抱する為に自分の部屋のベットに寝かせたんだけど、名前とか個人を特定する物君持ってなくてさ、とりあえず名前聞いてもいい?」
「うん!! 私の名前は風鈴乃愛だよ!! あなたは?」
乃愛は笑顔でそう言った。
「俺は音崎 翼だ!! よろしくな!!」
「私って外で気絶してたんだ」
「そうなんだよね、気絶する前何してたか思い出せる?」
「……うーん。あ、あれ、思い出せない。私気絶する前何してたんだろ」
「どうして、どうして思い出せないんだろう。どうして!!」
乃愛は気絶する前の事を思い出せないためかパニックになり始めていた。
翼はパニックになり始めた乃愛ちゃんの両肩を掴み目の前でそう言った。
「今は落ち着いて!! 確かに思い出せない事は不安かもしれないけど、これからゆっくり思い出してこう」
「わ、わ、私思い出さないと家にも帰れないんだよ? ゆっくりじゃ遅いよ」
乃愛の頬に涙が零れ落ちた。
どうしたら、どうしたらいいんだ。
ギャルゲーの事を話す? ダメだダメだ、そんな事したら更に混乱してしまう。
だがこのまま進んでいいのだろうか、どんなに探したって乃愛ちゃんの家族はこの世にはいないのに。
いや、いるいないなんてどうでもいい!! 今目の前でパニックになりはじめ不安で苦しんでる女の子がいるんだ!! 後のことなんか知るか、今は苦しんでる女の子を救うのが先だ!!
「確かに不安いっぱいだと思うけど、焦るとさらに思い出せない。だから今は落ち着いて俺の家で居候として日常生活を送ってみようよ、そうしたら思い出すかもしれないからさ」
翼はパニックになってる乃愛を宥める様に落ち着いた声音で言った。
「……ヒクッ……ヒクッ……」
「…………」
「乃愛ちゃん。落ち着いた?」
「うん」
乃愛は翼の慰めで落ち着きを取り戻した。
「翼くんの言う通りかも。私焦りすぎちゃってた。翼君の家に居候しながら日常生活を送ってゆっくり思い出す事にするね」
無事落ち着かせる事ができたぜ。この選択がこのあとどうなるかわからないけど、救う事はできたしよしとするか。言ってること大袈裟すぎたかもしれないけどね。
「つーちゃん、ご飯出来たよーー」
丁度いいタイミングでリビングで夕食を作ってた乙姫から呼び出しがかかった。
「お、母さんが呼んでる。乃愛ちゃん下に行こうか」
「私記憶喪失だし迷惑かけちゃうけど、翼君のお母さん受け入れてくれるの?」
「家の母さん優しいからさ、きっと受け入れてくれるよ。もし受け入れてくれない場合は俺が説得するから大丈夫!!」
「うん………」
少々不安が残る乃愛だったが、翼と共にリビングに向かった。
リビングに入るとカレーのいい匂いが広がっていた。
乙姫は台所で洗い物をしている最中だったが、翼と乃愛は席についた。
二人が座ったタイミングで乙姫も洗い物を終え、リビングにあるテーブルの方を向くと驚愕した。
「つ、つ、つ、つーくん!?まさか誘拐してくるほど女の子に飢えているなんて!! 言ってくれれば妹属性だろうが幼馴染属性だろうがヤンデレ、お姉ちゃん、従妹、ツンデレどんな属性でもこなしてつーくんを満足させたあげるのに!!」
「実親にそんなこと頼めないよ!! それに誘拐してきた訳じゃないわ!! 友達の風鈴乃愛ちゃん。親御さんの転勤で引っ越ししをしなきゃいけなくなって、でも乃愛ちゃんはこの街から離れたくないらしくて、親御さんと意見が食い違い家出している所たまたま会って、俺困っている女の子をほっとけなくい性格だからどうにかしたあげたくて居候を提案したんだ。乃愛ちゃんの親御さんもそれならって許可してくれて今に至るわけで、誘拐じゃなくて居候を連れてきたんだ、急に言ってごめんなかなか言い出せなくて」
どうだ、これでいけてくれ。色々詳細を聞かれたら噓ってバレる、どうにかいってくれ。
「さすが!! つーくんね!! お母さんの教えをしっかり守ってて乙姫はうれしい」
「じゃあ」
「そんなのいいに決まってるよ!! 乙姫は娘も欲しかったから大歓迎、乃愛ちゃんこれからよろしくねっ!!」
「不束者ですが、よろしくお願いします!!」
とりあえずひと段落だな。乃愛ちゃんには友達の様に振る舞ってほしいってお願いしてるし、これで色々調べる事が出来そう。
少し不安で顔が強張っていた乃愛だったが、認められた事で安心したのか柔らかな表情に変わっていた。
「話も終わったし夕飯食べよっか!! つーくん、なーちゃん。今日は乙姫特性愛情マシマシカレーと元気満点シーザーサラダ!!残さず食べてねっ!!」
「はい!!」
二人はそう返事をした。
「乃愛ちゃん、母さんのカレーは高級ホテルに匹敵するほど絶品だから」
「そうなんだ!!それは楽しみ!!」
翼と乃愛と乙姫は40分ほどで夕食を終え、乙姫の妨害を受けつつも翼と乃愛は翼の部屋に戻り寛いでいた。
「乃愛ちゃん、記憶も戻らないままだけどうまくやっていけそう?」
翼は優し気な口調で聞いた。
「うん!! うまくやっていけそうだよ!! 記憶も戻らないし不安もいっぱいあるけど、翼くんのお母さんとても優しくて話しやすかったよ、それに私翼君が傍にいてくれたらどんな事が起こっても大丈夫な気がするから!!」
突然のキュンな一言にクリティカルヒットを受け思わず限界化しかけているとと下から乙姫が乃愛を呼ぶ声が聞こえた。
「なーちゃん、お風呂沸いたから一緒にはいろ~。一緒に洗いっこしよっ!!」
「はい!! 今行きまーす!! じゃあ、私乙姫さんが呼んでるから行くね」
乃愛はそう言うと、下の階の乙姫のとこへ向かった。
母さんが呼んでくれてよかったぜ、あまりに突然のキュンな言葉に限界化しかけたぜ、乃愛ちゃんはオタクにとって凶器じゃん。
日常であんな事言われ続けたらまじ心臓がいくつあっても足りないわ、乃愛ちゃんの事を救う前に死にそうで怖いわ。
これから先、生きていけるのか不安になりつつも乃愛ちゃんの情報収集を始める翼であった。