近くて遠い君。
百合書くの初めてなので上手くいったか不安ですが、読んでくれると嬉しいです!!
昼下がり、雨の中たった二人で雨宿りをしている。バケツをひっくりかえしたように降る雨は衰えることを知らないのかだんだん酷くなっていった。移動しようにも冷えきり疲れきった体を動かし、この山から降りることは不可能だろう。雨がやみ、山をくだれるようになるまで待つのが懸命だ。
(とは言っても、、このままだと夜になっちゃう。やっぱりビニール袋に入れておくべきだったかな、、)
雨がこんなに酷くなるとは思ってもおらず、持ってきた荷物は、全て濡れてしまっていた。火をつけるためのマッチも濡れてしまっては、使えない。
(とにかく、、温まらないと、体力がなくなっちゃう)
荷物の中にはカイロがあったはず。
カバンの中を探すとカイロがみっつあった。ひとつを自分で使い、あとのふたつは、、
「ねぇ、これ使って?」
「ありがとー、、うーーさむいねぇ、あおちゃん、、こんなに雨降るとは思わなかったなぁ」
「、、うん。荷物濡れちゃったし、とにかく温まろ?少しやんだら山下ろうよ」
「わかったぁー」
最悪だ。よりによって山の頂上で雨が降り始めるなんて、、。私はカイロをぎゅっと握りしめる。
ちらっと隣を見ると体育座りでじっとこっちを見つめているのが見えた。
「、、、りの?」
「っ、、、雨、強くなってきたねぇ!」
りのはパッと目を逸らす
「ぅあ、、そうだね、早くやんでほしい、かな」
「、でも、、まだ降っててもいい、、かも?」
「りの?」
「ううん!!なんでもない!なんでもない、、ただ、、ちょっと楽しいかもって思って」
「アハハっ、何それ!まぁ、確かに、非日常的で楽しいかもだけど」
「、、、」
りのはプクッとほっぺたを膨らませてじっとこちらを見つめてくる。
「、、、まぁ、そういうとこがあおちゃんらしくて好きなんだけど、、」
「ありがとねー、私もりののこと、好きだよー」
「、、そういうんじゃないもん、、あおちゃん、、ほんとにそういうとこだよ?」
「、、、そういうとこって、どこが??」
りのは私にとって大切な´´友達´´それでいい
だから私は気付かないふりをして空を指さす
「あっ!!ほらりの!雨やんだよ??」
「、、、ほんとだね」
「虹もかかってるし!!良かったね!帰れるよ」
「、、うん!!そうだねぇー、、帰ろっ!」
こうやって1番近くにいられるから、私はこのままの距離で、、今のままで、、十分だ。
雨が止んだ空には、今にも雨が降り出しそうな雲と、その隙間から差し込んだ光でできた大きな虹がかかっていた。