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天使の国のシャイニー  作者: 悠月かな(ゆづきかな)
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決断

翌朝、シャイニーがフレームと共に食堂に行くと、子供達が惑星について真剣に話していた。


「あ!シャイニーとフレームだ。こっちこっち!」


2人の姿を目ざとく見つけたストラが手招きをし、自分の隣に座るように促した。


「ストラ、マトラ、おはよう。」


2人は向かい合って座り、マトラはデザートのプリンを幸せそうに食べているところだった。


「お!マトラ、そのプリン美味そうだな!」


フレームは、マトラが食べている紫色とピンク色の2層のプリンに目が釘付けになった。


「凄く美味しいわよ。ベリーのプリンですって。」

「ベリーのプリン?なんだそれ?」

「紫色のパルゼベリーとピンク色のラピーナベリーで作ったプリンなのよ。甘さと爽やかな酸味のバランスが素晴らしいわ!やっぱりファンクさんの料理は最高ね。」


マトラは、ウットリとしながらスプーンを口に運んだ。


「もうプリンの話しは良いから座って!」


ストラは、フレームの腕を引っ張り強引に座らせた。

シャイニーは、ウットリしているマトラの隣に座った。


「いって〜な!何だよストラ。」


フレームは、掴まれた腕を摩りながらストラを睨んだ。


「ごめんよフレーム。待ちきれなくてさ。シャイニーもフレームも惑星について調べてみた?」

「僕は、まだ1つしか調べてないよ。」

「俺もシャイニーと同じ。1つだけ。」

「そっか〜僕は一通り調べたんだけど…良く分からなくてさ…」

「ストラは、ただ本をパラパラめくっただけじゃない。あれは調べたうちに入らないわよ。」


マトラは、ベリーのプリンを食べ終えるとマトラを見た。


「だってさ〜僕、本を読むのが苦手なんだよね。」


ストラは軽く溜め息を吐いている。

 

「そんな事を言っていたら、いつまでも決められないわよ。でも、このプリン本当に美味しいわ〜おかわりしちゃお!」


マトラの言葉に答えるかのように、ベリーのプリンが目の前に突然ポンッと現れた。

そして、シャイニーとフレームの前にも朝食が乗ったプレートが現れた。


「おい、マトラ。朝からそんなに食べたら太るぞ。」


2個目のプリンに手を付け始めたマトラを見て、フレームが呆れたように言った。


「大丈夫よ。私はいくら食べても太らないの!」


マトラは、フレームの忠告を全く気にする様子もなく、2個目のプリンもペロリと平らげた。


「う〜ん…もう1ついけそう…」

「おい!マトラ、いい加減にしろって!」


フレームは、マトラの手からスプーンを取り上げた。

そうでもしないと、永遠に食べ続けそうな勢いであった。


「マトラは、惑星について調べたの?」


シャイニーは、フレームにあかんべえをしているマトラに聞いた。


「え!私?もちろん調べたわよ。まだ途中だけどね。だいたい行きたい惑星も決まったわ。」

「え!もう決めたの?早いね〜」

「だって、そんなに悩んでも仕方ないじゃない。私、直感でどの惑星にするかピンときたの。」

「なるほどな。マトラは適当に選んだんだ。」


フレームがからかうように言うと、ムッとしながらマトラが答えた。


「失礼ね!私は直感に自信があるの!だから、最初にピンときた惑星で間違いないと思ったの。昨日、その惑星について調べた時に確信したわ。」

「あ〜!だから、プリン2個も食べる余裕があるんだな。ストラを見てみろよ。朝食ほとんど食べてないぜ。」


フレームが言う通り、ストラは朝食に手を付けていなかった。


「ストラは考え過ぎなのよ。それに、ちゃんと調べてないんだもの。一度に全部の惑星を調べようとするからよ。まずは、気になる惑星を1つに絞って調べて、その後に他の惑星を調べれば良いのに。要領が悪いのよ。」

「そっか…気になる惑星を絞れば良いんだ!気が付かなかったよ。マトラ、ありがとう。」

「はいはい。いつもの事だから気にしてないわよ。朝食残したらファンクさんに悪いから、ちゃんと食べるのよ。私は部屋に戻って、もう一度惑星について調べるわ。」


マトラは、そう言い残しスッと姿を消した。


「マトラ、言うだけ言って戻っちゃったね。」

「シャイニー、気にしなくて良いよ。いつもの事だから。僕は要領が悪いから仕方ないんだ。マトラは、そんな僕を怒る事も多いけど、今みたいにアドバイスしてくれる。それが的確だから、いつも助けられてるよ。」

「そっか〜2人は双子だけど、性格は全然違うよね。」

「うん。全く違うよ。同じ卵から生まれたけどね。僕達は1つの卵の中で抱き合いながら大きくなっていったんだ。卵の中にいる時から、マトラはあんな感じだったよ。」

「ふ〜ん…感情がコロコロ変わる変な奴だと思ってだけど、優しいところもあるんだな…」


呟いたフレームの顔は、とても優しく心なしか頬が赤く染まっていた。


「あれ?フレーム…顔赤くない?熱でもあるの?」


シャイニーが、額に手を当てようと腕を伸ばすと、フレームはサッと身をかわし、慌てて笑顔で答えた。


「いや、大丈夫だ。何ともない。」

「フレーム…笑顔がひきつってるよ…」

「え!あ…そうか?シャイニーの気のせいだよ。アハハ…ハ…」

「ふ〜ん…」


シャイニーは怪訝そうにフレームの顔を覗き込んだ時、ストラがガツガツと朝食を掻き込みガタンと立ち上がった。


「さて!僕ももう一度惑星について調べてみるよ。シャイニー、フレームまたね。」


ストラもスッと姿を消し部屋へと戻って行った。


「あ!ストラも言うだけ言って戻っちゃった…」

「やっぱり双子だな。似てないようで似てるんだよ。」

「そうだよね。なんだかんだ言っても仲良いよ。」

「だな。まぁ…俺達も仲が良いけどな。」


フレームは、照れ臭そうにポリポリと頭を掻きながら言った。


「うん!僕達も仲が良いよね。」


シャイニーは嬉しくなり笑顔で答えた。


「えへへ。よし!シャイニー、俺達も惑星を調べに図書室に行くぞ。」


フレームは、シャイニーの肩に腕を回したかと思うと、髪をクシャクシャと掻き乱した。


「わ!フレーム何するの!」

「気にするなって。よし!行くぞ。」


フレームはシャイニーを引きずりながら食堂の扉から出て行った。


「フレーム!グシャグシャにした髪直してよ。フルルもビックリしてるよ。」

「アハハ!気にしない気にしない。」

「気にするよ〜」


(は〜シャイニーの気が逸れて良かった。いや〜焦った焦った。ん?俺…何焦ってるんだ…?それに胸の中がジンワリ温かい…何だこれ?)


フレームは、胸の中に灯った小さなピンク色の炎が何を表しているのか分からなかった。


(まぁ…いいや。気にしない気にしない。)


フレームは自分の心にソッと蓋をし、シャイニーと共に図書室に向かって行った。



シャイニーとフレームは図書室に着くと、それぞれ惑星について書かれている本を探し始めた。


「う〜ん…どうしようかな…どの本にしよう…」


シャイニーが悩んでいると、クレイリーがやって来て空中で停止したまま羽ばたいている。


「あ!クレイリー、僕…どの惑星の本にするか悩んでるんだ。」

「チチッ?」


クレイリーは首を傾げ、暫く考える素振りを見せていたが、何かを思い付き頷いた。


「ピーッ!」


クレイリーは、一鳴きすると舞い上がり羽ばたきながらシャイニーを見た。


「ついて行けば良いのかな?」


シャイニーがそばに行くと、クレイリーは後ろを振り返りながら本棚に案内した。


「ピー、チチチ、ピー!」

「そっか、この本棚にある本がピッタリだって言ってるんだね?」

「ピー、チー!」


クレイリーは、何度も頷きながらシャイニーを見た。


「ありがとう、クレイリー。」


満足そうに頷いたクレイリーは、他の本棚へと向かって行った。


「え〜と…どの本が良いかな…」


シャイニーは整然と並んだ本を目で追っていったが、ある1冊の本で目を止めた。


" ミルリー星、レイニー星、リクエ星がよく分かる本"


その本を手に取りパラパラとめくってみる。


「凄く分りやすく書かれてる…この本を借りよう。あとは、ラメール星について書かれている本を探してみよう。」


すると、すぐ近くの棚に並んでいる本が目に入った。


" ラメール星の全て "


「うん!この本にしよう。」


シャイニーは2冊の本を抱え、図書室の入り口に戻りフレームを待った。


「シャイニー、待たせたな。」


暫くすると、フレームが10冊ほどの本を抱えて戻って来た。


「フレーム、そんなにたくさん読むの?」

「あぁ、全部の惑星についてもう一度調べようと思ってさ。」

「そんなに読んだら、逆に分からなくならない?」

「大丈夫だって!パパッと読んでサクッと決めるからな。さぁ、部屋に戻ってサクッと惑星を決めようぜ。」


フレームは、ニカッと笑ってシャイニーを見た。


「そんなサクッと決められるかな〜?」

「大丈夫だって!シャイニーは心配性だな。」


フレームは器用に片腕で本を抱え、もう片方の腕をシャイニーの腕に絡ませるとグイグイと引っ張った。


「さぁ!帰るぞ。」

「え!ちょっと待ってよ。フレーム!」


シャイニーはフレームに引きずられるように、部屋に戻って行った。




「さてと…」


シャイニーは部屋に戻ると、早速借りてきた2冊の本を夢中で読み始めた。


「ふぅ…」


シャイニーは、一気に2冊の本を読み終えると顔を上げた。


(惑星の事は、だいたい分かったかな…ラメール星の文明の発達にも興味はあるけど…)


「やっぱり、僕は地球に行こう!」


改めて言葉にすると、部屋の隅で泣いていた少女、琴の姿が頭に浮かんだ。


(できるなら、琴ちゃんにも会いに行きたい…僕に何かできる事はないか探してみよう!)


「フルル!僕…地球に行くんだ。フルルも一緒に来る?」


シャイニーの言葉を聞き、遊んでいたフルルが飛んで来た。

そして、一瞬考える素振りを見せたが、すぐに体を何度も前に倒し頷いた。


「うん!フルルも僕と一緒に地球に行こう!」


シャイニーがニッコリと笑うと、フルルは嬉しそうに部屋の中をヒュンヒュンと飛び回るのだった。



お読み下さりありがとうございます。


ご感想やレビューなど頂けると嬉しいです。


長編小説となりますが、よろしくお願いします。


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