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天使の国のシャイニー  作者: 悠月かな(ゆづきかな)
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地球とシャイニーの疑問

シャイニーとフレームが図書室に向かった頃、ラフィはサビィの部屋にいた。


「それで…問題はフレームの事か…」

「そうなんだ…サビィ。フレームは危うさもあるけど、大きな可能性も秘めている。ただ…今、1人で修業に向かわせるのはどうかと思うんだ。」


サビィとラフィは、マレンジュリティーの入ったカップを手に、フレームの修業の旅について話していた。


「私もフレームの可能性を信じている。しかし、確かに1人で修業の旅に出るのは…」


サビィは、押し黙ると暫く考えていたがフッと顔を上げた。


「では、こうしよう。」


そう言うと、サビィは白く長い指で銀色に輝く美しい長い髪を1本抜くとフーッと息を吹きかけた。

すると、その髪はムクムクと動き出し少しずつ形を変え、やがて小さなサビィの姿となった。


「随分、可愛らしいサビィだね。」

「可愛らしいは余計だ。」


サビィが不愉快そうにムッとすると、ラフィはクスクス笑いながら小さなサビィを手の平に乗せ、楽しそうに眺めた。

そして、指を伸ばすと軽く突いた。


「ラフィ!私を突くのをやめろ!」


小さなサビィは、乱れた髪を直しながらラフィを軽く睨み抗議した。


「へぇ〜喋るんだね。こんなに小さくても、ちゃんとサビィなんだ。」

「ちゃんとサビィとは、どういう意味だ?」

「いや…こんなに小さくても仕草や話し方はサビィなんだな…と思って。」


ラフィはクスクス笑いながら、小さなサビィをソッとテーブルに置いた。


「それで、この小さいけどちゃんとサビィをどうするんだい?」

「ラフィ、その呼び方をやめてくれないか。この私の分身にフレームを見守らせる。分身が見たものは、全て私の頭にビジョンとして浮かぶ。何か異変があった時は、すぐに対処できるだろう。」

「なるほどね。フレームには気付かれない?」

「その心配はない。この分身は姿を消す事ができる。」


サビィの言葉を聞いた小さなサビィは、スッと姿を消したかと思うと、すぐに姿を現してみせた。


「へぇ〜小さくてもちゃんとサビィも凄いね。さすがサビィ!」

「ラフィ、それは褒めているのか?あまり褒められている気はしないのだが…」

「もちろん、しっかり褒めてるよ。これならフレームに気付かれず見守る事ができるね。」


ラフィは笑顔でサビィを見ていたが、突然スッと笑顔を消し真剣な表情になった。


「サビィ、もう一つ話しがあるんだ。実は…先日、シャイニーの前に"地球に続く扉" が現れた。」

「何!それは本当か?」


サビィは、身を乗り出しラフィを見つめた。


「うん。ブランカ以来の出来事だ。」

「そうか…それは、やはりシャイニーだからか…」

「僕もそう思う。"地球に続く扉" がシャイニーを選んだのかもしれない…シャイニーは、扉の先で泣いている女の子を見たんだ。」

「なるほど…地球がシャイニーを呼んでいるのか…その泣いていた女の子とどのような関係があるのか…」

「うん。ブランカの時と同じだと思う。泣いていた女の子との関連性は分からないけどね。まぁ…でも、修業先をどこの惑星に決めるかは、シャイニー次第だね。」

「そうだな…私達はシャイニーの決断を見守るしかないからな。」

「そういう事。それじゃ、僕からの報告は以上だよ。あ!それから、子供達が惑星について相談しに来るかもしれないから、その時は対応よろしくね。」

「ああ、分かった。」

「それじゃ、僕は戻るとするよ。」


ラフィは、笑顔で軽く手を振りながらスーッと姿を消した。


「ラフィ…ブランカ以来の "地球に続く扉" の出現に思うところがあるだろうに…君は、本心を語るつもりはないのだな…」


サビィは、すっかり冷めたマレンジュレテイーを飲み干すと溜め息を吐くのだった。



シャイニーとフレームが図書室に着くと、たくさんの子供達が惑星についての本を探しに来ていた。

図書室を管理している鳥、クレイリーも忙しそうにあちこち飛び回っている。


「クレイリー、忙しそうだね…」

「ああ、やっぱり考える事はみんな同じだな。」

「うん。とりあえず、クレイリーを呼んでみよう。」


2人が口笛を吹くと、体が真っ白でくちばしが金色のクレイリーが2羽飛んできた。

そして、シャイニーとフレームの手にそれぞれ止まった。


「クレイリー、地球に関する本が並んでいる棚を教えて。」


クレイリーはジッとシャイニーの言葉を聞いていたが、頷いたかと思うとフワッと舞い上がりシャイニーを見た。


「フレーム、先に調べてくるね。」


シャイニーは、クレイリーの後を追い飛び立った。


「よし!俺は、やっぱり情熱の惑星のレイニー星だな。クレイリー、レイニー星に関する本が並んでいる棚を教えてくれ。」


クレイリーが頷き舞い上がると、フレームも後を追い飛び立った。




シャイニーは、クレイリーの案内で地球に関する本が並ぶ棚を見ていた。


(わぁ〜思ったより色々あるんだな…どの本から読もう…)


シャイニーは、本を一冊取りパラパラとめくった。


(この本は、ちょっと僕には難しいな…)


その本を戻し他の本を手に取ってみる。


(これは、僕の知りたい事が書いてない…)


シャイニーは、本を取っては戻す作業を何回か繰り返していた。


(なかなか見つからないな…)


溜め息を吐きながら、また別の本を取りめくった瞬間、シャイニーの目が輝いた。


(この本、凄く綺麗だ!)


その本は、地球の姿が詳細に描かれた画集だった。

遠くから見た地球の姿だけではなく、近くに寄り陸地まで細かく描かれている絵もあった。


(一冊は、この本にしよう。)


その後、シャイニーは画集以外に2冊の本を選び図書室の入り口まで戻った。


(フレームはまだかな?)


空中に浮いている本棚を見上げていると、フレームが数冊の本を抱えて戻ってきた。


「シャイニーごめん。待ったか?」

「ううん。僕も今戻って来たところだよ。」

「そっか、それじゃ部屋に戻るか?」

「うん!」


その後、部屋に戻るとシャイニーの髪の中からフルルが飛び出し部屋の中を飛び回り始めた。


「フルル、ずっと髪の中に隠れてたもんね。僕は本を読むから遊んでてね。」


シャイニーは、早速借りてきた本をテーブル並べてみた。


" 画集 地球 "

" 地球に生息する生物 "

" 地球の人類について "


「やっぱり、まずはこの本かな。」


シャイニーが選んだ本は画集だった。

広げると、青と白のコントラストが美しい地球が大きく描かれていた。


「何度見ても綺麗だな〜」


画集のページをめくっていくと、様々な地球の姿が目に飛び込んでくる。


「この緑色の光は何だろう?」


めくる手を止めたページには、緑色の光が一部掛かり揺らめいている地球の姿が描かれていた。


「あ!ページの下に何か書いてある。え〜と、地球にオーロラが発生した様子…そっか、この光はオーロラと呼ばれてるんだ〜綺麗だな〜」


シャイニーは、地球の美しさにすっかり魅了されていた。

そして、この画集には地球の自然も描かれていた。

それは、真っ青な海や季節により色合いも様子も変わる山々であったり、雪景色や湖、たくさんの水が落下する大きな滝など、天使の国では見た事がない景色ばかりであった。


「ふぅ〜」


シャイニーは夢心地で画集を閉じ、別の本を手に取った。


「次は… " 地球に生息する生物 " にしよう。」


本をめくっていくと、小さな虫や可愛らしい小動物や大型の肉食獣や草食動物、綺麗な花々や緑豊かな森林、そして人類の事も書かれていた。


「地球には、本当にたくさんの生物がいるんだ…やっぱり、自然豊かな惑星だからなんだろうな。」


そして、シャイニーは最後に ''地球の人類について ” に手を伸ばした。


(地球の人類…この間、" 地球に続く扉 "の先で見た琴ちゃんを思い出すな…)


「地球には様々な人々が住んでいる。地域により文化や言葉の違いや肌や髪の色の違いがある…これは、ラフィ先生も言ってたな…」


シャイニーは順調に読み進めていったが、あるページで、めくる手をピタリと止めた。


(地球に住む人々は、戦争や内戦、反乱を繰り返してきた。戦争とは、一般的に自衛や利益の確保を目的としている。現在では、自衛以外の侵略戦争は禁じられている…)


シャイニーは、何度も何度も同じ文章を繰り返し読んだ。

そして、夢で見た天使の国で起こった悪魔との闘いを思い出したのであった。


(地球の人々の争いも、あんな感じなのかな…もしそうなら悲しむ人々がたくさんいるはず。どうして地球の人々は争いを繰り返すのだろう…琴ちゃんが泣いてたのも、この事と関係あるのかな…)


シャイニーは、一生懸命考えたが全く分からなかった。


「駄目だ…いくら考えても分からない…ラフィ先生に聞きに行こう。フルル、ラフィ先生のところに行くからおいで。」


フルルが髪の中に潜り込むと、シャイニーはラフィの部屋にへと向かった。




お読み下さりありがとうございます。


ご感想やレビューなど頂けると嬉しいです。


長編小説となりますが、よろしくお願いします。


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