表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天使の国のシャイニー  作者: 悠月かな(ゆづきかな)
25/54

天使の国の仕事体験

翌日、子供達は慧眼けいがんの部屋に集まっていた。

部屋には、人数分の机と椅子が並んでいる。

子供達が、どこの席に座れば良いのか分からず、部屋の後方に集まりキョロキョロしていると、どこからともなく爽やかな風が吹き始めた。


「やぁ、みんなおはよう!待たせて悪かったね。」


気が付けば、いつの間にかラフィが教壇に立っていた。


「ラフィ先生、おはようございます。」


子供達が一斉に挨拶をすると、ラフィは笑顔で頷いた。


「まずは、君達が座る席だね。それぞれの机には、君達の特徴が描かれているよ。それを探して座ってごらん。」


子供達は早速、自分の席を探し始めた。


「あ!この席だ!」

「私は、ここね。」


子供達は、ワイワイと騒ぎながら席を見つけていく。


(え〜と…僕の席は…)


シャイニーは、キョロキョロしながら自分の席を探していると、光が当たると虹色に輝く翼が描かれている机が目に入った。

その翼は、右上に描かれキラキラと輝いていた。


「あった!僕の席だ。」

「シャイニー、俺も見つけたぞ。」


声が聞こえた左隣に目を向けると、フレームがニカッと笑っていた。


(フレーム…いつもと変わらない笑顔だ…)


シャイニーは、フレームの笑顔にホッとしていた。

朝起きてから一緒に過ごしてはいたが、どこがギクシャクしてしまい、いつものように話せずにいた。

食堂ではストラとマトラと一緒になり、2人の騒がしさに助けられた。

ふと、フレームの席に目をやると、オレンジ色の炎が描かれユラユラと揺れていた。


「わぁ!フレームらしい席だね。」

「だろ?」


フレームは得意気にニカッと笑った。


「あった!僕の席はここだ。」

「ここが私の席ね。」


シャイニーとフレームが振り返ると、ストラとマトラが立っていた。


2人の席を見ると、ストラの席には部屋づくりの時に呼び寄せたグリーンドラゴンが描かれ、マトラの席にはオデコがせり出した似顔絵が描かれている。


「プッ!この似顔絵、マトラそっくりだな。」


フレームが吹き出しながら、机とマトラを交互に指差すと、マトラがムッとしたように頬を膨らませた。


「失礼ね!どうして笑うの?」

「だって、オデコが輝いてる…プッ!アハハ!」


フレームが笑い出すと、マトラが誇らし気に胸を張った。


「このオデコは、私のチャームポイントよ!」


フレームとマトラが騒いでいると、ラフィの声が部屋中に響いた。


「さぁ!自分の席が見つかったら座ってごらん。」


ざわついていた子供達は話しをやめ、静かに席に着いた。


「みんな、席が分かったようだね。今日から、そこが君達の席だよ。この部屋に来たら、席に着いて学ぶ事になるからね。」

「は〜い!」


子供達の返事にラフィは笑顔で頷いた。


「それで、次の学びだけど…君達には、今日と明日の2日間、天使の仕事の手伝いをしてもらうよ。昨日、仕事見学をした所から好きな仕事を選んでごらん。見学をした所以外に、興味のある仕事があるなら僕に言っておくれ。手伝わせてくれるか聞いてみるよ。いいかい、仕事は自分が興味がある所だよ。友達と相談せず、自分で決めるんだ。分かったね。」

「は〜い。」


ラフィの説明を聞くと、子供達は真剣に考え始めた。


「決まった子は手を挙げて。他の仕事に興味がある子も手を挙げてね。」


(う〜ん…僕は、どこに手伝いに行こうかな…ハーニーの所に行きたい気もするけど…違う所がいいような気もする。興味がある所か…)


シャイニーが考えている間、他の子供達は次々に手を挙げ、どこを手伝うかラフィに告げ決めていった。

フレームも、ストラとマトラも決めていた。


「おい、シャイニー。まだ決まらないのか?俺達もう決めたぜ。」

「うん。もうちょっと…」


皆は、昨日見学した仕事の中から決めており、残りはシャイニーだけとなっていた。


「シャイニー、随分と考えているようだけど、なかなか決まらないのかい?」


ラフィの声かけにシャイニーは顔を上げた。


「ラフィ先生…興味のある仕事があるんですが…僕が手伝えるか分からなくて…」

「気にしないで、僕に話してごらん。」


ラフィが笑顔で促すと、シャイニーは意を決し口を開いた。


「僕…サビィ様の手伝いがしたいです。」

「サビィの手伝い?」


ラフィは、シャイニーの言葉に優し気に目を細めた。


「はい。僕…サビィ様の部屋に行った時、凄くワクワクしました。不思議な物が色々とあって…サビィ様が、普段どのような仕事をしているのか見てみたいです。」


最初は、遠慮がちだったシャイニーだが、話している間に瞳がキラキラと輝き始め、言葉も力強くなっていった。


「うん。いいよ。サビィに聞いてみるから、ちょっと待ってて。」


ラフィは、一瞬目を閉じたがすぐに開け、ニッコリと笑った。


「シャイニー、サビィに了承をもらったから大丈夫だよ。」

「良かった。サビィ様は何か言ってましたか?」

「うん。ちょっと…というか、かなり驚いてたけど喜んでたよ。サビィの手伝いをしたいと申し出た子は、シャイニーが初めてだからね。」

「え!僕が初めてなんですか?」

「そうだよ。サビィは、高貴なイメージからか子供達は、近寄り難いようなんだ。大人の天使達も一目置いてるし…もちろん、天使長だから、そうでないといけないんだけどね。でもね、ああ見えてサビィは味があってなかなか面白いんだ。」


ラフィは、そう言うとニコッと笑いウィンクをした。


「まぁ、サビィを手伝う事は、君にとって良い学びになるだろうね。」


ラフィは、シャイニーの頭をポンポンと撫でると教壇に戻っていった。

その途端、フレームやストラとマトラが話しかけてきた。


「おい!シャイニー、サビィ様の手伝いってどういう事だ?俺は、てっきりハーニーの所にすると思ったぞ。」

「シャイニー、サビィ様を手伝うなんて凄いな…良く思い付いたね〜」

「サ、サビィ様ですって…恐れ多いわ!」


3人が畳み掛けるように話しかけてきたので、シャイニーは圧倒され思わず後退りした。


「う、うん…ハーニーの所とも思ったんだけど、何か違うって思ったんだ。色々と考えた結果、サビィ様を手伝いたいって思って…」


シャイニーは3人の勢いに押されながら、おずおずと答えた。


「ところで、みんなはどこに手伝いに行くの?」

「俺は、もちろんハーニーの所だ。」

「僕とマトラは、ファンクさんの所だよ。」

「そっか、ハーニーには会いたいけど…やっぱりサビィ様を手伝うよ。フレーム、ハーニーに手伝えなくてごめんね…って伝えてくれる?」

「分かった。シッカリ伝えるから安心しろよ。」


フレームが、ニカッと笑いながら答えると、教壇に戻り子供達の様子を見ていたラフィが口を開いた。


「全員が手伝う場所が決まったようだね。それじゃ、早速移動するよ。行きたい場所を頭に浮かべ意識を向けるんだ。」


子供達は、目を瞑ると1人、また1人と慧眼けいがんの部屋から姿を消していった。


「よし!俺達も行くぞ。シャイニー、また後でな。」


フレームは、そう言うとスッと姿を消した。


「ストラ、私達も行くわよ。シャイニー、後で美しいサビィ様の様子を聞かせてね。」

「あ!マトラ待ってよ。シャイニー、また後で。」


マトラの後を追うようにストラも姿を消した。


「うん、僕も行こう。」


シャイニーは呟くと目を閉じた。


(サビィ様がいる天使長室に行きたい!)


心の中で強く願った瞬間、シャイニーの姿も部屋から消えた。


「これで全員が手伝いに向かったね。しかし、まさかシャイニーが、サビィの手伝いをしたいと言い出すとは思わなかったな…」


ラフィは、優し気に目を細めフッと微笑んだのだった。



お読み下さりありがとうございます。


ご感想やレビューなど頂けると嬉しいです。


長編小説となりますが、よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ