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天使の国のシャイニー  作者: 悠月かな(ゆづきかな)
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誕生

神殿の奥に誕生の部屋はある。

この部屋には、これから生まれようとする天使達の卵が沢山並べられ、数人の卵管理担当者の天使が1つ1つ丁寧にチェックしている。


天使は卵から生まれる。

天使の卵は、とても弱く儚い。

その為、温度や湿度の管理は勿論の事、卵がいつも心地よくいられるように、音楽家の天使達がハープやフルート等で美しい音色を奏でている。

卵達は、天使が奏でる音楽をウットリと聞き入ったり、楽しげな音楽のリズムに合わせ、揺れたり小さくジャンプしたりとダンスを楽しむ。


卵は、真っ白でキラキラと輝きとても美しい。

そんな卵達の中に1つだけ変わった卵があった。

虹色に輝く一際美しい卵。

その卵を見た瞬間、誰もが手に取り抱き締めたくなる…そんな不思議な卵だった。


この誕生の部屋では、毎日のように赤ちゃん天使が生まれている。

生まれた瞬間、赤ちゃんと目が合った天使が抱き上げ名前を付け、花畑から集めた朝露を飲ませる。

朝露を飲ませながら赤ちゃんの健康状態をチェックし、成長の部屋へと預けられる。


そして、一際美しい虹色に輝く卵も誕生の時期を迎えていた。

虹色の卵がカタカタと小さく動き始めると、他の卵をチェックしていた天使が気付き叫んだ。


「いよいよ、あの子が生まれるわよ!」


その声を聞いた全ての天使が手を止め、虹色の卵の所へと集まってきた。


虹色の卵は小さく動いていたが、ピタッと動きを止め、高く宙へと舞い上がった。

卵にヒビが入り、その僅かな隙間から眩いばかりの光を放ち始めた。


「これ程の光は始めてよ!」

「やっぱり選ばれた子なんだ…」

「凄い力を感じるわ…」


天使達は固唾を飲み、虹色の卵を見守った。 

卵は、宙に浮いたままクルクルと回転し始めている。

そして、回転のスピードは徐々に増し、ヒビから漏れた光がどんどん強くなっていった。

やがてその光は、卵を包み込み大きな光となり輝いた。

天使達が、あまりの眩しさから目を閉じた瞬間、パンッと何かが割れるような音が部屋中に響いた。

天使達がゆっくりと目を開けると、男の子の赤ちゃんが体を丸め、フワフワと浮いていたのだった。


お読み下さり、ありがとうございます。


感想やレビューを頂けると嬉しいです。


長編小説となりますが、よろしくお願いします。

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