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84:VSオーシャンシザー×5匹

いつもみなさん感想と誤字報告ありがとうございます。感想見るたびに嬉しくなります。


師匠に出来ると言われて俄然やる気を出したルークですが果たして・・・



「うわわっ!?」



二戦目。ルークは現在、回避に重点を置いてヤドカリと戦っている。動きはまだまだ甘いけどヤドカリ相手なら十分だろう。



ハサミ攻撃をしゃがんで回避、すぐに起き上がり後ろにローリングして二撃目を回避。



おいうちと言わんばかりのヤドカリの跳びかかり攻撃が来るが、左に跳んでこれも回避。



なかなか出来てるじゃないか。



『まだまだだな』



「そう言うなって、そう簡単に出来るようになられたら俺の立場ねーよ」



「でも本当にすごいと思うよ。スキルなしであそこまでしっかり回避取れてるし、立ち上がりも速い。あの子位の年の子供ならもう息が上がっていても不思議じゃないし」



その通りだ。あれくらいの男子ならもう10分以上戦闘時間が経過しているが、息が上がり、動けなくなっていても可笑しくない。エキスパートモードでもスタミナが無いわけじゃないし。



「あぶねっ!!」



でもルークはずっと回避し続けている。時折スタミナ回復の為にアイテムを口にしているのを引いても、ガッツは素晴らしいものがある。



「やばいっ!!?」



けどまだまだ甘い。他のヤドカリの索敵範囲、もしくは縄張りに入ってしまったみたいで、他に三匹のヤドカリがルークに迫ってくる。一回助けてくるか。



「『風瓶エリシオン』」



「ぴぃ!?」



ルークの元まで跳んで、体を抱き抱えて即座に離脱。ぴぃとはまた可愛い声だこと。ヤドカリの戦闘範囲から離れた場所に跳び、警戒が収まるまで小休憩だ。



「ヒィヒィヒィ・・・・」



息が上がっている。安心したら電池切れたか。丁度いい岩があったのでそこにルークを座らせて、ポーチから水を渡す。露店で売ってた疲労回復の天然水。お値段一本500D。



効果は値段の分しっかりとしているので俺にも効く。



受け取ったルークはゴクゴクと一気飲みで全部飲み、瓶を空にしてしまった。



「・・・・ありがと」



「どういたしまして。それでルーク、動きは見えたか?」



「多分・・・でもバカししょ・・・・・・・・バカみたいに根元まで刺せる気がしない」



今、師匠って言いかけたよな。くそ、ちょっと期待しちまったじゃねーか。結局馬鹿呼びで終わったけど。



「なら他に柔らかそうなところは見つけたか?」



「大きいハサミの動くところの根元」



「流石だな。よく見てるじゃないか、”視える”ようになるのが理想だからまだ満足するなよ?」



「・・・・・・」



ちょっと顔赤くしてる。嬉しいけど素直になりたくない感じが表情に出てる。にやけてる時点でどう繕うのも無理だけど。



「まずはそこ目掛けて刀振ってみろ。失敗してもいいからまずはやってみようか」



「・・・・・うん」



ちょうど集まっていたヤドカリがそれぞれ元いた場所に戻り始めた。もう少し動いたら出てもいいだろう。



「・・・・おいバカ」



「どうした?」



「や・・・やっぱりいい。後にする」



「わかった。なら今日は五匹って言ったけど三匹にしようか」



「っ!!い・・いい!!五匹倒す!!絶対倒すから見てろバカぁ!!!!」



「ルーク声でかい。周りのモンスター全部こっちに気づいたぞ」



「お前のせいだバカァ!!!」



まぁ集まったものはしょうがない。残り五匹になるように狩るか。



「アール。私にやらせて」



ずっと見ていたリークがそう言いながら前に出た。手に持っていたのは修行でもよく使っている刀。そして何やら魔法陣が浮かび上がっている指輪が光っている。



「ちょっと思いついたことあるからやってみたいの」



「五匹くらいは残してくれよ」



「・・・・何するんですか?」



迫り来るヤドカリの数は見た限り12匹。奥の方にも数匹いるからあの辺が残るのがのぞましい感じだな。



「アールの真似事かな?抜刀速度を求める天匠流。私なりの速さの求め方を探してみたの・・・・行くよ。天匠流抜刀術『風爪鳥』!!」



抜刀の速度自体はそこまで速くない。でも抜かれた刀は緑色の光を帯び、鞘の中盤から風が鞘を吹き飛ばすように巻き起こる。



風はそのまま抜刀の速度を加速させ、刃の先が顔を出した。横に一閃振るわれた刀からは、刃のように形を変えた風が飛び、向かってくるヤドカリを切り裂いていく。



風に触れたヤドカリたちは大きく仰け反りながら、硬い殻にヒビが入っていく。でも倒すまではいかなかったようだ。



みな怯みはしたが、生きている。でも警戒させるには充分なもので、迫っていたヤドカリたちが距離をとり始めた。



「あいつつつ・・・・」



新技を決めたリークだが、どうやら完成はしてないようで刀を持つ右手を痛めていた。人差し指が変な方向に曲がっているが、反応から見て脱臼だろう。また腕も少し赤いので打撲程度の痛みはありそうだ。



「風属性の付与魔術を刀に付けてみたの。まだ全然うまくいかないけど」



「いいんじゃないか?でも使う前にもう少し基礎を固めたほうが良さそうだな」



魔術を付与か。確かにそれなりに速い速度は出たから線は悪くない。でもやっぱり基礎が出来ていない状態でやるもんじゃないな。



「ルーク。お前の感想はっと!!」



「いったぁあああ!!!!!」



「え?僕?」



ポーチからブドウとポーションを取り出してリークに渡す。脱臼した指は思いっきり引っ張って元に戻す。悲鳴を上げたので出したポーションを即座にかける。



「お前から見た今の技の感想は?」



「・・・・・・」



自分が言ってもいいのかと困惑しているが、リークも涙目で首を縦に振ったのを見ると口を開いた。



「前に見せてもらったそこのバカの方が速かったし綺麗だった」



「うううう・・・・いたい・・・・ありがとうアール。やっぱり基礎が足りないか・・・・え?ルーク君アールの鏡雀”見えた”の?」



「???多分・・・・ですけど・・・・・???」



リークが驚いて俺の方を見ている。多分俺はドヤ顔してる。今度はリークが鯉のように口をパクパクさせながら驚いている。可愛すぎかよ。



「お・・・おいバカ!僕になんかしたのかっ!?」


「おうしたぞ。モノが”視える”ようになる修行だよ。毎回やってるだろ?目隠し素振り砂避け」



音で場所を視る。空気の流れを感じる。気配を視る。



型を覚える基礎であり、力の入れ方を覚えさせるためと体作りの為の素振り。それを全部盛り込んだのがあの修行の正体だ。



目で見ることが全てじゃない。忍者ゴブリンのように気配を消す奴だっているし、速い動きで翻弄してくる敵だっているはずだ。



俺の弟子になったなら、それに対応できるようにはなって貰うつもりだし、それで満足させない。最終的には俺を超えて、まだ先を目指してくれるくらいには成長して欲しい。



弟子にしたんだ。1も覚えてない真っ白な紙なら0から10を全部教えてもいい。



慣れた動きが無い分、天匠流の基礎をしっかりと教えてやればスポンジのように吸収出来る。個人差はあるだろう。



でも、現にルークはそうだった。時間はかかるけど、少しずつ目指すものに近づいてきた。



「みえる?よくわかんないぞバーカ!!?」



「そうだな・・ならルーク。一回修行中断しよう、そんで「やだ!!!」・・・・話を聞けって。いつもの目隠しをしてあそこのヤドカリ全部倒してこい。武器は好きなの使っていいから」



「は・・・・・ハァ!?!?そんなの出来るわけないだろ!?」



多分だけど出来ると思うんだよな。まだ荒削りだけどちゃんと動きは見てたし、後ろからの攻撃もちゃんと予測して回避できてた。気配察知の第六感なら充分あるはずだ。



「そうかもしれないな。でも今のお前なら出来るさ。俺の弟子だろ?」



「っっっ!!!!!」



それも含めて一度自覚させるのも、今日修行の内容を変えた理由だ。慣れてしまって流れ作業みたいに修行するのが一番不味いわけだし、その修行の意味を目で見て、結果で知れば、モチベーションも上がるだろう。



「う・・・うっさい!!ししょ・・・じゃなくてお前の弟子としてやってやるから見てろバーカ!!!!」



それ隠せてないぞ?ルーク。顔はもう破顔してニヤニヤが抑えられてない。もう出てるけど隠しきれないボロが出るのも結構早いかも知れない。



照れながら俺の前にやってくると目を瞑りタオルを巻けと声を出さずに訴えてくる。ちょっと意地悪してやりたくなるが、やる気になってくれたのでそれを無くすことはしない。



手を離されたリークが不満そうにギュッとローブを掴んでくるのでなだめつつ、いつもの目隠しタオルをルークにつけてやる。



「武器はどうする?」



「これ!!」



前にガンテツさんから購入した自分と同じくらいの刀を意気揚々と掲げている。好きなものを使って良いと言われてやっぱりそれを出してきたか。けどまぁ、好きな武器で戦うのが一番楽しいからな。



「鞘から出せるか?」



「うん!!」



少し手こずったものの、何とか鞘から刀を抜けた。鞘は置いていくようで足元に置いていた。ちょうどそのタイミングでリークの攻撃でビビっていたヤドカリどもが再度こちらに向かってやってきた。



一番近いやつが後数秒でルークの体をハサミで捉えるだろう。さて、御手並拝見。



「枝を折らないように・・・そして素早く振り下ろす!!」



切れ味はガンテツさんが打った武器だ。折り紙つきだろう。それを踏まえた上でだ。これはすごいんじゃないか?



ハサミが届く前に、ルークは一歩前へ、そして大上段から一気に刀を振り下ろした。

刃がハサミの根元に向けてしっかりと振るわれ、無駄な力がほとんどない状態で力強く殻を叩き切った。



そのまま腕を切り裂き、その先にある体へと刃を届かせた。



「引き抜くときは後ろに下がりながら切り下ろして抜く!!」



刃はそのままハサミの腕を切り落とし、そのまま四本の足のうち右2本を一緒に切り落とした。



「砂を避けるときは音を聞く。そして避ける!!」



自分で確認しながら左からやってきた二匹目の攻撃を横に跳んで回避。そのまま直ぐに起き上がり横薙ぎに刀を振るう。



「おんなじように!縦に振っていた時と同じようにやる!!」



そのまま二匹目の目に目掛けて刃が振るわれる。右攻撃の余韻で切り返せないヤドカリはそのままルークの刃で目を切られ絶命した。



「そこぉ!!」



三匹目。飛び上がり上から奇襲しようとしたヤドカリの攻撃をその場に倒れながらやり過ごしつつ、しっかりと刃を突き立てながらその口へと差し込んでいく。避けることが出来ないまま、三匹目が死ぬ。



光となって消えた途端、四匹目と五匹目が左右からルークをハサミで叩きつけようと同時に仕掛けてくる。



「うりゃぁ!!」



突き立てていた刀を右手持ちして左に転がりながら振り下ろす。ハサミと交差するように、刀の峯がヤドカリの目と目の間にぶつかり大きく怯む。それでできた隙間に体をねじ込みハサミの攻撃を回避した。



そのまま止めを刺そうと飛び上がるように刀を一突き。刺されたヤドカリはそのまま地面に沈んだ。



もう片方から仲間の(かたき)と背中の殻から突撃してくるヤドカリ。だけどルークはそれを読んでいた。



足払いをするように低空で刀を振るい、ヤドカリの脚を切り落とす。それによってバランスを崩したヤドカリはそのまま地面へと崩れ落ちた。



「ここだぁ!!」



先ほど俺がやったのと同じように、殻の内部にある柔らかい腹に、刃がブスリと刺さる。そしてそのまま刃を引き抜いて別のヤドカリに備えるために、一度位置を変えた。



「次は!!」



「もういないよ。お前にビビって逃げてった」



勝てないと踏んだのか、はたまたリークがつけた傷が思った以上に大きかったのか、ヤドカリたちは逃げていった。



少し息が上がっているルークに近づきタオルを取る。ちょうどその時に戦闘終了のアナウンスが聞こえた。





――――オーシャンシザー五匹を撃破しました

――――素材:海居虫の鋏×3、海居虫の殻×2を入手

――――657D入手

――――『UtS:師範代Lv1』の効果発動。パーティーメンバーに『UtS:天匠流』習得の為のポイントを付与。


リーク  

月光流Lv1 4/150  天匠流Lv1 21/150 桜華戦流Lv1 1/150


ルーク

天匠流Lv1 4/150






「よくやった。流石俺の弟子」



「う・・・うっさいバーカ!!出来るに決まってるだろ!!」



さっきはできないって言ってたけどな?



さらにとんでもない事をさせ始めたアール。そしてそれをやり遂げるルーク。なんだこの師弟・・・

そしてさらっとアールの真似をして新技決めたが脱臼したリーク。このカップル怪物でしたね・・・


図々しいかもしれませんが、感想いただけると私とても嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
[一言] あれ?今気付いたけどルークってリアルハードじゃないからエリシオンとか現実じゃ使えないのか、残念やな
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