79:ルーク
皆さんにとってルークといえば?
「ぼく・・・・僕・・・・・!!!」
椅子に座らせ、囲むように俺たちはルークの前にいる。毒の瓶は俺が回収し、保管している。聞けばこの少年ルーク。
何でも掲示板の俺に関するスレで、数時間前に俺が大暴れしている動画を見たそうだ。それを見て、自分がこうなるのではないかと怖くなって俺に謝りに来たそうだ。
でもなかなか決心がつかず、隠れていたところにさっきのあれだ。
「ご・・・・ごめんなさい・・!!!」
「いやまぁその・・・・とりあえずどうしてあんなことしたのか教えてもらえるか?」
「嘘はつかぬ方が良いぞ?」
『無残に死にたいなら別だが?』
「ひぃぃぃ!!うそつきません!!約束します!!!」
殺気こそ収めてくれたけど怒りは収まらない二人。被害者である俺よりも怒ってるんだけど。俺のために怒ってくれるのは嬉しいけど。
「ぼ・・・僕・・・・・・たまたま・・・・・・・・投げたら変なところに行って・・・・・・」
「嘘はつくなと言ったはずじゃぞ?」
ユラユラと現れる九尾を見て目を見開き怖がるルーク。
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!!!嘘つきました!!やれって言われたんです!!怖い人に!!この瓶をお兄さんの近くに投げてろって言われたんです!!やらないとこれからずっとお前を狙うって言われてそれでっ!!!」
「・・・・・ギン?」
「嘘は言っておらん。本当のようじゃ」
となると脅されて仕方なくやったわけか。恨みを買うことは・・・したな。したことあるな。
「嫌々やらされた訳か、そいつの名前は?」
「そ・・・・そうです。名前は・・・わかりません」
「妾の前で何度も嘘がつけるとはの?死にたいのか小僧?」
ついに刀に手をかけるギン。また嘘ついたの?
「ひぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
「ギン」
「むぅ・・・・小僧。次はないぞ。嘘をつけば即斬る」
渋々刀から手を離し両腕を組むギン。今の言葉はマジだろうな。
「なぁルーク。俺は正直に話してくれれば怒らないと約束する。だから本当のことを教えてくれ」
「ひぃひぃひぃ・・・!!!!」
「よしよし。怖かったろ?泣かなくていいからゆっくり話そう?な?」
抱きしめて頭を撫ぜてやると子供らしく泣きじゃくりながら一生懸命話そうとしてくれた。
「ぼぐ・・・・あなだがぎらいだったんでず・・・・・・・・ぞれであなだをこまらぜるごどでぎるなだぞれでいいどおもっで・・・・!!!!」
「よしよし。俺が嫌いだったんだな?それで怖い人たちに言われた通り毒の入った瓶を俺に投げたと?」
「・・・・・・・ずびぃ」
鼻水を啜りながら首を縦に振ったルーク。ティッシュあったかな?
無さそう。あ、さっき露天でもらった紙ナプキンならあるか。
「これで鼻かみな?紙ナプキンだけど」
「ヒッグ・・・・・・ズビィイィ!!!」
小学生にしては随分上手に鼻かめるな。ナプキンを丸めて近くにあったゴミ箱に捨てる。
因みに北海道だとこういう時、ゴミ箱に捨てるではなく、投げるというらしい。
俺としてはそっちの言い方がなんか好きだ。ゴミを投げる。じゃぁ投げ捨てるはなんて言うんだろう?投げ投げる?違うか。
しかし俺のこと嫌いかぁ・・・・小学生くらいの子に嫌われるようなことした覚えがないんだけどなぁ。
可能性としてはリュウオウの取り巻きの中にこの子の兄弟がいて、兄弟が酷いことされたから嫌いになったとかだけど・・・・・・
まぁ間違いなくやらせたのはリュウオウ関連の奴らだろうな。毒の色になんか見覚えあったし。リュウオウの剣の色とか。
「よし!!」
「っ!!!」
ともかくこれで一つやることが増えた。今度取り巻き見かけたら全部白状させよう。場合によってはリュウオウの刑に処す。
リークたちにも応援頼めば喜んで手伝ってくれそうだし。
「よく話してくれた!偉いぞルーク」
「・・・・・おごらないんでずか?」
「怒って欲しいのか?」
「っ!!」
珍しい。怒られたくないのが普通の感覚なのにこの子は怒られたいと言ってるわけだ。変わってるな。
「どうして怒られたいんだ?」
「だっで・・・わるいごどしたもん・・・・・・・」
「でもちゃんと話してくれたろ?ならいいだろ?なぁ?ギン、ギルファー」
『下手人が他にいるのはわかった。そ奴らは見つけ次第殺るぞ』
「理由も話した。下手人のことも知れた。ならあとは師匠が許すなら妾はいいぞ?」
「だってよ?」
俺ももうそこまでイラついていない。綺麗さっぱりすっきりしたし、こんな形で犯人わかったんだから前向きに考えよう。
「でぼ・・・・!!ぼぐわるいごどしだんでずよ・・・ばづはうげないと・・・・!!」
根は真面目なんだなこの子。さて、どうしよう。怒れって言われてもなぁ・・・・
「要は罰が欲しいのじゃろ?罪滅ぼしの罰が」
「・・・うん・・!!」
ギン?なにか考えがあるのか?
「なら簡単じゃろ?師匠。此奴の性根を鍛え直せば良い。二度とこのようなことをしないようにの」
「・・・・べっ?」
「つまり・・・俺がコイツを鍛え上げるってことか?」
「うむ!元々武術とは己を鍛えるためのもの。小僧は嫌いな師匠に鍛えられる。師匠は・・・・・・弟子が出来る・・・のかの?」
いや俺に聞かれても・・・・けど、直弟子か。確かに良いかもしれない。面白そうだ。
人を鍛えるのをNPC相手にはしてきたけど実際のプレイヤーにはしたことがない。上手く教えられるかはわからないけど何でも経験か。
「それで行こうか。発案者のギンはいいとして・・・・ギルファー。お前意見は?」
『好きにしろ』
「異議なしと・・・・ならルーク。話は聞いていたな?お前に罰を与える。今日から俺がお前の師匠だ。その腐りかけた根性叩き直してやるから覚悟しろ?」
「ぞんなのばつにならないでず・・・!!!」
「罰かどうかはオレが決める。これは強制だ。文句は言わせん。そうと決まれば早速」
「ピィ!?」
担ぎ上げていつもの修行場へと向かおう。ぽかぽか叩いているが気にせんぞ?
ハッハッハ!これ傍から見たらヤバイ光景だよね?大丈夫かな?
場所は変わっていつもの岩場。
泣き止んではいるが納得はいってないようなルーク。そんな顔したって変わらんぞ?
「・・・・・・・」
ムスっとしているけど泣き痕が見えるから全然怖くない。さてと、確か目隠し用のタオルくらいはあったはず・・・・・あったあった。
「ほら、受け取れ」
「・・・・・・・えだ?」
渡したのは何の変哲もない、その辺にあった木の枝。
「まずタオルで目を隠すから動くなよ?」
「・・・・隠したところをグッさり刺すんですか?」
受け取ったタオルで目を隠す。こっそり見えるように動かしたりしてないな。よしおっけい。
「刺さないけど似たようなことはするかな」
「え゛っ?」
「んじゃ始めるぞ。まずは木の枝で素振り10000回からいってみようか。100回毎にそのへんの砂お前の周辺に向かって投げるからどの辺か予想して避けろ。かかったら初めからやり直し」
「ハァ!?」
「ほら始めろ。言ったろ?罰はオレが決めるってこれ終わるまで罰は終わらないから頑張れよ?」
「っ!?!??!?!?!?!?!!?」
弟子爆誕(嫌われている)
そしてついに始めるアール直々の修行。最初からエゲツナイ




