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76:進化



マー坊曰く次のボスはパーティーメンバーの総HPの数値だけ、自身のHPを増やす体力オバケらしい。



攻撃力や防御力。その他ステータスはカニ相手に立ち回れるならそう苦労することもないらしく俺ひとりでも問題ないらしい。



「まぁお前らがいいならそれでいいけど・・・・」



「よし決定!!全力でやっちゃってくれ!!」



「???」



変な奴。戦い方が変わっても目的が変わるわけではないので、ボスのいる場所まで歩いていく。

道中で見つけたヒトデは全部撃破していった。



そんな感じで進んでいくと、大きな岩が二つある場所にたどり着いた。その奥にも砂浜が続いているが見晴らしがよく、ボスがいますと伝わるような作りだった。



その岩場の前、二人のプレイヤーの姿が見えた。



「あれって確か・・・・」



「ん?あぁ!!リアル剣聖!!」



向こうもこちらに気づいたようで俺を見て声を上げると駆け足で近寄ってきた。頑丈そうな鎧に身を包む二人の男。このふたりは確かニルスフィアでマー坊とリークに応援を頼んでいた二人だ。



「お久しぶりです!!俺のこと覚えてますか!?」



「おいこら白!すんません。こいついつもこんな感じで」



確か白さんとゴーレさんだったはずだ。結構印象に残っていたから覚えている。



「白さんとゴーレさんで良かったですか?」



「おぉ!!俺のこと覚えててくれたんっすか!!嬉しいっす!!」



「あの時はどうも。マー坊さんにリークさん達もお元気そうで」



「まぁな。それよりお前らあの後どうなったんだ?」



マー坊たちは俺と合流してそのまま森に出たけど、彼らは新エリアでゴーレム相手に手を焼いていたはずだ。



「はい。レイレイさんから頂いた光結晶で強化した武器でかなり有効なダメージを与えられまして、結構いいところまで進めました。攻略はまだ済んでませんけどもう時間の問題ですね」



「アタシの上げたやつが役に立って良かったよ。それで二人はどうしてこんなところに?」



「ちょっとスキルを取りに来まして」



「スキル?」



戦闘終了後に条件を満たせばスキルを入手することはできるけど、その為にわざわざボスのいるところまで来る必要があるのだろうか?



「あ、そう言えばアールにはまだ詳しく話してなかったね。ここのボスの特性」



「なんか特別な特性でもあるのか?」



聞くとリークは色々と説明してくれた。



「ここのボスって連戦可能なの。しかも一旦ボスエリア外に出たらすぐに。あとHPが多いから今でもたまに上位陣もスキル訓練のために来るの。皆クラゲ道場って言ってるんだけど」



昔あったな。VRじゃないけど、昔のゲームで技閃くためにエリア移動するとすぐに再戦可能なモンスターと戦ったこと。閃き道場とかモンスター道場とか人によって呼び方違ったけど。



ここのボスはそれが出来るって訳か。



「なるほど。道場か。それで御二人は何のスキルを取りに来たんです?」



「はいっス!!『AS:観察眼』ってスキルです!」



「あぁ!観察眼ね!あれあるとすごく便利だよ!アタシもソロだといつも使うからね」



「なぁマー坊」



「観察眼はそのままだ。敵の動きがよく見えるようになったり、スローモーションに見えたりするんだ。他にも相手のHPとかMPとかもレベルが上がると見える。結構覚えるまで大変だけどそれだけの価値はあるんだ」



へー。それは便利そうだな。覚えておいて損はないかも知れない。



「なぁ御二人。もしよかったら臨時だが俺らと一緒にやらないですか?」



「マジっすか!?リアル剣聖とパーティー組めるんっすか!?」



「それはこちらから是非お願いしたいくらいです」



「お前らもそれでいいか?」



五人とも首を縦に振ってくれたのでゴーレさんと白さんにパーティーへの招待を送る。ついでにフレンド申請も送っておこう。






――――『ゴーレ』がパーティーに加わりました。プレイヤー5/8 従者2/4

――――『白』がパーティーに加わりました。プレイヤー6/8 従者2/4

――――『ゴーレ』がフレンドになりました。

――――『白』がフレンドになりました。






「イヤッホーイ!!リアル剣聖!これ自慢していいっすか!?」



「大した自慢にならないとは思うけど・・・あとリアル剣聖って呼びにくいだろ?アールでいいよ。あと敬語とか気にしなくていい。俺もこの後から気にしないけどいい?」



「分かりました。なら俺もこれからはアールって呼ばせてもらいます。俺に対してさん付けはなくていいですよ?俺の敬語は癖なんであんまり抜けませんけど」



「ならまずはフォーメーションとか打ち合わせっすね!!臨時だからこういうのはちゃんと話しておかないとマズイっスから!」



そう言えばそうか。今までは流れでうまいことやって来たけど、人が増えるってことはそういうこともちゃんと決めて動かないといけないのか。



「なら「その件だけど悪い。初戦だけとりあえず適当にやらせてくれねーか?」・・・マー坊?」



どうしようか話そうとした矢先、マー坊がそんなことを言いだした。いやいや流石に不味いでしょ?身内だけならともかく。



「悪い!誘っといて申し訳ねーんだけどお願いできないか?」



「いいっすよ!マー坊さんに頼まれちゃ嫌とは言わないっす!ゴーレさんもいいよな!」



「構わないよ。自由にやるっていうのもたまには面白そうですし」



「いや・・・・まぁお前ら二人がいいならいいけど・・・・文句あったら言ってもいいんだぞ?」



「早速敬語抜けてるっスね!!でもそっちの方が剣聖っぽくてイイっすね!!了解です!!」



何はともあれ、戦い方は決まったわけだ。自由戦闘。大丈夫か?










門のようにそびえ立つ岩の先は見えたように広い海岸。海岸から離れたところには街道に続くと思われる草原が見える。



森のエリアボスは木々の中から現れたけど、今度のボスはクラゲっていうくらいだし海から出てくるのだろう。



周囲を警戒するが敵らしき姿も気配も感じない。一体いつ出てくるのだろうか?



「来たよ」



少し歩いたくらいだろうか。砂浜の中央に差し掛かったところでそれは現れた。



空中からふわふわと落ちてくる風船のように、ゆっくりと降りてくる。大きな笠と、中央からヒラヒラとした無数のヒレにも見える触手が特徴的な巨大クラゲ。



笠の部分はうっすらとピンク色をしており、ヒレのような触手は笠よりも少し深いピンク色だ。





――――海岸エリアボスモンスター『ローザクヴァレ』出現。





名前そのまんまかよ。まぁいいや。



「おいマー坊、確認するけど本当に全力でやっていいのか?」



「おう!やっちまえ」



「なら遠慮なく」



双子星の剣を抜き、軽く準備運動。そして突撃の姿勢に入る。ここに来るまでに衝撃は充分過ぎるほど蓄えさせてもらった。



久しぶりに周り気にせず、修行のための縛りもなく、ただの全力でぶつかる。そう言えば久しぶりかもしれない。



今までなんだかんだ色々と気にしたり、勝つために修行したり、思いっきりブッパするのはすごく久しぶりだ。



「な・・・なんかビリビリしてません剣聖?」



天雷起動。衝撃の蓄積は十分。敵の位置と動きの予測。俺がする動き・・・・行けそうだ。最近色々修行してたから十六夜天雷を他の奥義にも転用出来るようになったのはかなりでかい。



おかげで今までとは違うことが出来るんだから。



「超越月光流十二宮奥義『天雷進瓶ドラグレイエリシオン』」













アールが消えた。



ビリビリが見えたから多分『十六夜天雷』を使ったんだろうけど、本当に一瞬の出来事だった。立っていた場所から一瞬で消えた。






グチャァ!!





ワンテンポ遅れて、何かを潰す音が聞こえた。音の方向を見れば、クラゲが砂浜に叩きつけられていた。



それだけじゃない。綺麗だった笠をグチャクチャにされ、ヒラヒラとした触手は見るも無残に引き裂かれている。



本当に一瞬だった。瞬き一つしている内にボスの面影は既になく、事切れているようにみえた。



「なにが・・・きゃっ!?」



突然、強風が吹いて砂を巻き上げた。直後、私を驚愕させるアナウンスが私の耳に届いた。






――――海岸エリアボスモンスター『ローザクヴァレ』撃破

――――素材:桃海月の笠×2、桃海月のヒレ×2、桃海月の体液×1獲得

――――2500D獲得





「・・・・・嘘でしょ?」



風が収まるとクラゲは消滅しており、消えた場所にはアールが立っていた。



私には何が起きたか全く理解出来なかった。見えたとか見えないとかそんなものじゃない。わからない。何が起きたかちっともわからない。



「え?え?嘘でしょ!?」



『あの男・・・まだ強くなるというのか・・っ!!?』



「信じられん・・・なんじゃ今のは・・・・!!!」



メス猫と犬、あとギンちゃんは今のが見えたの?ってちょっと待ちなさい!!



「ちょ!?メス猫!!あんた今の見えたの!?どういうことよ!?」



「痛い!!そんなに強く掴まないでよ!!」



「いいから答えて!!」



痛いとかそんな事はどうでもいい。こいつには見えていたとかムカつくし。これもどうでもいい。今一番大事なのはアールが何をしたのかだけだから。



「スキルの構成全部視力系に振ったのよ!それでもボヤけてしか見えなかったけど!!」



「それでいいから教えなさい!!」



「斬ったのよ!!スーパーボールみたいに上下左右縦横無尽に動きながらクラゲ斬ってたの!!しかも空中で跳ね返って何度も何度も!!」



「・・・・・・・はへ?」



上下左右縦横無尽?空中ジャンプはもう驚かない。一応スキルでもあるものだし、アールがそういう事ができる超人だってことはもう驚かない。けど縦横無尽って何?



あの一瞬でそんなことしてたの?



もしかして今の強風、アールが引き起こした風が遅れて発生したってこと?





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それってショックウェーブじゃないの!?



でももし今のがショックウェーブだったとしたら、普通に考えたらそれでアールもそうだけど私たちダメージを・・・・・・ショックウェーブ?



ショックウェーブの原理は確か、戦闘機が超音速飛行とか、物体が音速を超えて移動するときに発生する”衝撃”波・・・・・・いやまさか、でもアールだし・・・・。



「いやぁ!!久しぶりに全力でドラグエリシオンなんて使ったわ!!なんかモヤモヤしてたの全部すっきりした!!」



うん。アールだからやっても可笑しくないね。むしろ出来て当然かも。



それにゲームの中だから割と何でもありでしょ、うん。




リーク。アールの怪物行動に思考停止を選択


『アールならできるよね』

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