68:デート(浮気ではない)
泣かせたアールがレイレイに対して行う償いとは・・・・
「ほえぇ・・・!!!!」
「改めて見るとスゲェなこれ」
現在、流星海岸、夜の海道。
文字通り夜空に流れる星の雨。今いる場所的には人通りは少ないのでデートには絶好の場所である。
そう。デートである。相手はレイレイ。浮気じゃないぞ?ちゃんとリークに話は通したし。泣かせた謝罪で何か出来る範囲でなんでもすると言ったら海岸デートを希望されたからだ。
流石にリークに何も話さずにデートするのは許されないし、立場が逆でも許さない。逆に言えば状況とかもろもろを説明した上で納得ができれば許すわけだが。
リークにそのことを話をしたところ『じゃぁ今度久しぶりにデートしようね』と条件を出された上でレイレイと直接交渉してこうして彼女公認のデートという訳だ。
何度も言うが浮気ではない。
決して、浮気じゃ、ない。
財布(現実)どれだけ入っていただろうか・・・・・少なくとも諭吉三人くらいは用意しておかないと。
「よくさ?好きな人といる時は、何もしなくても楽しいって言うけどホントだね!」
「そっか。それは良かったよ」
「女ぎつ・・・じゃなくてリークからアタシに乗り換える?」
「それはない」
「ちぇー」
何言い出すかと思えばコイツはもう。
現実でも魅力的な二人だし、美人の部類に入るが、どちらか一人を選べと言われれば俺は間違いなく唯を選ぶ。悪いけどそれくらいには俺の心はアイツに持って行かれてるんだ。
「あーあ、これはまだ奪えそうにないなぁ」
「他を見つけろ他を・・・・相手である俺が言っていいセリフじゃないかもしれないけどな」
「やだよーだ。政略婚なら諦めるけどそうじゃなかったらアタシはアールを絶対に奪うもん」
笑顔でとんでもない事を言っているのだがこれが俺たち二人でいると何時もしている会話だ。周囲からは異様だとか異質だとか結構言われてるけど、これが何か良いんだ。
「ねぇアール?もしあの時アタシとリークの立場が逆だったら可能性あった?」
「・・・・・・さぁな」
「そっか・・・ならまだ可能性はあるね」
「もうねーよ」
「残念でした。アタシ諦め悪いからね」
唯と付き合うキッカケになったとある事件。それが俺と唯が幼馴染から恋人になった瞬間だった。
あの時は唯も湊も同じくらい好きで選べと言われても口ごもっていた。それがあの時をキッカケに唯へと方向が向き、俺は湊を幼馴染以上の関係にはしないと決めた。
今思えばガキが思いつくような王道ラブロマンスみたいな出来事だったな。
気が向けば話すとするよ。
「???誰に向かって言ってるの?」
「いや、なんとなくな・・・・・・読心術何か精度上がってない?」
「にひひ!!」
うん可愛い。ならいいや。
「アールってさ?」
「なに?」
「今の目的は侍ゴブリン倒すことでしょ?その先はどうするの?」
「その先か」
詳しいことはまだ何も考えていない。ただエクストラクエスト探しと『星読み人』が持つ使命、他のエクストラジョブの力を受け継ぐこと。今思いつくのはそれくらいか。
後そうだな・・・・・
「この星を全部見てみたい。剣聖物語の世界から何十年何百年も経った世界だし、どれだけ変わったのか見てみたいな」
「そっか・・・ならアタシ達のクランの行動目的はそれだね」
俺たちのクラン『剣星』の目的か・・・そう言えば面倒事にならない為に立ち上げただけのクランだったけど、それを目的にしてもいいのかもな。
「けどいいのか?お前もそうだけどあの二人も上位陣だし攻略とかしたいことたくさんあるだろ?」
上位プレイヤーということはそれだけ他から頼りにされているということ。そしてそれだけの実力と繋がりがあるということだ。
俺と一緒に世界中を巡るということは、何かあった時、それに参加しない可能性だってあるわけだ。
「今いない二人はわかんないけどアタシはいいよ。情報集めてたのだってアタシの性格上どうしても知らないことあるのが嫌だったからだし、その点アールといた方が他より凄い話聞けそうだし」
昔から湊は知らないことがあるのが嫌いだったし、それがゲームでも出てきてるわけか。
「そういう事なら情報集めてるクランとかそういう所にいるのもアリだったんじゃないか?」
間違いなくそっちの方が知らないことは少なくなるはずだ。大手になればなるほど情報は集まるしレイレイ的には嬉しいはずだ。
「実はね?最初は大手の情報クランにいたんだよ。でもそこのクランマスターと揉めちゃってね」
「何かあったのか?」
「元々クランのやり方とか運営の仕方とかアタシの肌に合わなかったんだよね。それがクランマスターに伝わったみたいでさ。ちょうど良かったから言い争いをキッカケに抜けたんだ。異端児がいても仕方ないって思ったし」
「そっか。なら仕方ないな」
その場のやり方に合わないなら無理してまで合わせる必要はない。もちろん全部が全部合わせなくてもいいという訳じゃないし、そうなった場合、今まで味方だった相手が商売敵に変わるわけだ。
相当な苦労もするだろう。
「そゆこと、それからは基本ソロでやってて、たまにパーティー組んだりしてこの前までずっとやってたの。結構大変だったけど楽しかったよ」
けど、今の笑顔を見れば彼女にとってはそれで良かったのだと思える。どんなものであれ、ゲームである以上自分が一番楽しい方法、やり方で楽しむのが一番いい。俺だってそうだし。
「けどアールが来てからはもっと楽しいよ! リークはいつも通り煩いし、ゴリラはゴリラだし、あの犬は何かムカツクけど。でも楽しいの。だから今が一番楽しいよ!」
「なんか・・・死亡フラグビシビシ立ててない?」
「ひっどーい!!これでも索敵しながら歩いてるから平気だよー」
そういう時に限って忍殺とか言われながら暗殺されるんだぞ?油断してると後ろからサクっと。
「でもそうなったら守ってくれるでしょ?」
「当然」
「そ・・・・そうだよね・・・・アールってそう言うセリフすぐ出るから凄いかっこいいよね」
ボンっと音がしそうなくらい顔が真っ赤に変わる。俺としては全く自覚ないんだけどそうなのだろうか?
「ゲーム関係なく大事な幼馴染守るのは普通だと思うけどな?」
「も・・もうやめよう!! アタシ恥ずかしくてアールの顔直視出来なくなるからっ!!」
「お・・・おう」
ごめん全く自覚ないんだが。そんなに変だろうか?父さんも母さんもいつもそんな感じのことを言っていたから当たり前のことだと思うんだけど・・・やっぱり違うのか?
「それを実践できるアールが凄いんだよ・・・・一般人だとそうは行かないよ・・・・・・あぁ、顔まだアッツ・・・!!!」
そんな何気ない会話をしながら、街までの道を二人で歩いて行った。
ギルファー?『先に帰る』って言って街に一人で戻った。
別名フラグバラ撒き回




