56:師匠
刀気の師匠登場
昨日更新遅かったのでもうひとつだけこの後投稿します。
運良く?たまたま?
取り敢えず意図しない形で探していた人物と出会うことが出来た俺は彼、刀気の案内のもと彼の師匠の元へと向かっている。
その人物は一人で街から離れた人の少ないフィールド内で静かに生活をしているらしい。
一体どんな人なのだろうか?
しばらく歩いているとモンスターの数が減り、ゴツゴツとした岩場へと入っていった。ここは流星海岸の辺境とも言える場所だろう。モンスターも人もいる気配がなく、隠れるにはうって付けの場所とも言える。
その為足場は不安定で海水でぬかるんでいたり、岩肌の凸凹が多く歩きにくい。ますます気になる。こんな場所に住んでいるのは一体どんな人なんだろうか?
歩きにくい岩場をさらに進むこと数十分。暫くするとようやく目的地らしき場所にたどり付いた。そこは海面より少し高い場所に出来た岩の上であった。そこにぽつんと建っているのはこれまた小さな小屋。
とてもではないが人が住むような建物ではない。精々物置くらいにしか見えない小さな小屋だった。
「ふふふ!こんなところに人が住んでいるのか?そんな顔をしていますね」
「いやまぁな・・・どう見ても物置だろここ」
「はい。物置です。でもここが会いに来た人が住む場所なんです!」
「ホントかよ・・・」
周りを見ても人が住んでいるようには見えないし人がいた痕跡もない。さらに言えば気配も全く感じられない。本当にここに誰か住んでいるのか?
「はいじゃぁ種明かしです!まず物置を開けます!」
刀気が扉を開けると中にあったのは岩と砂。あと古ぼけた布キレと棒が二本入っている。
「そしてそしてこの岩をちょっと動かしてから・・・この棒と布を少し動かすと・・・」
「お・・・・・・おおっ?!」
何ということだろうかっ、外からは何も変化がないのに内側の壁が開きまた別の空間へと繋がっているではないかっ。こんなギミックを解かないと入れない場所があったなんて。普通はわかんねぇよ
「ささ、どうぞ入りましょう」
「すっげぇ・・・どうなってるのこれ?」
『おそらく魔術だろうな。でなければこんな事はできん』
すげぇな魔術。ってことは探している人は魔術関連の人なのだろうか?もしかして師匠って魔術の師匠なのか?
そんな考えが浮かび上がりながらも、足を進め、壁を越えた先に広がっていたのは海で囲まれた小さな島だった。
某動物が住む村である程度すると行けるようになる島があるだろう?イメージはそれだ。
もしくは龍玉で出てくる仙人が住む島のどちらか。決して大きくはない。けど小さくもないそんな島だった。
水平線の先にはエーテリアと思われる街の街灯が確認でき、この島があの海岸からそう離れた場所にあるわけではないのが分かる。
「お師匠!刀気です!!おられますあいたっ!?」
「・・・・今何時だと思っておる!!バカタレが!もう寝る時間じゃ!!」
そんな島にある一軒の家から刀気の頭に向かって大きめの石が投げられた。窓にいたのは一人の女性で般若のような怒りの形相でこちらを睨みつけていた。
「あいたたた・・・師匠酷いです。いきなり石投げるなんて」
「酷いのはお前じゃバカタレが!妾はもう寝るのじゃ!!こんな時間にくるお主の方が悪いわ!!」
ごもっともでございます。現在夜中だし怒られて当然だよな。
「む?なんじゃ馬鹿弟子そ奴らは」
そんな俺たちに気がついた女性が連れてきた張本人に問いただす。かなり目は鋭く、殺気を感じる。怒りを買おうものなら切り捨てられそうな感じだ。
「あ、はい!!道中私を助けてくれた恩人です!!困っていることがあるらしくて師匠なら助けてもらえると思いまして案内しました!!」
目線があったので会釈すると、女性は殺気を緩めて諦めたように肩を落とし苦笑いを浮かべた。
「ふぅ・・やれやれこの馬鹿弟子が、すまんな客人よ。しばし待て。茶くらい出してやる。馬鹿弟子、居間で待っておれ」
「はい師匠!!アールさんギルファーさんこっちです」
「すまんな。こんな時間に客など連れてくると思わんかったから茶請けがないのじゃ」
「いえいえ、こちらこそ急にお邪魔してしまい申し訳ありません」
刀気に案内された居間で待っていると和服を着た銀髪の女性、刀気が師匠と呼んでいた人物がお茶を持って台所からやってきた。
部屋の明かりに照らされてはっきり見えた女性はどう見ても20代の女性が持つ特有の美しさを持っており、おばあちゃん言葉が似合うような人ではなかった。
ぶっちゃけ言うと気配からして普通の人間ではなさそうなのだが下手にそれを話してことを荒立てるつもりはない。
「あ、美味しい・・」
「そうじゃろそうじゃろ?儂の自慢の茶葉で入れた茶じゃ。おかわりもあるぞ?」
「なら遠慮なくおかわりを」
「うむ!」
体の底から温まる美味しいお茶だ。ほんのりお茶特有の来る甘さがまた何とも言えない。
「はぁ・・・・染みるぅ・・・」
「随分気に入ってもらえたようじゃの。では改めて礼を言わせてもらおう。馬鹿弟子を助けてくれたそうじゃの。感謝するぞ」
「俺たちもたまたま遭遇しただけですし気にしないでください。それにここに押しかけた形になった俺たちの方が謝らないといけませんし」
『ふん。案内したのはそこの人間だ。我らに咎はない』
「来た時点でこっちが悪いんだよ。諦めろ」
『むぅ・・・・』
納得いかないように膨れるアホ犬。そんなアホ犬を見て彼女は何かに気づいたように口を開いた。
「そやつは・・・・もしや鋼牙狼かの?」
「よくお分かりで。名前はギルファーと呼んでいます。こんなんですけど一応俺の相棒(仮)です」
『仮言うでない』
「随分と其方になついておるの。いやはや長生きはするものじゃな」
『貴様よりは長生きだぞ化け狐』
おっま・・俺がもしかしてと思っていたことをズバッと言いやがって。これで怒ったらどうするつもりだバカ。
「カッカッカッ!!こりゃ一本取られたのぉ!!」
そんな心配は無用だと言わんばかりに笑う女性。彼女の背中から銀色に靡く尻尾が現れた。というかマジでか?もしかしてなんて思ったけどマジで狐かよ。しかも尻尾が1・2・3・4・・・・・9本・・・キュウビかよ。普通に考えたらとんでもないレベルの相手じゃねーか。
「改めて自己紹介でもしようかの。妾はギン。銀刀九尾のギンじゃ。よろしくの」
「アールです。時代人のアール。人によっては剣聖とか星読み人アールとか色々呼ばれてるのでお好きなように」
「剣聖とはまた大物ではないかっ!やはり長生きはするものよ!」
目をキラキラさせて俺を見てくるギン。もし嘘だとしたらどうするつもりなんだろうか?俺は言うのもなんだけど少しは疑ったほうがいいのではないか?
「・・・・自分で言うのも変ですが疑わないんですか?」
「そこの鋼牙狼が懐いているのが何よりの証拠じゃ、疑いはせんよ。それにしても馬鹿弟子め。よくこんな大物と知り合いになれたではないか」
「・・・・・・・・・・・・いやははは・・私もアール殿がそんなすごい方だとは思ってませんでしたよ」
何か妙な空きがあった気がする。もしかして剣聖のこと知らない?いやまさか、一応御伽噺にはなるくらいの知名度らしいし・・・・・・・
「・・・・馬鹿弟子」
「はい?」
「剣聖とは何か知っておるか?」
「いえ、知りません。けどお師匠が言うのだからすごい人なのだと」
「「『・・・ハァ・・・』」」
知らねぇのかよ。知らないなら素直に知らないって言ってもらえたほうが有難かった。ちょっと傷つく。
「え?私もしかして何か失言を?」
「いや良い。話をせんかった妾にも責任はある。アールよ。許しておくれ」
「お気になさらずに」
地味に凹むけどな。
――――サブシナリオ『護衛』が完了しました
――――報酬『4000D』獲得
追い討ちを掛けるようにサブシナリオ達成のアナウンス。意外と地味だな報酬。
狐登場。
ファンタジーの醍醐味です。
モフモフー




