43:決着と後始末
取り巻きを排除し精神を折りにかかるアール。最後のダメ押しとしてついに超越流派の真髄を発揮させる。
そして怒らせると危険な人の素性がついに明らかになる。
風邪気味で寝込んでたところに水かけられたような気持ちでした。
5月19日21時に日刊ランキング二位
アクセス数70000突破口
累計アクセス数が予想もしてなかった100000越え
次の日にはまさかの日刊ジャンル別ランキング1位
驚いてばかりでもう風邪が吹き飛ぶ勢いでした。
皆さんが読んでくれたこと、そして感想と誤字報告をくれたことがとても嬉しいです。
本当にありがとうございます。これからもどうか拙い作品ではありますが、よろしくお願いします。
活動報告でも書きましたが、今後誤字脱字訂正や本文一部訂正作業などを行っていきますのでもしかしたら更新が遅くなるかもしれません。
皆様にはご迷惑お掛けしてしまいますが、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
ボコること10分程度。立ち上がるのは蹴り飛ばし、反撃は受け止めて倍返し。時折同じ動きで攻撃してやってダメージはあちらだけ。何か言おうとしたけど五月蝿そうなので喉を蹴り飛ばして黙らせる。
涙を浮かべそうな時は棍棒で顔を陥没させて涙を引っ込ませ続けた。基本桜華殲滅流だけで戦っているのでダメージは稼げていないが精神ダメージはゴリゴリ削れていると思う。
その証拠にめちゃくちゃ泣きベソかいてるし。時折降参と言いそうな時があるので毎度さまざまな方法で黙らせている。
「『あぁ、あぁ、あぁ、痛い。苦しい、やめたい、この苦しみから解放されたい。けど……』」
「やめt」
「『無理だ。これは終わらない。俺は死ぬが君は死なない。故に終わらない』」
「ぎぶあx」
「『立ち上がれ。困難に挑むのは生者の特権なのだから。死者の俺にはそれがない』」
「俺のまk」
「『羨ましい。だから足掻いてみせよ。選んだのは君であろう』
喉を引き裂き、胸を切り裂き、舌を飲み込ませて言葉を止める。時には体内の空気を全部吐き出させて言葉を止めたり、心臓を暴走させて黙らせる。
そんな風にやっていたらもう10分くらい経っていた。俺としてはまだ動けるが、これ以上やるとリーク達をさらに待たせることになり申し訳ない。
一応これくらいやれば今後こういう事しなくなると思うし、もしやろうとしてもトラウマが再燃する程度にはボコボコにしてるつもりだから大丈夫だろう。
最後の最後に自分で言った事破るけど、今やってること完全に悪役だしだれもイチャモンつけることはないだろう。むしろ悪役っぽくていいまである?あるよね?
「『これが手向けだ。私は約束を破ろう。だから君も自分が選択したことを己で曲げるのだ。生者としての特権を自ら捨てよ。哀れな生者よ』……超越流派奥義『惨星鳥:乙女』」
『桜奏呼吸』『桜華殲滅流演武:再演』『天匠流剣術:血翔鷺』『月光滅流:慈滅ヴェルゴ』
3流派の奥義を組み合わせた奥義。全身の筋肉を停止させ、柔らかくなった肉を剥ぎ取りながらゆっくりと命を絶つ奥義。
一度の剣では殺さずに表面の皮だけを剥ぎ、その衝撃で全身の筋肉を麻痺させる。皮を剥いだ時の血液を刃に乗せて潤滑させることで次の刃をより鋭利に尖らせる。
皮が剥ぎ終われば次は表面の肉を薄く剥ぐ。肉を伝う衝撃は再び筋肉の伸縮を阻害して動きを封じ、身を柔らかく斬りやすくしていく。
自分で言うのはおかしな話だが、この奥義は目で追える程度の速度で切り裂くため行動可能であれば十分回避はできる。
言葉のまやかしに惑わされず、発動前に決定的な隙を見せなければの話だがな。
「『このひと振りが君の思いを奪い、次に熱意を奪う』」
「イダイッ!?イダイイダイイダイグルジィッ!?!?!?!」
「『体の熱は消えて行き、感覚は薄れる。でも苦しみは更に増していく。終わらない苦しみは君を壊していく』」
「グルジ・・・モ・・・ヤメ・・・・」
「『サヨウナラ。そしてこんにちは。君は今日を明日も続けていく。終わらせる方法を私は知らない』」
「も・・・ギ・・ブっ!!・・・・オレ・・・・ま・・・・・ギャァァァァッ!?!?」
「『血肉を啄む鷺よ。せめて彼の肉体を救うために飛び立て。彼の肉を、血を、全て喰らい尽くせ』」
喉元の皮を剥ぎ取り、白き血と共に肉を掬う。痛みで掻き毟ればキズは更に広がり痛みを増す。
それをわかっていても触れずにはいられない痛みを味わう彼。
もはや出来ることは一つしかない。俺もその一言が出そうだから妨害に徹しているがそろそろ潮時だと思う。
「『終わらせられるのだ。魂を救いたいと君が望むなら。感情と思いを込めて口に出せ。それだけが君の魂を救う唯一の手段』」
「 」
もはやそれは何を言っているかよくわからない言葉。だが、唯一わかるのは彼が敗北を宣言したことだ。ギブアップや負けでいいなどの妥協ではない。
自分が敗北したと認めた上での敗北宣言だと、俺は信じよう。これでしばらくは大人しくしてくれると助かるんだけど。
――――リュウオウの敗北宣言
――――勝者『アール』
「次戦う時はもう少し図太い精神力を養ってから挑んでこいよ?」
リュウオウの敗北宣言から数分。ちょいと荒治療で腹に一発ぶち込んでやれば恐怖の感情は綺麗さっぱり吹き飛んで元通り、斬られた取り巻き達も持っていた解毒薬で回復し元通り。
「こんな横暴許すもんか!!!絶対に地獄に落としてやる!!お前のような犯罪者!!」
確かに俺のせいでここまで酷いことにはなったが、そこまで言うなよ。実際に仲間を斬ったのはお前だろ。ちゃんと強い精神力があれば仲間を斬ることなかったし、そもそもお互いに公平なルールで1対1でやればこうはならなかったんだぞ?
というか全然懲りてないじゃん。回復したらこうまでケロッとしやがってこんにゃろう。
「普通に戦って勝てないから普通に戦わなかっただけだろ?」
そもそも通常通りのルールでも俺相手では十分すぎるハンデなのだ。いくら見た目が派手でも与えられるダメージとして見れば多くない。
むしろそっちの方が俺が勝つには時間がかかりすぎるから嫌だったりするのだ。負けるつもりは微塵にもないけど。
「黙れ!!お前!!謝るなら今のうちだぞ!!二度とお前は外の空気を吸えないようにするくらい僕には簡単なことなんだぞ!!」
「え?マジで?」
監禁されるの?怖っ!?ゲーム内とは言え監禁とか怖すぎじゃない?俺にそういう趣味はねーぞ。
とか冗談は置いといて。ゲームに現実事情を持ち込むな馬鹿。そういう基本的なことも理解せずゲームをするのは他のプレイヤーにも、彼の今後のためにもよろしくない。
仕方ない。今度はそういう台詞が吐けないように更に深くトラウマ植え付けるか。
「・・・・・・・あんたの言葉そのまま返してあげるよ。『三上沢英司』」
「っ!?な・・・なんで・・・僕の名前・・・!!?」
とか思っていると俺よりも現実でヤバイ女が物凄くキレていた。ボソッと俺とリュウオウくん一行にだけ聞こえるような声でだれかの名前を口にしたリーク。目が完全にゴミ以下の何かを見る目だ。声にドスも効いていてすごく恐ろしい。そういえば前に言っていた。
俺がやる可能性があるゲームだからリアルネームは全部”把握”しているとかなんとか。
横にいるレイレイも似たような雰囲気だ、多分同じように全員“把握”していても不思議じゃない。
「さぁ?どうだろうね?『鳴海優』『加藤武次』『佐々木龍一郎』『麻部川直之』『雷鳴玄道吉武』『真香凉子』『伊藤美々』・・・私もよく知らないけど名前だけは知ってるんだよね、不思議でしょ?」
「「「「「「「・・・・っ!?」」」」」」」
再び小さな声で誰かの名前を口にするリーク。そしてそれを聞いて激しく動揺する一同。うっわ・・・リークあの連中全員の名前把握済みだぞこれ。
実際に会ったことない奴も居そうなのにPN見ただけで全員判断したのか?良い話も悪い話も全部知ってるなこれ。場の流れが一気に変わったぞ。
さっきまで俺云々と言っていた連中が文字通り青ざめていく。いきなり名前バレしたらそうなるわな。
「ところで・・・万引き・強姦・詐欺・薬・殺傷・イジメ問題ってここにいる皆はどう思う?普通に考えたら犯罪で悪いことよね?うん。そんな人間どう思う?それと浮気とか間男とか売春とか自分の親がしていたりされてたりするのも嫌だよね?私はそんな事する人は酷いと思うの。自分以外の誰かの人生をめちゃくちゃにするなんてひどいよね?それなのにそいつらがもし楽しく毎日過ごしてたら被害者とかどう思うか知ってる?今の世の中情報は一度出たら消せないのが面倒なところだよね?もしそれがスキャンダルとかになったら大変だね?」
「「「「「「「「 」」」」」」」」
「それを賄賂とか使ってさ?裏筋から金と権力振りかざした上で表にあげることも出来なくて、闇に葬る連中っているんだよね世の中。世間からもみ消してノウノウと生きてるこんなことするような奴らは地獄に落ちるべきだと私は思うんだ。人の人生狂わせる奴なんて法が仮に許しても社会が許さないのは常識だよね。うん。これ私の持論だからみんな気にしないでね?」
人を射殺しそうな目でリークは彼らに告げる。
さ っ さ と 失 せ ろ
決して口には出さないが、それがキッカケになったのか、彼らは怯え逃げるように火から逃げる動物のように、その場から消えていった。その顔には恐怖とか怯えとか、そんなものではない、この世の終わりを目撃したような顔だった。
リークだけに流出ってか?自分で考えて馬鹿らしかった。どうせ唯の事だから励久からとってリークだとは思うけど。
自意識過剰だったら恥ずかしいなこれ。
「うふふ、あってるよ、アール?」
さいですか。そう言えばリーク周り見てみ?初めて会った時の俺の時もそうだったけど全員ポカーンとしてるぞ?一部ガクガク怯えてるし。可哀想に、リークの言っている意味を理解しちゃったんだな。合掌。
唯の両親は警察・検察・司法局に至るまであらゆる所に顔が利く。さらに一部の政治家や裏稼業の人間とのパイプを持っており、言うなれば国を裏から牛耳ろうとすれば出来てしまうとんでもない人たちだ。
さらに海外のヤバイ連中との口に出せないパイプも持っているらしく、彼らからも絶対に敵に回してはいけない人物と言われるほどである。見た目はよく居る優しいお義父さんお義母さんだ。呼び方?そう呼んでって頼まれたし。
ちなみに湊も似たような家系、下手すると時代が時代なら国の頂点に位置する家系の生まれなのでかなりすごい。
個人として持っている権限も実績も技量も並大抵ではないので同じく敵にだけは回してはいけない。のほほーんとしたご両親と祖父母なんだけどな?湊の家族。
ゴリラこと裕二はそういう彼らの活動を支援してる裏の支持者だったりする。主に治療とか。後始末とか、解剖とか色々。
これだけで小説の物語が一本出来そうな、嘘みたいな俺の交友関係だが、残念。現実だ。
「さて、邪魔者も消えたしアールの腕も元に戻ったし!!イベントに向けてどうするか作戦会議しよ?」
「賛成ーせっかく『天匠流』習得できる機会だし頑張りたいよね」
「俺はその前に腹減ったから飯食いたい」
何事もなかったように自分たちの雰囲気に戻す三人。相変わらずである。
「じゃ・・・じゃぁ僕はこの辺で失礼しようかなっ!!またねアール君!!」
「おう、またなー」
逃げるように帰っていくルシオン。周囲のプレイヤーも今は不味いと理解したのかそれぞれ散っていった。
「とりあえずマー坊の言うとおり飯でも食うか」
「「「うん/了解」」」
それを当たり前のように受け入れてる俺も流せるようになるくらいには順応してしまっている。
色々あったからこの程度で動揺しないとも言うけどな。
怒らせると危険な人物=ヒロインズです。
そしてついに人前(リーク以外)で見せつけた三流派超越奥義。威力と派手さはお察しのとおりです。
うるさい奴?国家に対して力を持つ相手に噛み付くことが出来ますか?ついでにこの後彼らの出番はほぼありません。お気に入りを傷つけられてまで、加害者を放置してる人がいると思います?
ちなみに通報されてたことをある筋からの協力の元、公平に処分下に過ぎません。彼らからしてもあれは目の上のタンコブでしたので。




