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41:心を蝕む桜華殲滅流

その演武は心を蝕む




PV19000オーバー?

ランキング10位?


正直ここまで来れるとは思っても見ませんでした.....

皆さん本当に本当にありがとうございますm(_ _)m


そして、感想と誤字報告ありがとうございます。

これからもどうか私月光皇帝とプラネットクロニクルをよろしくお願いします



衝撃の強さと復活頻度、攻撃を受けた際の動きからコイツの大体の強さは測れた。レベルやステータスは高レベル、装備も俺がつけている物よりも充実しているみたいだが、プレイヤーとしての実力はそうでもない。いくらかワザと防ぎやすい、反撃に転じやすい攻撃をしてみたがそれに大した反応も見せなかった。



もしも俺に““そう思い込ませる””ために実力を隠しているならかなりのモノだが表情的にそれは多分ない。瞳に大量の涙を抱えながら起き上がり、敵でも見るような眼でこちらを睨んでくるリュウオウ君。



けどその程度の睨みつけでは特に怖くない。機嫌が悪い猫程度の気迫だ。


多分だけど、課金アイテムとか、強い味方とレベリングばっかりして腕を磨いてこなかったパターンだな。それで楽しかったなら別にいいけど、もったいない遊び方してたんだと思うと悲しくなる。



「お前・・!!!一体何をしやがったっ!!」



「普通に攻撃しただけだ。御託はいいからかかってこい。今度は攻めさせてやるから」



「巫山戯やがって!!殺してやる!!」



「はっ、ほざいてろ」



一時的にロールを切り替えているので剣聖では絶対言わないようなことも平然と言えてしまう楽しい状態。『魔剣聖』では慢心・高圧的・圧倒的強者感なんでも来い。残虐戦闘・殺戮行為ご自由に。



流石に一生物のトラウマを植えつけるつもりはないので、腕引き千切りとか螺子切りとかはしないけど、お手玉へし折り関節外しくらいはしてもいいだろう。正直ここまでやれば心折れると思ったんだが、意外に図太く立ち上がるし、まだ威勢がいい。



なので、攻撃が無力だと分からせた上で恐怖を植え付ける方向へ変えることにした。挑発すると簡単に食いついてくれて助かる。



ようやく武器を構えることが出来たリュウオウ君は背負っていた大剣を持ち、走ってくる。そこは飛びかかるとか遠心力を利用してなぎ払うとか、攻撃を見破らせる振りくらいして欲しかった。



「ハァァアア!!!」



「””視え””みえすぎてつまらん」



威勢は良いものの真正面からの振り下ろし程度でダメージを負わせられると思ったのだろうか?前に戦った番人戦の教訓があるのでただ普通に受け止めてやるつもりは無いが、正直普通に受け止めてやっても問題なさそうだ。



「月光滅流『滅剣アスクレス』」



それは““衝撃””のみを切り裂く剣。今持っているのは棍棒なので細かい事を言うと剣ではないのだがそこはいい。



剣筋をずらすように振り下ろされる剣の面へと棍棒を叩き込む。打ち込んだ衝撃は振り下ろしによって生まれた衝撃をかき消し、それだけでは足りず、柄を通じてリュウオウくんの腕の筋肉の動きを衝撃とみなし、それをかき消していく。



「なっ?!」



衝撃が止まり一瞬空中で停止する大剣。その後重力を受けてストンと落ちてくるそれを棍棒で受け止め蓄える。見た目よりも重量があり、考えていたよりも蓄積できたのは思わぬ収穫だ。



「おらどうした?この程度のおフザケで俺を殺せると思ったか?舐めるなよ餓鬼が」



「ゴッ!?」



蹴り飛ばしてやるといとも簡単に最初の位置まで戻ってしまった。少しくらい踏ん張れや。ダメージないだろうがよ?思っていた以上に弱すぎる。予定変更だ。早いけどへし折りに行く。



「もう一回やってみろよ。今度は『月光流』も『天匠流』も使わないでやるから」



「殺す!!!殺してやるっ!!!」



ちょっと挑発してやれば顔を真っ赤にして大きく息を荒げてくれた。お陰で簡単にこっちのペースに乗せれた。



「桜華殲滅流演武:再演『終わりの見えない明日』・・・・・・・・・・・・・・・・・『果たしてそれは出来るのだろうか?』」



さぁ人前&対人で初御披露目の桜華殲滅流の時間だ。歌舞伎をはじめとする伝統芸に催眠術、あとカウンセリングについての勉強を桜華殲滅流の為に、いや正確には桜華戦流の為なんだけど、この際どっちでもいい。とにかくやってきたんだ。



実際の人間相手にどこまで通じるか試させてもらおう。とんでもなく悪いことするけど悪く思うなよ?最初に不正持ちかけてきたのは君なんだからな。



呼吸を変えて力を抜く。周囲の色に同化するようにゆっくりと体を動かし場を整える。迫るリュウオウ君はそれになんの疑問を持たず、同じように斬りかかってくる。そして何か合図するように周りの連中に片手を動かすと、周囲の連中がようやく動き出そうとする。



「死ねっ!!」



「『果たして君は何を斬ったのか?』」



既に俺たち二人を取り巻く決闘スペースの人員の配置と““敵””との距離はすべて把握した。あとは誘導して““始末してもらうだけだ””



「っ!?!??!!」



「『君には見えている。けれど視えていない。故にその剣は俺に届かない』」



気持ち悪いだろう。そこにいるのに触れられない。ここに居ないはずなのにそこにいる。桜華戦流の魔剣聖ルート『桜花殲滅流』の真髄は恐怖を植え付け心を折り、敵が自分で自分の味方を葬るまで狂乱させること。



その恐怖は戦場を満たし、やがて最後に残るのは血塗られ物言わぬ死体のみ。



俺の声のする方へ誘導されながら剣を振り回しながら、リュウオウはその判断力を徐々に見失っていく。それは仲間の姿すらもその目には入らない。



「死ね!!切られろ!!」



「『無理だ。剣は届かない。故に君は無様に踊る』」



「キモイんだよ!!死ね!!死ね!!!消えろぉ!!!」



目で見えている俺の姿を追いかけても俺には追いつけない。俺は見つけられないだろう。冷静さを失いただ斬るしか頭にないリュウオウ君にはもう俺を正しく認識できない。



「そこだぁあああ!!!」



ようやく剣が““体””を切り裂き、体は白い飛沫を噴出させた。



「『お前は何を斬った。体を斬った。けどその体は一体誰の体だ?』」



「ヒギィィィィィッ?!」



「な・・なんでっ!?」



斬られたのは彼の取り巻きの一人。手に持つ紫色の毒々しい瓶ごと体を切られの中身をぶちまけその場に倒れる。



切り裂かれ、彼からすればそれは裏切りとしか言えない。斬られた取り巻きはその切り口から毒に侵され肌を紫へと変化させてその場で苦しみ始める。



「『あぁ酷いな君は。仲間を毒で苦しめる。あぁ酷い』」



「う・・・うるさい!!僕は悪くない!!お前が悪いんだァ!!」



「ガヒッ!?」



元々剣には毒属性が付いていたのか、はたまた瓶の毒が剣に付着したままなのかはわからない。けど、その剣で斬られた奴らは最初の奴と同じように地面へと崩れ落ち、心臓を押さえながら悶え苦しむ。



「『ほらまた斬った。君が仲間を苦しめる』」



「リーダーやめっ」



「死ね!!死ね死ね!!!」



「『また一人、毒が彼らを蝕んでいく。急がないと大変だ』」



「リーダー来ないで!!私は敵じゃな」



「邪魔するな!!お前は僕の邪魔をするな!!!大人しく斬られろ!!!」



「『君の目は節穴だ。ついに仲間を切り始める。ただ周りの人を苦しめる』」



「うるさいうるさいうるさいっ!!しゃべるな!!僕を惑わせるな!!」



「来ないd」



「『もう君の仲間は全員毒で倒れた。周りを見てみろ。全てお前がやったことだ。さぁ目を覚ませ』」



「黙れ黙れ!!そんな幻に僕はまどわされな・・・・・っ!!?!?!」



声色を変えてやればリュウオウの瞳に輝きが戻る。そしてようやく目の前の惨状を正しく目撃した。一緒にやってきた仲間と思われる連中は皆、リュウオウの剣と毒によって倒れている。苦しみ悲鳴を上げる彼らを見て、リュウオウは崩れ落ちる。



「あ・・・・あああああ・・・・・・・ああああああああ!!!!!!?!?!?!」



「『お前のせいだ。お前が苦しめる。仲間だと思っていたのに。彼らの悲鳴は君が起こした』」



「やめろ!!!やめろやめろやめろ!!!違う!!僕じゃない!!お前のせいだ!!」



直視した現実と引き起こした惨劇。その感触は間違いなく彼の手にあり、犯人が誰かを嫌でも直視させていく。



「『お前のせいだ。リュウオウのせいだ。リーダーのせいだ。彼らの恨み嘆き、怒りは君に向けられている。目を逸らすことは許されない』」



「違う違う違う!!僕じゃない!!僕は何もしていない!!悪いのはこいつだ!!」



大粒の涙を流しながら、““声が””する方へと指をさす。だがそこは斬られて苦しむ彼の仲間たち。

俺はというと彼の背後で言葉をつないでいる。



「『どうした?お前の目の前にお前が言う““敵””がいるぞ?斬らないのか?斬られるぞ?』」



「く・・・来るな!!!僕に近づくな!!また僕に斬らせるつもりだろ!!」



「『そうだとも。 俺はお前に斬られるために目の前にいる。 斬らないのか? ““敵””なんだろ? 早くその毒の大剣で斬ればいい』」



「うわぁぁあああ!!!!!!!」



「やめっ!?」



立ち上がり剣を振り下ろすが、そこにいたのはまだ辛うじて剣でのダメージしか受けていなかった仲間たち。急な裏切りに対応できるはずもなく、彼らは無残にも胸元から白の花を開花させる。



「うわぁぁああああ!!!!!!?!?!?」



「『なぜまた仲間を斬った?もしかして君は仲間が嫌いなのか?』」



「『酷い奴だ。俺と戦いながら嫌いな奴を斬っていたなんて』」



「『けど仕方ない。それほど君は彼らが嫌いだったんだろ?なら仕方ない』」



「違うちがう違う!!!僕はお前を!!!」



「『違わない。だってそうじゃないと仲間を斬る理由はないだろ?』」



全くの出鱈目だが、既にコイツの精神は手のうちに収めたも同然だ。少し転がしてやれば面白いように動いてくれる。



「『本当に違うなら““俺””を斬ればいい。ほら、目の前で座っているぞ?』」



「嫌だ嫌ダイヤだ!!!!来るな!!来ないで!!もう来るな!!!」



「『無理だ。だって勝負だもの。俺は負けたくない。けどお前は負けない』」



ここでようやくリュウオウの瞳に恐怖の文字が浮かび上がる。さぁここから勝敗を決しよう。ルールはお前が決めた通りに、俺が戦闘不能になるか、お前が敗北を認めるか。



「『 ここからが本番だ 』」


「『 俺たち二人の戦いを始めよう 』」





もうちょっと続きます。


思った以上に盛り上がっちゃいまして・・・

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