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33:敗北と再度の奇襲

敗北したアールとリーク。街の噴水に戻された二人は相手に関する話し合いを始めるが・・・








休みなので連日更新頑張りました。

平日はまだ二日に一度ペースのままです。



「ぷはぁっ!!!」



エーテリアの噴水にて復活した俺。さっきの後ろからの脳天ぶち抜きはあかんだろお前。

お互い完全に1対1でやる流れだったろうよ。正面にしか神経向けてなかった俺も悪いけどさ。後味悪すぎだろ。



「はぁ・・・・」



「アール・・・・」



チャプチャプと泳いで寄ってきたのはリークだった。まだ噴水に浸っていたらしく水浸しだ。



「ごめんね。何もできないで負けちゃった」



「いや気にすんな。俺もどこかで油断してた。だから気にするな」



俺と同じことをできる奴がいる。そう考えたことは一度もなかった。同じくらい強くても同じ技を同じ練度で使える奴はいないと思い込んでいた。



「修行・・・・しなおすか」



少なくとも剣使った鏡雀で音速まではいけるようにしよう。高速までは今の段階で行けるが音速の壁を剣ではまだ超えられていない。



刀であるならば話は違うがそんじょそこらの鈍らじゃ鏡雀の速度に耐えられず砕け散る。それこそ絶対に折れず砕けない刀とかあればそれに越したことはないが今のレベルで手に入れるのは流石に難しい。



無いものねだりをするよりも、あるもので解決する方がやり甲斐がある。



そうと決まれば剣での修行をやり直そうか。確か課金アイテムで時間加速倍加のアイテム売ってたよな。修行の為に買うか。



「なぁリーク。課金アイテムってどこで買えたっけ?」



「課金アイテムって・・・アールもしかして・・・・キャっ」



「時間加速系のアイテムあったろ?アレゴブリン退治のために買おうと思って」



「あ、そっちか、うん。そっちだよね・・・・・こっちで事に及ぶ必要ないもんね」



ぼそっと何か如何わしい言葉が聞こえたが無視。興味がないわけではないが無視!



「リーク噴水出るぞ」



「え?あぁうん。そうだよね」



着ている服がスケスケになるギミックはないので安心して噴水から出る。水は滴るが透けないのでリークの格好に気を配ることもしなくていい。水の滴るいい女状態ではあるので男連中に限らず女性からの視線までバッチリと全部持っていくリーク。



「そういえばアール。今回の大量発生なんだけど、もしかしたらイベントの前兆かもしれない」



「なに?」



「各地でゴブリン種が大量発生してるみたい。どこもかしこもゴブリンだらけらしいの。それでプレイヤーもかなりやる気になったみたいでみんな動いてる。お人好しのニコニーコさんって人が動いてるのと、アールのギルドでの啖呵に感化された人多いみたい」



なるほど、道理で街のプレイヤーの数が少ないわけだ。イベント関係ならみんな動くだろうしそのニコニーコさん?その人が動いたおかげでみんなが動き出したのは嬉しいことだ。俺の発言で動いたのはそんなにいないと思うんだが?



「ちなみに話は変わるんだけど、アールはあのゴブリン・・・・どう見る?」



あのゴブリン。仮称侍ゴブリンのことだろう。相当強いっていうのが第一印象だ。実力差はそこまで大きくはない。でも一撃で仕留められないとかなり速度に差ができる。



「多分ゴブリン大量発生の中心にいるやつだと思う。じゃなきゃあんな化物ゴブリンお前が知らん訳無いだろうし、それにあの奥義・・・・」



俺でも連発は難しい。良くて一撃が精一杯だ。それを連発できると仮定すれば現状の俺では初撃で決める以外には勝ち目がない。それも刀を使った『血涙雀』を使ってという条件でだ。



「???アール?どうしt「見つけたアールと女狐!!」・・・チッ!!」



「おーレイレイ、マー坊も」



「悪りぃ、遅れた・・・ちょい急患入って対応せにゃならんかった」



「アタシも似た感じかな。それにしても・・・・・」



視線を右往左往するレイレイ。リークは面白くなさそうに睨みつけるがそんなのお構いなしに視線は動く。



「女狐まさか・・・・ゴブリン相手にまけた?」



「・・・・・そうよ」



「うっそ!?マジで!?うっわ!!恥ずかしぃ!!」



「うっさいメス猫!!」



「いくらゴブリンの大量発生とは言えニルスフィア周辺のゴブリンにやられるとかうわぁ!!」



「うるさい黙れ!!アンタだってあのゴブリンに会ったら負けるんだから人のこと笑えると思うんじゃないわよ!!」



「はいはいそうだね?アタシも負けちゃうかも知れないからねぇ?」



ねっとりした返答だが事実なので何も言い返せないリーク。俺の名前を出して俺も殺られたといえば幾らかは緩和できるのに。



言わないのは彼女なりのプライドのようだ。それを蔑ろにするつもりはないので俺からは特に補足をするつもりはない。



「・・・・・・・・・・・・・侍ゴブリン」



「は?」



「アンタ聞き覚えか身に覚えある?」



「ゴブリンナイトじゃなくて侍?・・・・・・聞いたことないけど」



「私がやられたのはソイツ。甲冑を着たゴブリンで武器は刀。攻撃は見えなかったけど首と腕を切り落とされた」



「・・・・・・・・」



「なぁリーク。他に情報あるか?」



「私よりアールの方が知ってると思う」



そう言うと三人はこちらに視線を投げかける。それを肯定するように首を縦に振り話をしようとした。その時だった。



音と共に巨大な赤の魔法陣が上空に出現した。先程までいたニルスフィア大森林の方角。



「アハハハハ!!!ゴブリンだろうとなんだろうと全員まとめて吹き飛ばせば解決よねぇ!!!」



なんか・・・・空中に浮いてるやついるんだけど?しかも複数人いる。やたらとテンションも高いし。



「ありゃ・・・『魔法研究団』の連中だな・・・どうしてこんな所に?」



「魔法研究団?」



「プラクロでは『AS:魔術構成』を使えればオリジナルの魔法に魔術。呪文が作れるの。それを作って楽しんでるのがクラン『魔法研究団』だよ。浮いてるのは彼らが作った浮遊魔術だと思う」



オリジナルの魔法作れるのは驚きだが、それ以上に浮遊魔術まで作れるのか。それは兎も角としてあいつら何しようとしてるんだ?



「多分だけど・・・・ゴブリンごと森を焼くつもりじゃない?女狐アンタさっき『アルマサルヴァトーレ』使ったでしょ?」



「えぇ、使ったわ。それがどうして・・・・まさかアイツら・・!!」



「前に聞いた情報だと『擬似アルマサルヴァトーレ』完成させたらしいわよ」



マジか。あのトンデモ魔法作ったのかよ。すごいな魔法研究会。あれが誰にでも使えるようになるんならスキル書造って売ればかなり儲けられるんじゃないか?



「多分あいつら実戦で試すのにちょうどいいから来たんじゃねーの?それかリークが使ったの見て感化されて使うかどっちかだな」



「ちょっと自信なくすわ・・・今まで私だけの特権だったのに・・・・」



「まぁゲームだからいつかは追いつかれるさ、そんなにおちこ・・・・っ!?」



この感覚・・・アイツもしかしてこっちに来てるのか!?それもワザと気配をむき出しにしてこちらにそれを知らせながら・・・あの野郎!!



「・・・・アール?」



「ちょっとアール!?どうしたの!?」



でも考えれば当然だ。あいつはさっきリークの魔法を見ている。知っている。そして最初にリークを倒しに来ていた。



なら同じものが見えたらどうする?術者をつぶしにくるのは当たり前じゃないか!?



「悪いお前ら!!俺ちょっと行ってくる!!」



「ちょ!?おいどうしたんだよ!?」



「まさか・・・!!!アール!!私も行く!!あんたらも黙ってついてきて!!」



「あぁもう!!後で説明しなさいよ!!」



体に衝撃は全くない。エリシオンで飛ぶことはかなわないからとりあえず全力で走るしかない。術者は今街の上空にいる。



まだ俺にはモンスターが街中に入ってくるのかどうかは知らないが、入れないにしても何かしらの攻撃手段は持ってるはずだ!!



「アール!!」



マー坊が隣につき視線を向ける。手には方天戟が握られていた。流石理解が早い!俺が向かう先を一瞬で判断してくれたマー坊へ言葉を返す。



「頼む!!」



「あいよ!!」



俺の前に出てマー坊は体を軸に大きく回転する。俺はタイミングを合わせて方天戟の穂先に飛び乗る。



「行ってこいアール!!」



「サンキュー!!ゴリラ!!!」



「ゴリラ言うな怪物!!」


振り回された遠心力が力に変わり、エリシオン使用のための衝撃は確保できた。そして全速力で振るったであろう方天戟と共に跳ぶ。



「『風瓶エリシオン』!!」



空高く打ち上がる俺の体。そして空に上がったことで、その姿を明確に捉えることが出来た。原理はわからない。



ただ『月光流』で飛んだ訳ではない。けどそれと同じくらいの速度で””侍ゴブリン””はロケット弾のように術を発動しようとしている彼らのもとへ向かっていた。



俺たちが射角的に交わるのは丁度術者がいる場所ど真ん中。そして彼らはまだ俺たち二つの接近に全く気が付いていない。全力で斬る!!



『・・・・・・!!』



「『超越流派抜刀術『天雷雀』』!!」



俺が使える『十六夜天雷』の全力強化。俺はまだ僅か1秒程度しか持たないその全力強化を使い、カラダが壊れる覚悟で放つ捨て身の抜刀術。術者は救えなくともせめて侍ゴブリンに傷くらいは付けさせてもらう!!さっきの借りはきっちり返させてもらう!



剣が交わった衝撃が彼らの詠唱を中断させた。浮かび上がっていた魔法陣は分散していき術者たちは敵の接近を知り即座に離れていく。どうやら本家のように詠唱失敗しても暴発は起きないようで彼らは無事だ。



だが俺はそうもいかないようだ。ぶつかるほんの一瞬、侍ゴブリンはこちらに気づき剣筋をこちらに全て向けてきた。



一度に三回襲いかかる剣戟だったが、なんとか二度は防げた。けど三回目の一閃は逸らすのが精一杯で左手首を持って行かれた。光の飛沫がそこにいた全員に降り注ぎ、左手と共に地上へと降り注ぐ。



飛んできた俺たちは突撃の衝撃を殺し合い、そのまま交差して街の中央。先程までいた噴水エリアに向けて落下していく。



そしてゴブリンを追撃するように離れていた術者たちが迫っていくが奴の間合いに入った瞬間、喉を切り裂かれて消えていく。



そのおかげではっきりした。奴が使ってるのは間違いなく””アレ””であると。




人間ミサイルとゴブリンミサイルの衝突。第二ラウンド勝者は侍ゴブリン。

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