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318:久しぶりの幼馴染対決

誰と誰が戦うんですかねぇ(すっとぼけ)

とりあえず各自、自由行動となった。リーク達女性陣は何やら話があるらしく皆でどこかに行った。去り際マリアーデに『覚悟して待っているのだぞ愛弟子』と言われたのが不安ではある。



「ほら頑張れー。負けた方は外周マラソンだぞー」



俺はというとまたこうして騎士団の修練所に足を運んでいた。特にやることもなかったし。



三国、まぁ王国の公爵は早朝直ぐに帰ってしまったけど、ゼアリードの重鎮はまだいる。だからといって日頃の鍛錬を疎かにしていい理由にはならない。



勿論全員ではないが、数人の騎士達はこうして修練所にて自らを鍛えているわけである。という訳でちょっと考えることを止めたかったので唐突に始めた勝ち抜け形式の模擬戦。



最弱騎士の座に就いた騎士には体重の四倍相当になる荷重を背負って、明日の早朝マラソンを走ってもらうことにした。



「ハァァァ!!!」



「ディヤァァ!!!」



戦っているのは獣人種猫族の騎士と魚人種鮫族の騎士。それぞれの獲物は剣ではなくその肉体。どちらも戦闘スタイルは近接格闘。



猫獣人騎士はその軽やかな身体能力で相手を翻弄して急所への一撃を叩き込むアサシンスタイル。対する鮫魚人騎士は重たい一撃を放つパワーファイター。なんでもいいから一撃入れてしまえば勝てるというデストロイヤースタイルって所だろうか?



無論彼らが弱いわけじゃない。他の騎士に劣らず彼らも凄まじ強さの騎士である。まぁ勝負は

時の運とも言うし、こればっかりは仕方がないさ。



「セイハァッ!!!」



「ニャギィッ!?」



「そこまで! 勝負あり」



鮫魚人の後ろに回った猫獣人に見事な後ろ回し蹴りが直撃。体をくの字に曲げて吹き飛んだ猫獣人を見て試合を止めた。



「すまん。大丈夫か?」



「アイテテテ・・・一応無事だよ・・・けど痛ぁぁ・・・」



倒れた猫獣人に手を差し伸べる鮫魚人、握り返す猫獣人は蹴られた箇所を摩りながら、他の騎士が渡した回復のポーションを飲み込んでいく。



「んじゃそこの猫。明日の外周マラソン負荷四倍で走れよ」



「了解であります剣聖殿!」



さてと、この辺で一端休憩挟むとしよう。既に模擬戦を終えた騎士たちには自主鍛錬か、残っていた模擬戦を観戦させていた。



「よろしい。それじゃぁ全員三十分の休憩だ。それが終わったらまた模擬戦やるから覚悟しとけよ」



「「「「「「「はい!!」」」」」」」



さてと、無事に場所も開けることが出来たし、俺も少し基礎鍛錬くらいはしとこうかね。



「うわぁ・・・アールお前うわぁ・・・」



「んだよゴリラ」



「お前どこいってもこんなことやってるのな。ある意味尊敬だわ」



現れたゴリラの第一声がこれだよ。しかもずっと見てたのかチラリと休憩を始めている騎士たちを見てからもう一度言いやがった。



「いいだろ別に。そういうスタイルで楽しんでるんだから。それに結構楽しいゾ? ハッチャけても怒られること少ないし」



「それはまぁある意味楽しそうではあるけどよ。もっとこう・・・あるじゃん?」



「例えば?」



「・・・強敵モンスター討b・・・ごめん。やっぱ無しで」



「オイこら今何を思った?」



「あれだろ? 強敵は探すより育てる方が早いってことだろ?」



否定はしない。けどそう簡単に育ってくれるなら俺だって苦労はないよ。だからって縛りプレイする気はサラサラないし。たまに全力出して戦える機会をもらえるからそれで良いといえばいいんだけどさ。



「その顔、限りなく近いけどハズレってかんじか」



「そうだよ。それにNPC相手だと命かけた決闘とか出来ないからなぁ。今後のプレイヤーの成長に期待って感じ」



そういう意味では蒼牙とかニコニーコとかは見込みがある。それに真化ジョブ持ちも少しずつ増えてきたから、彼らにも期待できる。



「なるほどなー。じゃぁアール。俺と殺るか」



「なにその無理やり繋げた感」



「と言うか俺がここ来たのお前と死合するつもりだったからだしよ」



今試合が死合になってなかった? いやそれはいいけど。



「珍しい・・・と言うかマー坊と殺るのあの時以来か?」



「だな」



あの時、つまり最初に俺とマー坊が喧嘩、と言うか腹の中をさらけ出して殴り合った日以来かもしれない。簡単な手合わせとかはしてたけど。



「どうよ? 前より俺も強いぜ? もしかしたら勝っちまうかもな」



「上等だこのゴリラ野郎。返り討ちにしてやんよ」



そんなトントン拍子で話は進んでいく。





――――◇――――





「ルールはどうする?」



「禁止行為なしのデスマッチ一択」



流石に修練場で暴れると下手すればぶっ壊してしまうので中庭へ移動。まだ結構人がいると思ったんだけど案外少なかった。騎士は皆持ち場にいるし、プレイヤーも徐々に帰り始めていた。



なので試合するには絶好のタイミングではあった。ギルド戦とかになると別空間に飛べるんだけど、個人戦になるとその場で戦う事になる。だからこうした広い中庭があるのはありがたい。



万が一があっては困るので『星の錬金術師』の力で作ったアイテムで周囲の保護はしていく。あと結界アイテムの用意も忘れない。



俺が試合環境の準備をしている間に、マー坊が決闘のルールをウィンドウ操作でまとめていく。とは言っても先程行ったようにルール無用のデスマッチなので簡単なものだ。



――――◇――――

・決闘申請『俺はマー坊』

・試合形式:デスマッチ

・ルール:回復アイテム使用不可

・勝敗条件:どちらかが戦闘不能、もしくは『状態異常:瀕死』になるまで

・時間:無制限


承認しますか? YES/NO

――――◇――――



「こんな感じでどうよ?」



「異議なし」



戦闘不能は俺に対して、瀕死はマー坊に対してだ。エクストラとエキスパートの違いがあるからこういう配慮はありがたい。だってエクストラモードにHPの概念あって無いようなものだし。



「俺が言うのもあれだけど、アイテム使用不可で大丈夫か? お前切り落としたら死ぬだろ?」



「ディアもヴェノもいるから平気だよ」



それに今は『艶姫鳳戦刀:コンゴウ』の能力もある。心臓と脳を同時にやられたらおしまいだけど、胴体切られたとか、臓器をえぐり取られたくらいなら死にはしない。その後戦えるかどうかは別と考えるけど。



だって絶対痛いやつだし。痛みは人並みに感じるんだからな。



「あぁ、お前今そいつらいるんだったっけ。じゃぁ大丈夫だな」



「寧ろ俺がお前にこれでいいのか聞きたいんだけど? 普通にかなり回復できるぜ今の俺」



「安心しろ。俺も回復スキルガン積みしてるから平気だ」



「うわこいつえげつねぇ」



「どこぞの神拳よろしく身体破裂させる攻撃できる奴に言われたかねぇよ」



そりゃそうだ。お互い異論は無いということで内容の確認を終えてマー坊に画面を返す。



――――◇――――

決闘成立

試合形式:デスマッチ

勝利条件:対戦相手を戦闘不能、あるいは瀕死状態にする。

試合時間:無制限

ルール:回復アイテム使用不可


間違いありませんか? YES/NO

――――◇――――



それぞれのウィンドウに表示されているYESに触れると画面が消えた。そしてちょうど俺たちの中間にある空中に表示される『試合中『アール』VS『俺はマー坊』 経過時間00:01』の文字と、それぞれのHPバー。



もう見慣れたこの光景だが、やっぱり『俺はマー坊』の文字を見るのは新鮮だ。ちなみに試合開始の合図はない。ルール無用のデスマッチだから仕方ないね。お互い承認した時点で既に試合は始まっているわけだ。



「承認した瞬間に不意打ちはしてこないのな」



「するかボケ。真正面からアール倒すつもりでやんだ。そこは譲れねぇよ」



何げに律儀である。まぁ俺もワクワクしてるから仕掛けなかったんだけどさ。



「んじゃお互い殺り合おうか」



「先に言っとくぜアール。油断したらぶっ殺すからな」



「おうおうやれるもんならやってみな。出来るもんならな」



「よぉし俺決めたぜ。お前に黒星叩きつけてやる」



「御託はいい。先手は譲ってやるからいつでも来いよ」



「いったな? これで負けても言い訳すんなよ?」



「しねぇからかかってこいゴリラ」



「言質撮ったからな相棒!!『オーバードライブ』!!」



直後、数メートル離れていたその距離は、一瞬でゼロ距離となっていた。


アールVSマー坊

何げに超久しぶりに対戦します。二、三話戦闘が続きますのでお楽しみに

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章から全体的に波に乗れてる感が伝わり、テンポ良く読める。 内容がコンパクトにシンプルに纏まってるので、分かりやすくラノベで有りがちな、「こいつ誰だっけ?何の事だっけ?」が感じられない。…
[良い点] やったぁー!戦闘だぁぁ! ありがとう!もう一生ついて行くう~!
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