13:初?戦闘・・・・・戦闘?
別流派の技がついに出ます。
「「「魔闘士っ!?」」」
「そ、魔闘士」
星読み人は明らかにまずいのでサブジョブである魔闘士は教えることにした。まぁ三人の反応でなんとなくこのジョブも序盤で手に入るジョブじゃないのは理解した。
「うそ・・・・いくら最上級ジョブとはいえ・・・あの魔闘士なんて・・・・ハズレジョブじゃない・・・!!!」
「え?ハズレなの?」
リークの言葉に驚きを隠せなかった。ハズレ?このジョブが?嘘だろおい?見てみろよこの説明とスキル構成。
最上位職業:魔闘士
・魔術による誓約とともに戦場を駆ける職種。攻撃スキルは一切持たず、常に発動し続けるスキルのみで戦う。其の困難は並大抵ではないが全ては己が目指す頂のために
武器:篭手
専用スキル
・魔闘士の誓いLv1:発動後30秒間、攻撃もしくは防御を行う度に攻撃力・防御力が『スキルレベル×30秒』間上昇する。ただし発動後に攻撃もしくは防御を行わない場合、HPが半減する。
・魔闘士の祈りLv1:発動後30秒間、攻撃もしくは防御を行う度にHP・MPの5%を回復する。ただし発動後に攻撃もしくは防御を行わない場合、ステータスが半減する。
・魔闘士の契約:レベルアップに必要な経験値が3倍になる。ただしレベルアップ時の取得ポイントが全て3倍になる。この効果は重複せず、他に経験値に関する効果がある場合でもこちらが優先される。
・魔闘士の技能:複数の武器を同時に装備できる。
・受け継いだ魂:自分以外のパーティーメンバーが瀕死状態になったとき、『スキルレベル+1×30秒』の間『魔闘士の誓い』『魔闘士の祈り』のデメリット効果を無効化する。
ソロプレイヤーだった場合は最後の魂のスキルは無意味だけど味方瀕死でデメリット完全無効化とかだぞ?
「アール、このゲーム序盤はそうでもないけどやり込めばやり込むほどなかなか攻撃当てられない敵とか防御したら防御力貫通でダメージ与えてくる敵とかいるんだよ」
「へー」
「だから絶対に変えたほうがいいよ!!しかもレベル上げするのにめちゃくちゃ大変なスキルまであるの!絶対に変えたほうがいいよ!!」
「悪いことは言わないから今すぐ変えよう?剣聖物語やってたなら剣士とか絶対にアールには向いてる」
凄い批判だ。不評だなこのジョブ。まぁ確かに攻撃当てられないとか防御できない攻撃とか来たら終わるし言ってることは理解した。
「まぁいいや。俺としてはこれが一番向いてると思うし気に入ってるんだ」
「「「嘘/でしょっ/だろっ/!!??」」」
「嘘じゃない。(月光流と)相性いいし」
攻めさせて倒すからな。受け止める=防御にならないわけないし最高といってもいい相性だろ。
「ううう・・・・そこまで言ってるならあたしには止められないよぉ・・・」
「まぁ・・・そのなんだ。もし気が変わってジョブを変えても俺たちは笑わねぇから変な意地は張らなくていいからな?」
「サポートは全力でするから」
「あいよ。とりあえず移動しようぜ。せっかく始めたんだ。(洞窟以外で)初戦闘したいし」
嘘は言ってない。嘘は言ってないぞ?
とは言ったものの、聞けば街近郊の森林ではモンスターの出現率は低いらしい。なので俺たちはマー坊の案内のもと次の町がある方向へと足を進めている。
さて何が出てくるだろうか?定番だとスライムとか狼、それともゴブリン?なんにせよ始めてまともな奴と戦うわけだ。
「いたよ。正面20m先、ゴブリン二匹と左17m先の木の上にゴブリンアーチャー1体」
「情報が足りないよ女狐、42m先にランドウルフ4匹の群れがいる。ゴブリンはそいつらを狩るつもりみたい。あと右斜め64m先にレアモンスターのゴールドスライムがいる。経験値狙いならそっちからが良いよ?」
「・・・ちっ!」
「いや二人とも相変わらずどんな感知能力してんだよ」
リークが指差す方向にいたのは1mほどの背丈で全身緑色、棍棒と斧を持っている生命体、ファンタジーの定番であるゴブリンが二体いた。木の上には確かに何か気配を感じる。
枝に隠れて姿形は見えないが弓持ちのゴブリンがいるんだろう。狼とスライムは気配はわかるが目視はできない。よくわかるなこの二人。
「ジョブ『密偵』のスキルでね?この程度は出来て当然なの」
「スキルを使わないとわからないメス猫が調子に乗るな」
「あ゛あ゛!?スキルなくてもこの程度わかるわ女狐っ正確な情報でアール助けたかったから使ったに決まってるのにその程度も理解できないの!?この能無し女狐が!!」
「先にお前を始末してやろうか!?」
「上等!!!!」
「声でかい!!!俺を間に挟まないでくれないか!!!!?」
「マー坊、お前が一番声でかい」
「あ」
今の大声でその辺のモンスターに位置がバレたみたいで視線と注意が全部こっちに向いていた。一匹逃げているようなのでおそらくスライムは逃げたみたいだ。
「「このゴリラ・・・静かにしてよ」」
「わ・・・悪い・・・」
「そもそもお前ら二人も喧嘩するなや」
にじりにじりとゴブリンらしき奴らは近づいてるようで距離が詰まってきている。狼の群れは様子見してるのか動かない。
弓持ちは依然動いていないが間違いなくこちらを狙っている。先に潰すか。
「アール?小石なんて拾ってどうするの?」
「こうするの」
野球のピッチャーよろしく大きく振りかぶって木の上めがけて全力投球。もちろん月光真流で衝撃を乗せたため威力は折り紙付きだ。
『月光真流参ノ型:月火』
この技は投げる。振るといった動作で起きる衝撃を体に循環させる技。もちろん白月と同じように循環させずにそのまま方向転換させることもできる。
なので今投げたビー玉ほどの大きさの小石でも銃弾並みの威力は出せてると思う。
『グギャギャァ!!!!?』
断末魔とともに木の上から地面に落ちてきたのはなかなかいい装備をしていたゴブリンだった。こいつがゴブリンアーチャーか。デコに風穴空いてるから小石は直撃したみたいだ。
『ギャギャギャ!!!!』
途端近づいていたゴブリンが襲いかかってきた。目標は一番近くにいる俺のようだ。まぁ仲間がやられて焦り一気に勝負を決めに来たんだろうがそれが過ちだ。
「おらよ」
双子星の剣を抜きなぎ払うように一体目の首に一閃。勢いそのまま脳天から地面に串刺しにするようにもう1匹へ剣を刺す。
しつこい様だが月光流は基本使っている。いちいち構えなくともこの程度なら呼吸一つ変えるだけで出来なくては流派の継承者とはいえん。武器の攻撃力も多少は影響あるだろう。
バレないようにやれば問題ないであろうというのが俺が出した最終的な答えでもある。だからバリバリ使っていこう。
首は落ち、ドサりと体が倒れる一体目、目をひん剥いてズルリと胴体が滑り落ちる二匹目。血のエフェクトの代わりに飛び散る白い光がショッキングな光景だ。
それぞれ斬られた部位が地面に落ちると二匹の体はガラスのように砕け散った。
「アール!!!」
「お前ら俺の前に出るなよ?」
それを理解したのか、俺を脅威認定したのか、はたまたチャンスと見たのか。奥にいた狼たちが一斉にこちらへ向かってきた。狼どもが漁夫の利目当てでやってしまおうという魂胆が丸見えだ。
それをいち早く察知したレイレイが俺を守るために前に出ようとするがそれを制止、剣を一度鞘に戻し、狼が視界に入るのを待つ。
新人の剣で出来た斬撃の届く範囲は5m程度だったはず。狼は横一列で並んでいるのを感じる。なら一閃で十分だろう。距離8・・・・・7・・・・・6・・・・・・今
「天匠流抜刀術:鏡雀」
――――――
刀じゃないので鞘に戻した時の綺麗な金属音は出せないが鉱物同時がぶつかる金属音は鳴らせた。一瞬訪れる無音。
まるで止まったかのような一瞬の時間。草陰から飛び出してきた四匹の狼は縦に体を裂き地面に落ちながら光となって消えていった。
『ゴブリン2体を倒しました』
『ゴブリンアーチャーを倒しました』
『ランドウルフ4体を倒しました。』
『レベルアップ!アールLv2となりました』
『SP15取得』
『合計562Dを入手』
『狼の肉×1・子鬼の棍棒×1を入手』
レベルがあがった。それとどうやら1度の戦闘は周りに敵意あるモンスターを全て倒す、もしくは逃走していなくなるまでみたいだ。
「ばっ・・・抜刀術かよ・・・・・・・」
「さすがアール。惚れ直したわ」
「あの小石もしかして『鋭石』だったのかな?まぁいいか、初戦闘無事勝利だね」
まぁゴーレムに比べたら天と地ほど差があるしこれくらいは余裕だ。
『天匠流』
簡単に言えば抜刀術を極める為の流派。剣聖ルート『天匠流抜刀術』はあらゆる行動が全て一太刀の為に存在している。
魔剣聖ルートだと『天匠流剣術』となりさらに速くするために極悪非道とも取れる剣技がいくつか存在している。
月光流ほど人気ではなかったが見えない剣筋に憧れたプレイヤーは数多くいたとか。
「しっかし・・・まさかアール、道場クエばっかりやってたのか?」
「まぁそんなとこ、それより先進もうや?」
半年以上抜刀と納刀ばかりやる修行の成果は伊達ではないんだよ。ゲーム内だから一眠りが一瞬だし寝て起きて修行のサイクルは今思っても異常だと思う。
『ゴブリンアーチャーを倒しました』
『ゴブリン三体を倒しました』
『レベルアップ!アールLv5になりました』
『SP15取得』
『合計443Dを入手』
『子鬼の手斧・子鬼の弓矢を入手』
それから特に苦戦することなく、ゴブリン13体とゴブリンアーチャー3体、ランドウルフ11匹にランドウルフ亜種が二匹と戦闘し、一撃で片付けていき、気が付けばレベルは5まで上がっていた。
アイテムもいくつか入手しゴブリンの武器が合計7個、狼の素材が合計8個くらい集まった。
他にもフィールド入手アイテムもリーク達の案内もありそれなりの数を入手した。
取得したステータスポイントはまだ振らずとりあえず様子見だ。通常よりも多くもらえているから適当に振ってもある程度の上昇は見込めるが如何せんエクストラモードなので身体的変化と能力値補正は無いし。
それになんでもSPを使ってスキルを覚えることが出来る便利屋があるらしいのでそっちに使うほうが良さそうだ。
「この辺のモンスターじゃアールの敵にならないね」
「うーん・・・正直あたしもここまでアールが戦えるとは思ってなかったよ」
「ふん、メス猫は知らないのね。アールは『剣聖』を5年近くやってたのよ。このくらいは出来ない訳ないじゃない」
「先に言っとくが喧嘩するなよ?」
「わかった自重するよ・・・・・それなら納得できるかも。ってことはあの抜刀術は鏡雀?」
「あぁーなるほど。それなら体がなんとなく覚えてそうだし使えてもおかしくねぇ・・・・のか?」
何となくではなくしっかりと覚えているがとりあえず適当に相づちを打って流しておこう。下手に勘繰られるのはあまり好きじゃない。
「ねぇアール?かなり戦えるのは自分でも把握できたと思うし、もしよかったらエリアボス倒しに行かない?」
リークの提案を断る理由もないな。正直このくらいでは味気ない。せめて一撃で多段ヒットする攻撃をしてくる敵くらいは出てきて欲しい。
「むしろコッチから頼みたい。ボスなら歯ごたえありそうだし」
「女狐・・・あんたもしかしてアールにいきなりあの木と戦えって言ってるの?」
「あぁ、そういえばここのボス木だっけか」
「アールならいけると思うし問題ないでしょ。アールも賛成してるんだから横槍入れないでよメス猫風情がっ」
「・・・・・喧嘩するなって言われてるから自重してやるわ。今度覚えてろよ女狐風情が」
「やっぱすげえよアール。この二人こうなったら何時も戦闘そっちのけで殺り合うのに今こんなに平和なんだぜ?」
「見慣れてる」
ある剣士は言いました。
『居合抜きが剣術の究極系だとは聞いていたが、そこまで早いものだとは』と
それを言わせた人物と同じことができる主人公くんです。




