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7:VS試練の主。戦いの中、蘇る剣聖

ブックマークが9件も・・・!!!

感謝しかない・・・!!!!!圧倒的感謝・・・・・!!!

ステータス

『アール』

Lv1

HP 100

MP 20

攻撃力 111 防御力  -11

魔力  5   素早さ   34

命中率 10   幸運   10


メイン職種・  サブ職種・

称号 なし


所持金 780D


装備

武器 光結晶の篭手(攻撃力+100 防御力-20 素早さ+10)

武器 新人の剣(攻撃+5)

頭 なし

胴 スティールアーマー(防御+3)

腕 光結晶の篭手(武器)

腰 スティールコート(防御+3)

足 旅人の靴(防御+3 スキル[旅人の心得Lv1])

その他 プラレア手製のお守り(AS:プラレアの加護)

アクセサリー ほうき星のお守り(素早さ+5 命中率+5)残り回数2回


[アクティブスキル]

・旅人の心得Lv2

・プラレアの加護Lv1

・ガード Lv1

・アルティメットカウンターLv3

・真撃Lv3

・月光流Lv2

・クリティカルブレイカーLv2

・復活Lv1

・負けるが勝ちLv1

所持品

・HP回復の林檎(小)×5

・MP回復の葡萄(小)×3

・光結晶×34

・星屑の光結晶×28

・光結晶の篭手×4



この場所で戦い始めて二時間くらい経っただろうか。他の技もどれだけ使えるか、またここの敵は復活するのかなど調べながら戦い続けた結果、敗北すればすべてのゴーレムが復活すること、泉に入れば体力が全快すること、泉に入っても敗北しなければゴーレムは復活しないこと、『月光流』に限らず『天匠流』『桜華戦流』どちらも前のように使えることが判明した。



UtSも使用を重ねることでレベルが上がることも分かり、ギリギリまでレベル上げのためにゴーレムを砕き続けLv2からLv3まで上げることができた。さらにレベルアップの恩恵はかなりデカかった。



単純に二倍三倍と倍加するのだ。弱いわけがない。とりあえず合計三時間弱を使い、レベルアップさせていった。



それからさっき詳しく見てなかった『プラレアの加護Lv1』と20000人ダウンロード記念の品として配布されていた『スキル書』にて習得した『復活Lv1』の効果はかなり強かった。


プラレアの加護Lv1:戦闘中に自分のHP以上の攻撃を受けたとき、スキルレベルの分だけ相手から受けるダメージが自分のHPの90%になる。



復活Lv1:瀕死状態の時(Lv)度だけHP1で復活する



加護は一度だけだが攻撃を無効化できるスキル、復活はそのままの意味で復活するスキルだ。かなり強い。試しに『ほうき星のお守り』を外してダメージを受けてみたところ『プラレアの加護』でHPは一度だけ10残り、復活では文字通り一度だけ復活した。



試しに二回目も受けてみたが二回目はダメだった。繰り返せばレベルが上がるかと思い試しに装備を全て外してゴーレムにミンチにされることにした。正直痛かった。



別に紙装甲超えて生身以下の防御力だったので外す必要はなかったが敗北して全装備紛失なんてことになるのは嫌だったので外した。



数をこなせば攻撃を受ける場所もわかってくるし工夫すれば痛みはそこまで大きくない。気分は駆逐されるゾンビだった。


ちなみに負けても装備は紛失しなかったので途中からは付けた状態で倒されていた。何度も繰り返していると途中ゴーレムの『またお前かよ』みたいな表情があった気がしたのでそいつは綺麗に砕いて差し上げた。



そんなことをやっているうちに『AS:負けるが勝ち』なるスキルも手に入れた。これがなかなか便利だ。



負けるが勝ちLv1:瀕死状態になったとき、そのモンスターのレベルに応じて経験値・SP・Dを得る。



伊達に同じ場所で100回以上瀕死になってない。正直もうやりたくはない。だって『復活』はこれだけやってもレベルは一切上がらないのだ。もしかしてなんて思ってた分ショックはある。



代わりにゴーレムの動きとか攻撃パターンとか、攻撃にかかる秒数とかは全部把握できたけど別にいらん。



そうしている内に、気が付けば唯と裕二に合流する時間が迫ってきた。なので現在、道中のゴーレム全部片付けている。ちなみに途中の広い空間はなんか『クリスタルゴーレム亜種』とか言う奴が出てきた。通常個体よりも体力があるようで一撃では倒せなかった。でも何度か受け止め殴り斬りつければ問題なく倒せたので割愛する。



後何げに『星屑の光結晶』なるアイテムが希に手に入ったがアイテムの使用方法などの詳細説明が開けないエクストラモードではよく価値がわからない。強化素材であることはわかるんだがレア度がわからないし今のところは無用の長物だろう。



そんなことを繰り返しながら最初の扉の前から大体30分程度でこのダンジョンの最奥地である巨大空間の前まで来た。ここまでに倒したゴーレムの数は累計100から数えてない。そしてこのフロア、殺風景だが間違いなくボスいるだろこれ。



都合よくボス前に泉や回復できるスポットはないし、特に準備も必要ないのでフロアに足を進める。進んでいけばいくほど明らかにボスでございます的な雰囲気が増してきた。周囲を確認するもそれらしき姿は見当たらずもしかして拍子抜けかと思った。けどまぁそうは問屋が下ろすわけがなく、フロアの中央に差し掛かったそんな時だった。



急に地震が起きた。しかもかなりデカイ。震源は・・・・俺の足元・・・・何か来るな。

咄嗟に後方へ飛んだ瞬間、地面がうねりを上げて盛り上がる。地面は腕を作り、脚を出す、周りを巻き込むように作り上げられていく巨大な胴体。この間わずか五秒程度で全長5m以上ある巨大な人型ゴーレムが生まれた。



『オオオオオオオオ!!!!!』



「へぇ?・・・お前は声出せるのか」



なら間違いなくボス的な立ち位置にいるのは間違いない。つまりコイツを倒せば無事クリアってことか。



「やってやろうじゃねーか!来いやデカブツ!!」



弱点らしきものは見当たらない。だが見た目は道中のゴーレムをデカくしただけ、なら構えるはいつもの『白月』。コイツでとりあえず様子見だ。こちらが構えたことでゴーレムも戦闘態勢と移行したようで巨大な腕を振り下ろしてきた。カウンター狙いの一撃で迎え撃つ。



が、この時もう少し考えるべきだった。時間は迫っていたが焦ることもなかったなんて言うのは言い訳だ。油断しないと決めていたが、どこか気持ちは緩んでいたようだ。よく考えればすぐにわかる。コイツはどうあろうとボスなのだ。



「『白月』・・・グォオオオオ!?」



受け流し、受け入れた衝撃が自己主張するがごとく跳ね返る。力の動きが全く予想のつかない不規則に暴れまわる。脳を掻き回し、全身が砕かれる感覚。気を失いそうな痛みで体が悲鳴を上げる。



エクストラモードではシステムアシストがない以上、痛覚遮断や緩和などは機能していない。体内でミキサーを回される気色悪い感覚が襲いかかる。もちろん本当に死んでしまわないようにリミッターは掛かっているはずだがそれでもキツイ。



正直最初に受けた奇襲など比べ物にならない。何度味わってもこれだけは慣れない。



「てっめまじ・・・・ですかおい?」



最後に見た光景は振り上げられていたもう片腕が俺の顔面を砕く一瞬前だった。




















「あんのやろう・・・・!!!」



復活したのは見慣れた泉の中。プラクロ初めての事故死と自爆特攻まがいの行動以外での瀕死、しかも自分の判断ミスでなってしまったわけだからかなり悔しい。けれどそれ以上にあのゴーレムを倒すと燃え上がっている俺もいる。



泉から身を出してまずは自分の状態を確認する。装備は壊れている様子はない。ステータスは見られるので確認するも全快の状態だ。ここまではゾンビ作戦でやっていたからいつもどおりだ。問題はここからだ。



まずは『ほうき星のお守り』を確認する。さっきはしっかり装備していたからあの攻撃は耐えられたはずだ。


ほうき星のお守り

素早さ+5 命中率+5

1度の戦闘に1回だけ自分のHP以上の攻撃を受けるとき、ダメージを無効にする。3回効果が発動すると『ほうき星のお守り』は壊れる。

残り回数 1回



残り回数は1回。つまりあの時ほうき星のお守りの効果は確かに発動していたってことだ。なら何故か?


可能性とすれば『プラレアの加護』の効果と重複して意味を成さなかった可能性だ。向こうはダメージを90%にする効果だ。こちらは無効化。発動条件は同じように書いてある。だがこれはないだろう。



お守りの発動条件は『受けるとき』つまりダメージが発生しこちらに影響を及ぼす前だ。対して加護の効果は『受けたとき』影響を及ぼしてから発動する効果。もちろんこれが正解なのかは定かではないが多分間違っていないだろうから問題から除外してもいい。



次、『白月』に関してだ。この技は例えどんなに大きな攻撃であろうと一撃を受け止めることは可能だ。ダメージ判定が『剣聖物語』とおそらく同じだし。こっちでも反撃せずに何度も道中のゴーレム相手に殴り込んでもらい確認しているのでこれもクリア。



最後、UtS:アルティメットカウンターだがこれはおそらく発動したはず。感覚的なもので決定的な証拠はないが間違いないはず。だから無効化には成功していたと思う。



これでつまり”3回”は攻撃の無効化には成功していたことになる。となれば話は簡単。あの攻撃の正体は・・・



「多段ヒット攻撃かよ・・・・」



あの振り下ろし攻撃には少なくとも四回攻撃があったと考えて間違いないだろう。そういうことならば納得がいく。



あの何度もミキサーされる感覚は何度も何度も連続して攻撃を受けたことで『アルティメットカウンター』・『お守り』・『白月』にて攻撃を無効化した後、それらを貫通してダメージを受けたことで『プラレアの加護』が発動して起きた結果であると考えに行き着くわけだ。



となれば・・・・一撃を返すカウンター主体の攻撃はすべて封じられたことになる。あいにく一撃が多段ヒットする攻撃を止められる技は流石にない。



となればこちらから攻撃する他ないのだが残念なことに俺のステータスでは素直に攻撃して多分あいつを倒すまでに少なくとも四時間は必要になると思う。



武器に剣とか槍とかがもう少し手に入るか、鞘付きでそれなりにいい剣が手に入ってるなら三十分あれば倒せると思うけど無いので無理。



残り時間はあと二時間。普通にやっては間に合わない。それはマズイ。ならば方法は一つ。全部ぶち壊してしまう。



技の試し打ちは成功しているので使うことはできる。問題はそれが有効打になるかどうか。あいつが物理無効とかのボスでギミック解除型なら時間的な問題が詰む。



「仕方ない。気合でやるか」



だが約束の時間を守るためにはやるしかない。待ってろよデカブツ、今度は勝つ。



「あ・・・・そういえばまた道中のゴーレム復活してんのかそういえば・・・」



少し休んでから向かおう。うん、ちょっとめんどくさいとかは考えてないからな?









また30分ほど費やしてボス前にたどり着いた。入口前からフロア中央に鎮座している巨大ゴーレムの姿を確認できる。さっきのように急に現れることはないようだ。多分入った瞬間に襲いかかってくるだろう。



ステータスと装備を確認、不備がないことを確認して雪辱を果たすためにフロアに脚を踏み入れる。ついでにここまでに蓄えられた力の感覚も確認しておく。一歩進む。うん。大丈夫だ。これなら行ける。



『・・・・・・・・オオオオオオオオオ!!!!』



思った通り、入った瞬間ゴーレムは立ち上がり戦闘態勢へと移行した。何か仕掛けてくるのはわかりきっている。先手を取らせる気はさらさらない。身を低くして今にも飛び出さんとするゴーレムよりも早く、その懐に入り込むべく全神経を足の裏にある空間に集中させる。



この技は失敗すると自爆技に早変わりしてしまう。だから気を抜かない。空気抵抗の一つですら見逃してはいけない。この技は『空気を蹴ることで生まれる衝撃を扱う』技なのだから。



『オオオオオオオオ!!!』



「月光滅流十二宮奥義:『風瓶(ふうべい)エリシオン』」



同時に俺とゴーレムは動いた。奴はオレに向かって全力疾走で突撃してくる。速度は10m以上あった俺との距離を瞬き一つする間に目の前に来るほど高速だった。常識的に考えればそれに巻き込まれた時点で俺はまた瀕死状態で泉送りだろう。



が、それくらいはやってくるだろうと読んでいた。それくらいの速さがなければ多段ヒット攻撃なんてできないはずだ。だからこそ尋常ではない集中力を必要とするこの『風瓶エリシオン』を使うことを選んだ。



『オオオ・・・・・・オオ?』



ここで問題です。俺は一体どこからその速度を見ていたでしょうか?答えは



「『風瓶(ふうべい)エリシオン』接続『魔進(ましん)タウロス』」



『オオオオオオオオ!!!???』



ボスの真上だよ。ガラ空きだった脳天へ俺の拳が吸い込まれるように直撃した。



『月光滅流』には十二星座になぞらえ命名された十二宮奥義と呼ばれる12の奥義がある。その中で水瓶座の名を持つ奥義『風瓶エリシオン』は一番難易度が高い奥義だった。攻撃技ではない。これは言わば移動術というべき奥義。



移動術を奥義と呼ぶ必要があるのか?誰もが思うだろう。

だがこの奥義の事を知れば誰でもその価値観が変わる。『風瓶エリシオン』は空気抵抗を衝撃と捉えて、蹴り込むことで三次元移動を可能にする奥義。



やったことは単純で、地面と足の間にできた空間を圧縮するように蹴り込み一気にゴーレムよりも早く、そして奴が見ていなかった高い空間に跳び出した。



な?何言ってるかわからないだろ?空気を足場にする。言ってることは単純だが、やっていることは人間業ではない。大乱闘するゲームで言うなら剣士や戦士、最近だと怪盗とか二段ジャンプしか出来ないキャラが、ピンクの丸いキャラ達の如く多段ジャンプが可能と言っているようなものだ。



上に跳び位置をゴーレムの真上に来るように小さく空中で跳躍、そして体勢を180度回転させ頭をゴーレムの方へと向ける。それが今俺がやったことだ。単純だが意味がわからない。理解できない奴。理解するな。そういうものだと認識しろ。



再び同じ要領で空気を蹴りゴーレムの脳天めがけて跳躍もとい急降下。そこにもう一つの十二宮奥義『魔進(ましん)タウロス』をぶち込んだ。この技は単純だ。全力で相手に突進するだけ。簡単だろ?だがその時に発生するすべての衝撃を相手に押し付けるがな。



進んだ時に受けた空気抵抗にて受ける自分の衝撃、衝突した時に起こるお互いへの衝撃、全ての力を相手へと押し付ける奥義。欠点としては直線にしか突撃できない技なので横に回避されるとよけられてしまう事。



そしてこの二つを組み合わせる上で一番の欠点は、エリシオンでの高速移動で発生する空気抵抗で速度が若干落ちてしまうことと、空気の衝撃を受けてダメージを受けてしまうこと。だが技の威力は速度によって上がるので空気抵抗で受ける欠点は誤差である。



さらに言えば、俺を見失った相手にとっては防御できない奇襲の一撃へと変わる。



別名『魔進瓶(ましんべい)ドラゴニックエリシオン』とも一部から呼ばれるこの技は『剣聖伝説』で一、二を争う凶悪技であり、剣聖ルートで戦う好敵手キャラ、つまり魔剣聖ルートに進んだ相方が使うと自分のHPを装備にもよるが全損させるほどの威力を持つ『無理ゲー』と言われるほどである。



本当に厄介な鬼畜技である。



それを防御一つせず、不意打ちのため予想外の方向からくる力をモロ頭部に受けたゴーレムはどうなるか。答えは一つ。砕ける。しかしそれだけじゃない。



俺はここに来るまでに道中のゴーレム達の”スパーリング”をしてきて体を温め、衝撃が体を循環している状態だ。その衝撃すべてをボスの脳天から叩き込むのだから砕けないわけがない。



『オ・・・・オオ・・・・・・オ・・・!!』



頭は砕け散り、相手を見つけるための目をはじめとする頭部の器官がほぼ使用不可能になる。それでも倒れることなく、未だ反撃のために両腕を叩き込もうと拳を握るその強さには敵ながら惚れ惚れしてしまう。が、それとこれとは話は別だ。



「魔進瓶ドラゴニックエリシオン」



今度は砕いた頭部を足場にして再び上空へ跳び上がる。下へと向かう衝撃は砕けきれてなかった頭部に深刻なダメージを与えるには十分な威力だったようだ。



風圧によりバラバラと砕け散る頭部、そこにさっきまで居た俺を倒さんと動き迫りかけていた腕がその影響をモロに受けて大きく外側へ煽られる。大きく手を広げ頭部がなくなったことで真上に開かれた胸元が飛び上がる俺の前にさらけ出された。



「さっきのお礼だ!!たらふく喰らえや!!」


『――――――!!!!』



再び叩き込んだその一撃でボスの体はガラスのようにキラキラと輝きながら砕け散った。





















あれ?出てこないなバトルリザルト。道中のゴーレムも倒せばリザルトは出てきている。もしかしてまだ生き延びているのか?嫌でも今こうしてバラバラに砕け散ったはずだぞ?



周囲を見ても敵らしき姿は見えないし、現れる気配もない。



「もしかして複数でてくるのガァッ!!!?」



突如、足元から放たれた拳が俺の腹を的確に抉った。自動車事故の比じゃない激痛が体中を走り、そのまま空中へと吹き飛ばす。



『ほうき星のお守りが壊れました。』



ミールのお守りがダメージの大多数を無効化してくれはしたが、多段ヒットの前に無意味となり、プラレアの加護も機能はしたがほとんど意味を成していない。感じ的に多分肋骨は使い物にならない。拳をセンターに半分に折り畳まれそうだった体はそれでも生きているのは復活のスキルが発動したからだろう。



さっき攻撃を受け止めた時と感覚は全く同じ。そして空中に飛ばされ上から改めて見ることが出来た事で正しく理解できた。ここのボスの全貌はあの巨体ゴーレムじゃなかった。



「このフロアそのものか・・・・・っ!!」



足元に突然現れたんじゃない。最初から足元にいたのだ。その証拠に、フロアがうねりを上げてさらに腕を増やしていく。



つまりあの巨体はあくまで俺にそれが敵だと認識させるための囮。動きを見てから的確に相手の隙を突くフロアそのものが本体なんだ。



状況は理解した。この状況切り返せるか?呼吸はキツイし体もズタボロ。奥義は使えて一度が体の限界。敵本体は把握したが弱点もしくは攻撃が有効な部位は何もわからない。アイテムで回復しようにも取り出して使う前に地面に叩きつけられるか追撃が来る。


諦めて次に持ち越しも出来ないわけじゃないが時間的に、ついでに言うと俺のプライド的にはもうこの選択しかない!!



衝撃を全て受け止めることは出来なかったがそれでも少しは体に回せた。俺は今かなり打ち上げられた状態で運良く復活地点の噴水よりも多少高い場所にいる・・・!!!



俺の体、持ってくれよ・・・!!!



「『ェイ゛ジィオン』!!!」



今の全力を持って泉まで自分を吹き飛ばす。着地はどうなってもいい。最後に泉に入ることさえ出来れば可能性はある。



体中が悲鳴を上げ体勢など整えられるはずもなく、クシャクシャの雪玉のように飛んでいる。ヤバイ・・・意識が・・・・消える・・・!!!!頼む・・・・持ってくれ・・・!!!





















「しゃぁ!!!」



賭けに勝った!!ゴロゴロと地面を転がりながら痛みで意識は飛びかけたがギリギリ泉に飛び込めたみたいだ。代償として泉がボロボロになり、溜まっていた水は流れてしまっている。



こうなると下手をすればこのポイントはもう使えない。死ねば街の復活ポイントへ戻され再戦不可能になるリスクが増えてしまった。



改めて自分の状態を見れば装備していたアーマーはボロボロに砕けており、その意味をなしていない。装備の耐久度がないので壊れることはないが、これでは動きを阻害してしまう。



どうせあのボス相手には今の装備では紙切れ同然だ。アーマーを外し、布切れ一枚の状態へと着替える。こっちのほうがまだ動きやすい。



こんな状況になってしまってまでなんで復活ではなく回復を選んだのか。さっきも言ったが意地だよ意地。一度負けた奴相手に二度三度も負けるわけにはいかない。さっき一度負けた時点でもう最後の戦いにしようと決めていたんだ。もちろん勝つ前提でな。



それなのに、油断した。見た目だけに騙されて油断した自分に腹が立つ。気が抜けすぎている。

復活できるというぬるま湯に浸りそれを繰り返していたこともあり、完全に剣聖で養った感覚が抜けてしまった。だからこれは戒めだ。もう後戻りはしないそういう決意を込めて。



ボスの姿は確認できる。フロアは先程よりも巨大なゴーレムへと姿を変え、上半身はさらに肥大化し、俺を追いながら、途中の道と広場を飲み込みながらこちらへ迫ってきている。



退路なし。前方に道なし。上等!!もう復活できるなんて視野に入れねェ!!負ければ最後!装備全部捨てる気持ちでたたきつぶす!!



「完全に”蘇ったぞ”!!」



この一点に関しては感謝するぞボス!!お前のおかげで俺は蘇った!!だから使う!もう出し惜しみはしない!ゲームバランスとかそんなのもう関係ない!!!!お前を倒すために全部持てる全てを使うぞ!



「超越月光十二宮奥義『魔王進瓶(まおうしんべい)ドラグエリシオン』!!!」



足元が敵の上ならどうする?なら足元では戦わない。地面は既に敵だ。なら地面もあのボスも全部まとめてぶち壊してやる。洞窟の天井へと跳び着地、敵はまた俺を見失っている。だがすぐに気づく。ゆっくりと動いて見える奴の首は確かに上を向き始めている。


同時に地面から腕が生え始めている。それでいい。俺が天井にいると錯覚しろ。既に着地の反動は吸収してある。そして今、お前は上を攻撃しながら俺を捉えようとしている。



その視線が正面から外れた。その一瞬を逃さない。



超越月光十二宮奥義『魔王進瓶ドラグエリシオン』。先ほど使った『魔進瓶ドラゴニックエリシオン』は魔進タウロスと風瓶エリシオンの連続技だ。一度に同じ技を同時に出すのではなく、一度技を出したあとにもう一度技を出す連続技。

けど『魔王進瓶ドラグエリシオン』は違う。連続使用ではなく同時使用、さらに月光真流二之型『月黒(げっこく)』という技を応用しタウロスの動きのままエリシオンを放つ複合技である。



そう、剣聖のゲームシステムありきでは決してかなわない流派の垣根を超越し、俺が編み出した新しい流派。言うなれば『超越流』その一つ、真流と滅流二つの流派の特性を併せ持つ流派こそ、超越月光流。二つの流派のいいとこ取りをして、足し算ではなく掛け算に変える奥義を放つ流派。



この『魔王進瓶ドラグエリシオン』もその一つ。月光滅流での『魔進タウロス』はその性質上、何かに触れた時に衝撃を別の場所に移す。『風瓶エリシオン』は自分で生み出した衝撃を使って前に跳び、衝撃を使って止まる。正直言うと連続して使用しやすいが無駄になってしまう衝撃が割と多い。



だがそこに月光真流をそしてこの場合は『二ノ型:月黒』を絡ませると話は変わってくる。



月光滅流はすべてが全力で1か0しかない。


全力のエリシオンで方向を変えながら必殺の位置を探り、全力のタウロスで相手にぶつかる。その時に発生する衝撃を使うことはできない。だからこそ月光真流、だからこそ月黒だ。



月光真流は守り、防ぎ、耐え忍ぶことで力を蓄える。蓄えた力は必要に応じて出し分けて敵を打ち倒す。つまり“衝撃のコントロールに長けている”のだ。



その技の出力は1~10まで思いのままだ。この二之型『月黒』は『踏ん張る・走る』などといった動きで生まれる衝撃を受け止める技。



つまりだ。この動きのままタウロスで衝撃を倍加させ、エリシオンで跳び着地したときの衝撃を貯められる。一度で二倍に、二度で四倍にといった具合で蓄積できる。なら三度目、そして四度目ではどうか?簡単だろ?



「超越月光十二宮奥義!!『魔王進瓶ドラグエリシオン』!!」



一度天井へ向けて跳ぶことで蓄積、二度目天井へ着地で蓄積、三度再び奴の正面泉地点へ跳び着地&蓄積、四度着地で蓄積。これで『ドラゴニックエリシオン』の十六倍!!



弱点がわからない?なら単純だ。全部ぶっ壊せばいい!!これが五度目の『ドラグエリシオン』!!やつの全てをぶち壊せば俺の勝ちだ!



「オォォォォォォオオ!!!!!!!!」


『オオオオオオオオ!!!!!』



音すらかき消す速度で突撃した俺の拳がガラ空きになったボスの胴体へと突き刺さる。衝撃は巨体を駆け巡り、地面すらも打ち砕く。俺の体が再び悲鳴を上げ始めるがこれで勝てるなら上等だ。



「1度で足りねぇなら何度も食らわせてやるよ!!『ドラグエリシオン』連撃だコラァ!!」


『オオオオオオ!!!!!!』



壁にぶつかりバウンドするスーパーボールのように何度も跳び、攻撃を繰り返す。少しでも体の動きと着地と接敵のタイミングを間違えれば即座にペシャンコになるだろうが気にしてられない。少しでも遅くなれば奴は対応できてしまう“可能性”がある。



だからその可能性が生まれないように、その隙が生まれない速度で攻撃を叩き込む!!

洞窟を揺らし、天井の一部が崩落する。だがそれがどうした。天井が崩れて岩が俺の進路を妨げるなら岩をボスにぶつければいい!!



攻撃が50を超えたくらいだろうか?洞窟は泉の地点と奥の階段を残して全て崩れ、ボスの姿も同時に崩れ落ちていった。





星を守護する番人(プラネスタガーディアン)を撃破しました』

『UtS:アルティメットカウンターLv3がLv4になりました』

『UtS:月光流Lv2がLv3になりました』

『アイテム:守護者の印を入手しました』

『称号:『究極の反撃者』を習得しました』





リザルト確認。これで完全撃破だ。ざまぁみろ。さて、少し休んだら階段まで跳ぶとしようか。流石に少し疲れた。







ゲームシステムとか考えるのを放棄した剣聖は己の全てを世界へ響かせていく。長い歴史に埋もれた伝承は現在へと姿を見せ始める。

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[気になる点] 「リアルハードモードで身につけた能力」は自分自身の力(プレイヤースキル)だし、現実世界でも発揮できるようなもので、だから新しく始めたゲームでも使える……のかと思えば、普通に「ゲームの中…
[気になる点] 中学生の頃考えてた黒歴史の小説読んでるみたい。 名前のセンスとかまさにそんな感じ。 自分の精神にダメージが来る…… [一言] >復活Lv1:瀕死状態の時(Lv)度だけHP1で復活する…
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